【感想・ネタバレ】ひめゆりの沖縄戦 一少女は嵐のなかを生きたのレビュー

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Posted by ブクログ

終戦直後、遺族の保護者らに責められ、生き残ってしまったこと、また自分たちが信じていた教育が全く間違っていて、自分の全てを否定されたように感じ、学徒隊であったことを後ろめたく感じているというところが最も印象的でした。


日米の戦争ではなく沖縄県と日本軍の戦いだった沖縄戦。住民を巻き込んだ唯一の地上戦として、様々な定量的データを用いながら当時の教育、社会体制を解説されています。

戦争体験は生々しく、大きなインパクトを与えますが、感情だけではなく客観的に経緯、構造として沖縄戦を理解し、同じような悲劇を防ぐという作者の意図が強く感じられます。

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2023年01月09日

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詳細な地図や写真と共に、時系列にそって日記のようにひめゆりの方が語っている。
事々刻々とひどくなる日々がよくわかる。生き残ってしまったという自責の念もあり、なかなか実際のところがいままで明かされていなかったこともわかった。

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2019年03月07日

Posted by ブクログ


教室に置いておきたくて、あえてジュニア新書。
沖縄戦に高い関心を示す生徒たちが多かったから、だれか手にとってくれるかなと。
これなら中学生でもすいすい読める。
しかし、読めば読むほど、あの戦争の不条理さが募る一方だった。

著者は、ひめゆり学徒隊として地獄を生き抜き、その後、40年間の教員生活を送った。
当事者が語る戦争の実像に、戦慄した。
目新しい情報はなかったけれど、具体的な会話のやりとりや実名が記されているので、より苦しく、悲しくなった。

どうして、志をもつ前途ある少女たちが、可憐な言葉を紡ぐ少女たちが、死ななければならなかったのか。
悲しい歴史を繰り返さないよう、学んでいかなければならないと強く思う。

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2018年09月15日

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ゲリラ戦に持ち込んで住民を巻き添えにし、時間かせぎをする方針を立てた事は、全く情けない。本当に何のための軍隊だったのか。こういうことを最近の日本国民は忘れかけている気がしてならない。

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2014年11月04日

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生と死が隣り合わせ。あと1秒早く壕を出ていたら、あと数メートル後ろに居たら、目の前の爆発や空から降り注ぐ爆風と破片に四肢をもぎ取られ、頭を吹き飛ばされ、お腹から臓物を飛び散らし無惨に失われていく命。それでもなお、爆発でできた穴に横たわり、流れてくる雨水とも血とも解らない水分を啜り、這いつくばって生を求める女学生。正にこの世の終わり、生き地獄が最も相応しい表現だった時間。今私たちは平和な世の中に凡そ銃声すら生涯聞くことのない様な世界に暮らしている。少し転んでかすり傷で泣いていた幼い自分さえも覚えているくらい、子供だった自分には激しい痛みの記憶として残る。
間も無く沖縄戦の終結6月23日を迎える。このタイミングでひめゆりの記憶を辿っていくのは、今を生きる人々の一つの使命ではないかと感じる。なぜ今日本が平和を謳歌し、食べ物にも困らない生活を送れているのか。なぜ海外で起こっている紛争を他人事の様に、別世界の問題として片付けられるのか。戦後70年以上経過し、当時を知る人語れる人も大分少なくなってしまった。ただ間違いなく、そこには今の私たちと同年代の人間も、お年寄りも子供も、そして本書の語り部たる女学生たちが居た。今の私たちからは想像もできない地獄を彷徨い、ほんの数センチ横に忍び寄る死の影とともに生きていた。
沖縄中央部に上陸した米軍、圧倒的な兵力と物量で難なく(少しでも時間を稼ぐため、沖縄守備隊は水際作戦を選ばず長期持久戦を選んでいた)上陸を果たし北に南にそれぞれ攻め入る。迎え打つ帝国陸軍第32軍の兵力は11万と、この数字は上陸したアメリカ軍50万以上に対して1/5以下だ。各地に地下要塞を築いて徹底抗戦に出るが、圧倒的な兵力差は如何ともし難く、日本は沖縄に住む14歳以上の学生も動員した総力戦を挑む。結果は火を見るより明らかだが、皇国日本の勝利を信じて止まない学生たち。それでも徐々に追い詰められ、自決の道を選ぶ者も多くいた。
当時、既に政府内でも沖縄戦以前から早めの降伏を望む声もあったが、少しでも有利な状況に持ち込もうと続けてしまった事で、より多くの犠牲者に繋がる。そこからは沖縄、広島、長崎の無辜の市民の死につながった事は誰もが知る歴史の事実だ。後世歴史家はこの沖縄の徹底抗戦があったからこそ、本土上陸作戦をアメリカに躊躇させる事が出来たという評価もある。然し乍ら、そこに生きた人々からすれば、ただ生きたい、死にたくない、家族と平和に暮らしたいとの気持ちが1番だったに違いない。ただ生きるという当たり前の事すら困難な状況で次々と散っていった命。
沖縄には「命どぅ宝」という言葉がある。生きてさえいれば良い事があるじゃないか、という意味の言葉の重さが深く胸に刻まれる。
戦後生き延びる事が出来たひめゆりたちも、なぜ私だけ生き残ってしまったのかという悲しみを背負いながら生きる。だからこそ二度と戦争を起こさないように後世への語り部の道を選ぶ者も多い。また教員になる者も多くいたようだ。二度と同じ目に合わせたくない、その強い気持ちが平和教育へと繋がっていく。沖縄をそうした目的で訪れる学生も多いが、ガマや慰霊地を訪れてもその様な事実も知らず友と笑い合って通り過ぎていくこと、実はそれこそが平和の証なのかも知れない。知る事は重要だ。語り継ぐべきだし教訓としなければならない。しかしそこから最も遠い場所で、戦争をドラマや映画の中の非現実なものと捉えられる事は、それだけの犠牲の上に成り立った今という時代に残る一つの光とも取れる。
世界を見ればまだまだ戦争が各地で起こっている。世界中のすべての人が戦争の惨禍を理解し、決して起こしてはならないと強く望まなけれはならない。もう二度とひめゆりの様な悲しい想いをさせない為に。涙が止まらない。

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2023年06月19日

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一瞬一瞬の行動が、生死を分けた沖縄戦。

何の罪もなく、ただただ生きたいと思いながら亡くなっていった県民。

学生と呼ばれる世代の女性が〝ひめゆり〟として、負傷した兵士の治療をしていた。ノミが体中から溢れる兵士を。臭い思いをしながら、ひたすら。
ガマの外に一歩でも出れば、砲丸に当たる危険がある中、生き延びる為に食糧を取りに行き、水を汲んでいた。

昨日まで笑いあっていた友人も、自分の目の前で、息を引き取る。

ひめゆりを経験した本人が書いた本だからこそ、読者にも伝わるほど生々しく書かれており、戦争の恐ろしさ、命の尊さ、平和であることの大切さを改めて感じた。

平和であることは当たり前でなくてはならないし、平和であることは、幸せであることを、もっと強く捉える必要があると分かった。


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2021年02月22日

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当時を思い出し、書いたり語ったたりするのも相当に辛いことなのだ
ろうと思う。それでも、ひめゆり学徒隊の生き残りである女性たちは
自らの体験を書き、語り、後の世代に戦争の惨禍、そして平和の大切
さを伝えようとした。

心を引き裂かれ、血の出るような思いで書かれたり、語られたりした
ことを、私を含め戦争を知らない世代は受け止め、考えなくてはいけ
ない。

ひめゆり学徒隊。沖縄県女子師範学校と沖縄県立第一高等女学校の
教師と生徒を主体に作られた女子学徒隊の悲劇については映画や
小説でも取り上げられた。

著者は沖縄県女子師範学校の卒業間際に看護要員として動員された。
そして、体験した沖縄戦。アメリカ軍の攻撃を避けながら壕を転々と
し、その合間に傷病兵の手当てをし、極度の疲労と食糧不足に悩まされ、
多くの恩師や級友を失いながらも「鉄の暴風」を生き延びた。

小学校高学年以上向けの作品なので、筆は抑えられているのだろうが
それでも沖縄戦の悲惨さは伝わって来る。

逃げ延びる為に足手まといになる傷病兵を置き去りにしたり、海に入って
自決することを求められたり、子供が泣くからと壕から追い出された女性
がいたり。

本土からの支援物資は届かず、負傷者の手当ての為の包帯や薬品も満足に
ない。

文字通り、沖縄が捨て石だった。そんな激戦を生き延びても、戦後には
生き残った後ろめたさを抱え込まなければならないなんてなぁ。

生き延びて語る勇気を出してくれたことで、沖縄戦で何があったかを
知ることが出来るのだと思う。

国は国民を守らない。改めて感じた。

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2018年01月20日

Posted by ブクログ

職員旅行で沖縄に行くことになり、せっかくなので事前に知識を詰め込んじゃおうと読み始める。

沖縄戦を知らない日本人、多いんじゃないかな?

森山良子さんの「さとうきび畑」という歌の歌詞が、沖縄戦争のことを歌っているのを初めて知る。

戦争は悲劇しか生まない。
戦争のない世界がくることを願う。

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2016年04月21日

Posted by ブクログ

沖縄旅行に行く前に。


比較的読みやすい文体なので小学校高学年位の人にオススメかもしれない。

日本だけのことではないけれど、こういうことがあったということは、忘れられるべきではないと思います。

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2012年07月11日

Posted by ブクログ

今となっては伝聞でしか想像できない戦争、そして沖縄戦だけど、これはその当時の様子をリアルに語ってくれている。
唯一、日本の大地で行なわれた戦争。男と同じく戦場に出され、男よりすさまじく、むごたらしい戦火を過ごしたひめゆり部隊の少女たち。

戦争は絶対にあってはならない。

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2011年09月23日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
半世紀前、一〇代の少女たちが戦争のなかを生きた。
「飯上げ」、傷病兵の看護、壕掘りといった作業は彼女たちを死の危険にさらした。
米軍に追われて、ついに最南端まで追いつめられてゆく。
一八歳の一少女の目を通して、多数の住民を死に巻きこんだ沖縄戦の実相が浮かびあがる。

[ 目次 ]
1 ひめゆり平和祈念資料館で
2 沖縄戦前夜
3 南風原陸軍病院で
4 喜屋武半島で
5 死線をさまよう
6 ゼロからの出発

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年03月23日

Posted by ブクログ

ジュニア新書って本当に読みやすくて、課題にされるとむしろ嬉しかったな。
唯一の地上戦であった沖縄。
当然、私たちには知らなきゃいけないことがたくさんある。
沖縄戦を、ひめゆりを知るのに有用な入門書だと思います。
修学旅行で沖縄に行く高校生の、事前学習に良さそうだなー、
と妹に押し付けてみたり。

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2010年01月10日

Posted by ブクログ

ひめゆり学徒隊で生き残った筆者が、太平洋戦争の開戦から、沖縄の本土復帰までを綴った本。

ひめゆり関係の本は、どれを読んでも生々しい。
軍病院に勤務していたから当然なのかもしれないが、死や血肉の話が多く、顔を背けたくなる描写が多い。この新書は、戦後に壕から収集された治療器具や遺骨の写真があるので、より生々しく感じるのかもしれない。

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2013年07月03日

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