【感想・ネタバレ】クロコダイルに魅せられてのレビュー

あらすじ

「私が十代のころ、それまで行ったこともないオーストラリアという国で、見たこともない野生のワニの専門家になりたいと言ったとき、学校でも家庭でも本気に受け止める人はいなかった。当然である。ただの思いつきか世迷い言に聞こえただろう。それでも当の本人はそれを我が宿命と確信して、燃え上がるような思いを胸に日本を飛び出してしまった」(あとがきより)この本は、ワニについての本ではないし、ワニの研究手法を詳細に伝える本でもない。まさにクロコダイルに魅せられて、ワニの将来にすべてを捧げることを心に決めた男の、生きざまを記した本だ。そんな彼がこれまで手掛けてきたのは、ワニと人間とが安全に共存するための研究であり、野生のワニが美しい自然のなかで生きているいまの世界を未来永劫守っていくための研究である。オーストラリアの政府機関で野生ワニの保全に全力を尽くす、唯一無二のワニ研究者はいかにして誕生したのか。淡々とした筆致ながらも熱い思いがじっくりと伝わる、ワニ研究エッセイ。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

最高のエッセイだった。感情の描写ばかりでなく、ノーザン・テリトリーの政策と連動した研究・調査をどのように調整していたのか、オーストラリアの公務員研究者のログとしてもかなり興味深い。ワニとクマの課題は共通しているのかも、と思ったら案の定それに関する記述もあり。彼がノーザン・テリトリーでの研究を続けるかは不明だが、とにかく私は彼のスタンスに非常に憧れているので、ずっと応援している。

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2025年12月31日

Posted by ブクログ

2025年出版。196ページ。高校生の時分から「生きていく上での目標・生き方」をココロに決めている人間など殆ど居なかろうと思うが、筆者は1年生の時点からほぼ不登校までなりながら、ふと見たテレビから天啓を受けて「野生のワニ研究家」になると決意したとの事。イキナリ思い込めるのも一種の才能なのかも。出版時点で筆者は40代半ば。オーストラリアの公務員研究員という、ある意味で制約もある立場から、ポスドクとして研究対象を世界に向けようと動き始めている現在までが書かれている。
ワニを神聖視して「食われることは有り得ない」と信じながら被害に会い続ける民族とか。人類の増え過ぎでワニの脅威を感じながら、人類側を守る為に殺処分するとか。ワニの殺処分を制御する為には、ワニに経済的価値を継続的に付加しなければとか。中々に読み応えも有る。

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2026年04月13日

Posted by ブクログ

高校に入学したものの学校にも行かずブラブラしていた著者は、偶然TVで見たオーストラリアの野生のワニとワニの専門家の映像に衝撃を受け、オーストラリアの大学入学を目指す。そこからの努力は、なかなかのもの。オーストラリアに留学し、ついに州政府のワニ研究員になる。
そんな過程も興味深いのだが、ワニに対する深い思いと、獰猛ではあるが性質を理解し共存していく道筋を示唆する姿勢に、共感できた。

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2026年02月20日

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