大澤博隆のレビュー一覧
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近年、(主に米国の)先端産業の経営者がSF作品のファンであることにも起因して、SFというジャンルが注目されているようだ。
そこで、SFを積極的に経営に活かしていこう、というムーブメントが生まれ、これがSFプロトタイピングとして市民権を得たものであろうと思う。
「ドラえもん」、星新一から始まり、フランク・ハーバート、アイザック・アシモフ、神林長平、ウィリアム・ギブスン、士郎正宗、ダン・シモンズ、伊藤計劃などを濫読してきた身としては喜ばしいことだ。
実は私が1990年代に所属していたSFコミュニティでは、「SFの終わり」が語られていた。
もはや現実がSFに追いついたというのである。
もちろん、現実 -
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★目次
まえがき 大澤博隆
第1章 思考のストッパーを外せ 暦本純一
第2章 「歩行」に魅せられて 梶田秀司
第3章 「自分とは何か」を考えるためにSFを読んできた 松原仁
コラム① AIのジェンダー化 西條玲奈
第4章 「人間」の謎解きを楽しむ 原田悦子
第5章 身体という「距離」を超える 南澤孝太
第6章 ストーリーに書けないものが見たい 池上高志
コラム② SFを実社会へ応用する 福地健太郎
第7章 情念が実体化するとき 米澤朋子
第8章 SFは極めて貴重な資源 三宅陽一郎
第9章 ディストピアに学ぶこと 保江かな子
第10章 イノベーションの練習問題 坂村健
第11章 研究からフィクシ -
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現在からの延長で未来を考える「フォアキャスティング」手法が一般的であるのに対して、本書で紹介されているSFプロトタイピングと呼ばれる手法は、未来を「バックキャスティング」で考えます。そこではロジックよりも想像力、創造力が求められることになります。たとえば「いまから100年後には機械を通じて動物と人間がコミュニケーションしている」と想定します。そして、ではそのような世の中になるためには50年後にはどのくらいのことができているだろうか、どんな議論を皆が重ねてどんな技術が開発されているのだろうかと想像するような手法ということになります。
本書ではビジネスへの適用についても述べられていますが、特に大 -
Posted by ブクログ
「SFプロトタイピング」という新しい概念を知って、
何冊か本を買ってみました。これはその1冊目。
SFプロトタイピングが何?ということに対して、
自分なりに明確に定義付けができていないのですが、
この本を通じて何となくやろうとしていることを理解することはできます。
まだまだ出来上がったばかりの概念なので、
やり方・手法は厳密に定義されていない様子です。
ゆえに、読者側もこの本を読んでも、少しふわふわした感じで終わるかもしれません。
本の構成は、6割くらいがSFプロトタイピングを実践されている方の対談で構成されているのですが、
若干自分には無理やりSFプロトタイピングのカテゴリーに収めている