福田雄介のレビュー一覧
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イリエワニが、はるか昔からどのようにして生き残ってきたのかが分かる。イリエワニの生態とともに、その魅力ー強さ、おそろしさ、たくましさーが伝わってきた。
大きくなれば最強のイリエワニも、大きくなるまでは獲物にされる。母親を離れてから1年の間に生き残れるイリエワニは半数ほどだそうだ。
また、メスと交尾するためには、オスとのしれつな闘いを制することが必要とのこと。
野生で生き残っていくということのけわしさをひしひしと感じたし、大きくなった動物たちに敬意を抱いた。大きくなるということが、奇跡のように思えてきた。
昨日読んだホホジロザメも、今日読んだイリエワニも、今もこの世界のどこかでゆっくリと -
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ネタバレバナナワニ園に行ってあまりの大きさと恐竜のような身体に惹かれ、生態を知りたくなり読んだ。
バナナワニ園で見たワニも相当大きかったが、世界には6メートル以上のワニがいたと知って驚愕。
そして現存するワニのような生物が太古の昔に既にいたというのにはロマンを感じる。
人を襲うこともあるワニと共存するためのオーストラリアの歴史と政策は、日本でのクマ問題においても参考にできそうだと思った。
タイトルの「人喰いワニに噛まれたら?」のアンサーとしては以下の通り理解。①ワニがいるエリアには2人以上で行く、②噛まれそうになったら横跳びで瞬時に逃げる、③噛まれてしまったら頭を棒などで猛烈に叩いて離してもらう -
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ネタバレもしも人食いワニに噛まれたら、そりゃ死にますよ。死因は溺死。サメでの出血死とは異なるところが面白い。本書は、ワニ研究者によるワニ好きのための本です。
16歳のときにワニに魅せられ、ワニ研究者になり、今はオーストラリアのとある公的機関で研究をしているそうです。
フィールドワークに基づく、研究者の本は面白いですね。琴線に触れます。
自分は、ヘルスケア系なので、「ワニの血からできる魔法の薬?」の項は短いですが、大変興味深かったです。ワニに指を噛まれて怪我自体は大したことがなかった人が、感染症で肩まで腫れ上がったことがある、というエピソードを踏まえ、それだけワニに病原菌が共存していてもワニ自体に問題は -
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とても面白かった!
そして、情報がとてもフレッシュ。タイトルはセンセーショナルというか、ありがちではあるんですが、ワニの研究者による、真面目にワニを科学している書籍。しかし、素人向けに、面白エピソードなども交えて、わかりやすく説明されていて、とてもとっつきやすい。特にワニの心臓に興味を持った。もちろん、タイトルのとおり、ワニに噛まれたときの対処や、まず、噛まれないようにする注意点とか、どういうことをすれば噛まれるのか、などのサバイバル的な情報にも言及している。
存外ワニのことって知らないなあ、と認識。例えば、アリゲーターとクロコダイルの違いとか、私の知る限り、結構な数のアメリカンがアメリカに -
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『もしも人食いワニね噛まれたら!』が面白かったのでこちらもよんでみる。
この頃は、一般向けに面白い生物の本を書いた研究者に子供向けの本を書いてもらうことが流行っているようだが、これもそう。(同じシリーズの『ホホジロザメ』も同じ)
ワニについては、『もしも』に書いてあることを子供向けにやさしくシンプルにしているのだが、何が素晴らしいって、この絵師を連れてきたこと。(『ホホジロザメ』と同じ画家)
写真では表現できない、絵だからこそ描ける表情や表現方法。絵としての完成度の高さ。(海を泳ぐワニ、水牛を狙うワニ)
どれも本当に素晴らしい。爬虫類好きの子どもたちに是非とも読んで、見てほしい。 -
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ネタバレ関俊一さん画の動物絵本、「ホホジロザメ」に続く第二弾。シリーズ名をつけないのだろうか?と思うくらい出来がよい。三冊目からつくんでは。水中の描写が素晴らしいので、私は前作の『ホホジロザメ』の方が好きだが、こちらもよかった。生物としてのしっかりしつつ簡潔な特徴説明も、その説明に添えられる図も、そして全体を通して一つの生物の生態を描く力のある画業も、過不足なく素晴らしい。子どもの気を引くために二ページに一回は(あるいは全ページを)漫画に割く科学読み物が隆盛を極めているので、その正反対のアプローチで本を作ってみたということなのかもしれない。
今は幼児・児童向けの図鑑も写真を使用したシリーズが人気だが、 -
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ワニ研究者によるワニ入門本。
日本では天然では見られないワニ。
著者は子供の頃、ワニのテレビ番組に魅せられて、ワニ研究が盛んなオーストラリアに渡る。苦労の果てに研究職に就き、以来、「100年経ってもワニが生きていける」世界を目指して奮闘中である。
本書はそんなワニ研究者による、日本人読者向けのワニ入門書。
Q&A形式で親しみやすい作りだが、中身はかなりディープ。
ワニの種類に始まって、人食いワニ伝説の真偽やワニの体の秘密、生態や巨大ワニなど、ワニを巡るさまざまなトピックを易しく説く。
巷でよく言われるのが、ワニは口を閉じる力に比べて開ける力が弱いので、噛まれる前に、口を押えてしまえば大丈 -
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オーストラリア、ノーザンテリトリーでイリエワニの研究をしている著者がワニについて語る本。
タイトルの質問にもちゃんと答えているので、野生ワニがいるところへ旅行などする人は参考になる。
ワニは楽に安全に獲れるもの(基本的には魚)をふだん食べているので、わざわざ抵抗されれば面倒なことになる大型の動物を捕獲しないし、水辺から遠くまでは行かないので、水辺でのんびりしたり、ワニより小さいボートに乗らなければ基本的には大丈夫らしい。が、子どもは違うから注意。犬も。
著者のワニ愛が感じられ、だんだんワニが好きになってきた(元々嫌いじゃない)が、ワニは人に慣れるとは一切書いてない。そういう甘い考えは持たない