伊波園子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
教室に置いておきたくて、あえてジュニア新書。
沖縄戦に高い関心を示す生徒たちが多かったから、だれか手にとってくれるかなと。
これなら中学生でもすいすい読める。
しかし、読めば読むほど、あの戦争の不条理さが募る一方だった。
著者は、ひめゆり学徒隊として地獄を生き抜き、その後、40年間の教員生活を送った。
当事者が語る戦争の実像に、戦慄した。
目新しい情報はなかったけれど、具体的な会話のやりとりや実名が記されているので、より苦しく、悲しくなった。
どうして、志をもつ前途ある少女たちが、可憐な言葉を紡ぐ少女たちが、死ななければならなかったのか。
悲しい歴史を繰り返さないよう、学んでいかなけれ -
Posted by ブクログ
生と死が隣り合わせ。あと1秒早く壕を出ていたら、あと数メートル後ろに居たら、目の前の爆発や空から降り注ぐ爆風と破片に四肢をもぎ取られ、頭を吹き飛ばされ、お腹から臓物を飛び散らし無惨に失われていく命。それでもなお、爆発でできた穴に横たわり、流れてくる雨水とも血とも解らない水分を啜り、這いつくばって生を求める女学生。正にこの世の終わり、生き地獄が最も相応しい表現だった時間。今私たちは平和な世の中に凡そ銃声すら生涯聞くことのない様な世界に暮らしている。少し転んでかすり傷で泣いていた幼い自分さえも覚えているくらい、子供だった自分には激しい痛みの記憶として残る。
間も無く沖縄戦の終結6月23日を迎える。 -
Posted by ブクログ
一瞬一瞬の行動が、生死を分けた沖縄戦。
何の罪もなく、ただただ生きたいと思いながら亡くなっていった県民。
学生と呼ばれる世代の女性が〝ひめゆり〟として、負傷した兵士の治療をしていた。ノミが体中から溢れる兵士を。臭い思いをしながら、ひたすら。
ガマの外に一歩でも出れば、砲丸に当たる危険がある中、生き延びる為に食糧を取りに行き、水を汲んでいた。
昨日まで笑いあっていた友人も、自分の目の前で、息を引き取る。
ひめゆりを経験した本人が書いた本だからこそ、読者にも伝わるほど生々しく書かれており、戦争の恐ろしさ、命の尊さ、平和であることの大切さを改めて感じた。
平和であることは当たり前でなくては -
Posted by ブクログ
当時を思い出し、書いたり語ったたりするのも相当に辛いことなのだ
ろうと思う。それでも、ひめゆり学徒隊の生き残りである女性たちは
自らの体験を書き、語り、後の世代に戦争の惨禍、そして平和の大切
さを伝えようとした。
心を引き裂かれ、血の出るような思いで書かれたり、語られたりした
ことを、私を含め戦争を知らない世代は受け止め、考えなくてはいけ
ない。
ひめゆり学徒隊。沖縄県女子師範学校と沖縄県立第一高等女学校の
教師と生徒を主体に作られた女子学徒隊の悲劇については映画や
小説でも取り上げられた。
著者は沖縄県女子師範学校の卒業間際に看護要員として動員された。
そして、体 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
半世紀前、一〇代の少女たちが戦争のなかを生きた。
「飯上げ」、傷病兵の看護、壕掘りといった作業は彼女たちを死の危険にさらした。
米軍に追われて、ついに最南端まで追いつめられてゆく。
一八歳の一少女の目を通して、多数の住民を死に巻きこんだ沖縄戦の実相が浮かびあがる。
[ 目次 ]
1 ひめゆり平和祈念資料館で
2 沖縄戦前夜
3 南風原陸軍病院で
4 喜屋武半島で
5 死線をさまよう
6 ゼロからの出発
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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Posted by ブクログ
すさまじい悲劇...........。
久しぶりに日本の戦争のお話しを読みました。
自分(現在40代)が子供の頃は、学校や公民館で先生やおじいさんおばあさんが戦争が如何に酷いかを過去の経験や物語を通じてよく聞かせてくれたし、夏には二十四の瞳とかビルマの竪琴とか映画も毎晩のようにTVでやってたけど、最近はすっかりそういう機会が消えてる感じで、戦争全否定を学ぶ機会が無くなってる気がしてて、少し心配な気持ちになりました。
本書の感想からは外れますが、なぜ日本は戦争を犯したかを考察してる記事があって、明治維新は武力革命で、その成功でもって新政府はより強力な軍隊を作り上げて、反対する人間を力ずくで抑