喜多代恵理子のレビュー一覧
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スウェーデンの小説の翻訳だが、夢中になった。
上巻は、大量の死者が発生していた件を巡り、グレーンス警部が事件関係者を何としても逮捕すると熱いモノを滾らせ、手段を択ばないと、あのピート・ホフマンに協力を依頼するというようなことになる。
下巻は、ホフマンの活躍でもたらされた情報、スヴェンとヘルマンソンの調査と分析とで“敵”の様子が見え、緊迫した「戦い」が展開する。そしてグレーンス警部は意外な黒幕に辿り着き、対峙して行くことになる。
執念深く、強い押し出しで関係者に切込むグレーンス警部は、本作では事案に携わる人達と心を開き合うというような場面が在る。そして仕事一筋の老刑事が、「許せん!」と熱いモノを滾らせる、人々の安寧と生命、その生命の尊厳を護るという警察官の矜持を胸に奮戦する様子が実に好い。
色々と経緯が在って、グレーンス警部に協力して闘うことになったピート・ホフマンは今作でも好い感じだ。クールで、何処までも計算して動いているのだが、少し見当がズレても動じずに思惑を遂げてしまう。悪漢達を向こうに回しての大奮戦だが、ストックホルムに残している妻や未だ幼い息子達への思いも熱い。今作では、グレーンス警部がこのホフマンの妻子達と関わることにもなる。
現実にスウェーデンを含む欧州諸国で問題になっている事柄を織り込みながら、劇中人物達の物語が展開するというのが、このグレーンス警部のシリーズの面白さだと思う。今般も何か凄く夢中で作品を読んだ。 -
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本作は、ストックホルム警察のエーヴェルト・グレーンス警部が活躍するシリーズで、凄腕の潜入捜査員のピート・ホフマンが登場するようになって「ダブル主人公」というような感じになってから3作目ということになる。
エーヴェルト・グレーンス警部は現役最年長の捜査員という感じで活動している。短気で怒りっぽく頑固で、押しが強く、執念深く事件を追う、やや付き合い悪い感じの男だ。他方で、妻が事故で動けず、話すことも出来ない状態になって長く施設に収容されていて、その妻を喪ったという経過の在る孤独を抱えているような男でもある。或いは、私生活での孤独の他方に、職務に精励することだけを生き甲斐にしていたような面も在る。こういう設定は、シリーズ各作品で示唆されている。本作でも、早朝の自由な時間に、他界した妻が居た施設が見える辺りに座って、想い巡らせながら過ごしているという冒頭辺りの場面の描写で、設定が示唆されていたと思う。
物語はそのグレーンス警部が連絡を受けたという辺りから起こる。
グレーンス警部が受けた連絡は奇妙な内容だった。大きな病院の遺体安置所で、全く記録の無い遺体が紛れ込み、記録に在る遺体の数よりも1体増えてしまっているという話しだった。遺体安置所の担当者からの通報で調べることになったので、現場に向かって欲しいという連絡を、グレーンス警部は首を傾げながら聴き、現場へ向かうことにした。少し長く警部の補佐役を務めるスヴェン・スンドクヴィスト、やや若い優秀な女性捜査員のマリアナ・ヘルマンソンを伴い、グレーンス警部は現場での捜査に着手する。
真面目で熱心に仕事に取組んでいるという風な、遺体安置所の担当者が言うように、正体不明な遺体が1体紛れ込んでいるという不思議な状況を目の当たりにしたグレーンス警部は、問題の遺体を法医学者の所に運んで検分した。窒息死と見受けられる遺体は、西アフリカ、または内陸部の中央アフリカの出である人種的な特徴が見受けられるということだが、身元を知るための手掛かりは皆無である。
そうしている間に、遺体安置所に更に別な把握していない遺体が紛れ込んでいるという通報が入る。運び込まれた可能性の在る経路を徹底的に探ると、とんでもないモノに行き当たった。港のコンテナの中に夥しい数の遺体が在ったのだった。警察に通報をした遺体安置所、他の遺体安置所でも発見された遺体と合わせると、総数で73体にも上りグレーンス警部達は衝撃を受ける。コンテナに大勢が押し込められていて、呼吸が出来ずに中に居た人達が亡くなったと見受けられる状況である。
アフリカ諸国等から欧州諸国を目指してやって来る人達の問題が在るのだが、金を取って渡航をさせるとでもして、コンテナに限度を超える程度の人数を押し込んで、多数が生命を落すという状態が生じている。グレーンス警部はストックホルムでこのコンテナを迎え入れるということになっていた関係者が必ず在る筈で、それを逮捕しなければならないと強く思った。そうしていれば携帯電話の着信音が聞こえた。発見された遺体の中から、着衣の裏に縫い付けるように、生前に死者が所持していたらしい携帯電話が見付かった。見付かった携帯電話を鑑識で確り調べてみた。そうすると、意外な人物の痕跡が見付かったのだった。 -
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▼心が疲れてるときに
癒しを感じさせる森の写真の表紙。
内容も心が疲れてるときにピッタリです。
大自然を見たときの感動や驚きなどの感情【Awe(オウ)】を、科学的に分析した本です。
ストレスから解放されたストレスフリーゾーンでもあります。
▼必要不可欠な感情Awe
感情Aweには、健康的なメリットがたくさんあります。
・ストレス軽減
・創造力アップ
・病気リスクの低下
・頭の回転が速くなる
スピリチュアルではなく科学的な研究を元に解説されていて、説得力があります。
「感動したのに強烈すぎてうまく言葉にできない」
そんな経験ありませんか?
もしかしたらそれがAweだったのかもしれません。
ぜひ本書で答え合わせをしてみてください。
▼不要なものを大切にする
私たちは時間に追われていると、「やるべきこと」に縛られてしまい、日常の小さな感動を見逃がしてしまいます。
だからこそ生物学者ステファンの言葉が響きます。
「必要なもの」より「不要なもの」を大切にするべき。
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私が4月に読んだ8冊の中で個人的NO.1だったので、オススメです! -
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グレーンス警部と潜入捜査員ピートとのW主人公シリーズ三部作も、いよいよ大団円を迎える。
『三秒間の死角』が、作品の完成度やインパクトのわりに正当な評価を得ていなかったものの、アンデシュ・ルースルンドの名は、元囚人の肩書きステファン・トゥンベリとの共著『熊と踊れ』二部作により、一気にエース級作家として知れ渡り、それを受けてか、『三秒間の死角』も『THE INFORMER/三秒間の死角』のタイトルでNYを舞台にストーリーもシンプル化した形に差し替えられたものの、ともかく映画化された。
以降、『三分間の空隙』、そして本作と、あっという間の三部作翻訳が完了し、ついに最終編とあいなる。ただし、前二作を含むこれまでのグレーンス警部シリーズ全作の共著者であったペリエ・ヘルストレムの病死により、本作では初めてアンデシュ単独での執筆となる。共著がどのように書き進められる作業なのか知るべくもないが、本作で判断する限り、スピードが増して、むしろ読みやすくなり、アンデシュの持つストーリーテリング能力を、むしろ見直した感がある。
のっけから暗闇、上下左右を死んでいく者たちに囲まれ、自身も死にそうになる圧迫感のある状況下、物語はスタート。死んでゆく彼らが何者なのかの説明はまったくなし。
続いてグレーンス警部のいつもの描写。亡き妻を偲んで警察署内の自室のソファで眠り、妻を想いレコードをかけるセンチメンタルな日々。事件の一報。コンテナいっぱいに詰められた死体が港に到着したのだ。何という事件だろうか。
一方、西アフリカ移民の食糧輸送を妨害するテロリストの攻撃から輸送トラックを守るために雇われている、我らがピート。彼が、相変わらず命がけの戦場に身を置く有様と、全く対照的に彼を待つ、妻と二人の男児というホームシックな情景も描かれる。ピートとグレーンス。二人の抱える状況はやがて交錯する。西アフリカ移民という国際状況。対するは、移民の密入国支援で稼ぐ謎の組織。相変わらずの緊迫感溢れる構図である。
本作には、実は作者の懇切丁寧なあとがきが付加されている。亡くなった共著者への哀悼の想いがまずは強いのだが、これから孤軍奮闘で作家活動を継続してゆかねばならないアンデシュ自身のこだわりとして、ミステリーには謎解きの上に事実を混入して重厚化させる、という作品作りへの拘りが語られている。
本書でも、その意向がしっかりと実現されていると思う。世界の人々が予想もつかないような事実の重み。誰かの調整を必要としている救いのない現実。それでいて、語られるストーリーの間断なきスピード感と、アクション。複雑極まりない人間たちが織り成す葛藤と、タペストリのように縦横に織られる精緻な紋様。
グレーンス警部とピートの間の距離は二作目でぐっと詰まったが、三作目はこの傑作シリーズに恥じず、またも一気に二人の絆を強め、締めてくる。よりタイトに。よりスタイリスティックに。
本書で公開される強烈な悪と人間の残虐と欲望の泥濘には、吐き気さえ覚えてしまうものだが、そうした世界に対峙する男たちの、内を貫く正義感や家族愛が、だからこそ輝く。本書では、グレーンスが、ふとしたことで子供たちに慕われ、自分の中のやさしさ、という慣れない感覚にたびたび震える。そんなヒューマンなシーンもとても印象的だし、ピートとの物言わぬ信頼感や、隔たった二つの世界でのチームワーク含め、何ともスマートかつ重厚な物語に仕上がっている。
さて、本作でシリーズも終わりと覚悟していたが、作者自身による意外なあとがきが残されている。ある意味嬉しい驚愕だ。 -
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グレーンス警部と潜入捜査員ピートとのW主人公シリーズ三部作も、いよいよ大団円を迎える。
『三秒間の死角』が、作品の完成度やインパクトのわりに正当な評価を得ていなかったものの、アンデシュ・ルースルンドの名は、元囚人の肩書きステファン・トゥンベリとの共著『熊と踊れ』二部作により、一気にエース級作家として知れ渡り、それを受けてか、『三秒間の死角』も『THE INFORMER/三秒間の死角』のタイトルでNYを舞台にストーリーもシンプル化した形に差し替えられたものの、ともかく映画化された。
以降、『三分間の空隙』、そして本作と、あっという間の三部作翻訳が完了し、ついに最終編とあいなる。ただし、前二作を含むこれまでのグレーンス警部シリーズ全作の共著者であったペリエ・ヘルストレムの病死により、本作では初めてアンデシュ単独での執筆となる。共著がどのように書き進められる作業なのか知るべくもないが、本作で判断する限り、スピードが増して、むしろ読みやすくなり、アンデシュの持つストーリーテリング能力を、むしろ見直した感がある。
のっけから暗闇、上下左右を死んでいく者たちに囲まれ、自身も死にそうになる圧迫感のある状況下、物語はスタート。死んでゆく彼らが何者なのかの説明はまったくなし。
続いてグレーンス警部のいつもの描写。亡き妻を偲んで警察署内の自室のソファで眠り、妻を想いレコードをかけるセンチメンタルな日々。事件の一報。コンテナいっぱいに詰められた死体が港に到着したのだ。何という事件だろうか。
一方、西アフリカ移民の食糧輸送を妨害するテロリストの攻撃から輸送トラックを守るために雇われている、我らがピート。彼が、相変わらず命がけの戦場に身を置く有様と、全く対照的に彼を待つ、妻と二人の男児というホームシックな情景も描かれる。ピートとグレーンス。二人の抱える状況はやがて交錯する。西アフリカ移民という国際状況。対するは、移民の密入国支援で稼ぐ謎の組織。相変わらずの緊迫感溢れる構図である。
本作には、実は作者の懇切丁寧なあとがきが付加されている。亡くなった共著者への哀悼の想いがまずは強いのだが、これから孤軍奮闘で作家活動を継続してゆかねばならないアンデシュ自身のこだわりとして、ミステリーには謎解きの上に事実を混入して重厚化させる、という作品作りへの拘りが語られている。
本書でも、その意向がしっかりと実現されていると思う。世界の人々が予想もつかないような事実の重み。誰かの調整を必要としている救いのない現実。それでいて、語られるストーリーの間断なきスピード感と、アクション。複雑極まりない人間たちが織り成す葛藤と、タペストリのように縦横に織られる精緻な紋様。
グレーンス警部とピートの間の距離は二作目でぐっと詰まったが、三作目はこの傑作シリーズに恥じず、またも一気に二人の絆を強め、締めてくる。よりタイトに。よりスタイリスティックに。
本書で公開される強烈な悪と人間の残虐と欲望の泥濘には、吐き気さえ覚えてしまうものだが、そうした世界に対峙する男たちの、内を貫く正義感や家族愛が、だからこそ輝く。本書では、グレーンスが、ふとしたことで子供たちに慕われ、自分の中のやさしさ、という慣れない感覚にたびたび震える。そんなヒューマンなシーンもとても印象的だし、ピートとの物言わぬ信頼感や、隔たった二つの世界でのチームワーク含め、何ともスマートかつ重厚な物語に仕上がっている。
さて、本作でシリーズも終わりと覚悟していたが、作者自身による意外なあとがきが残されている。ある意味嬉しい驚愕だ。 -
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アンデシュ・ルースルンド『三時間の導線 下』ハヤカワ文庫。
グレーンス警部シリーズの第8作。シリーズ内シリーズ三部作の『三秒間の死角』『三秒間の空隙』に続く第3作。2017年にコンビを組んでいたベリエ・ヘルストレムが急逝したことにより、アンデシュ・ルースルンドの単独名義で書かれた最初の作品になる。
本作は、西アフリカとスウェーデンを舞台にした北欧冒険ミステリー小説と言っても良いだろう。クレイグ・トーマスの傑作傑作小説『闇の奥へ』に優るとも劣らない非常に面白い作品である。ストーリーの面白さもさることながら、登場人物の関係も『闇の奥へ』の主人公、ケネス・オーブリーがグレーンス警部なら、パトリック・ハイドはピート・ホフマンという役回りとなっているのだ。
グレーンス警部の依頼で国際的難民密航組織に潜入したピート・ホフマンは次第に巨悪の核心へと迫るが、同時に自らの命が三時間後に失われる最大の危機にさらされていることを知る。ピート・ホフマンの運命や如何に。さらにはピート・ホフマンの家族とグレーンス警部にも生命の危機が迫る。
しかし、それだけで終わらないのが本作がシリーズ最高傑作と言われる所以だ。予想外の驚愕の真相が最後に用意されているのだ。
本体価格1,040円
★★★★★ -
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アンデシュ・ルースルンド『三時間の導線 上』ハヤカワ文庫。
グレーンス警部シリーズの第8作。シリーズ内シリーズ三部作の『三秒間の死角』『三秒間の空隙』に続く第3作。つまりはグレーンス警部シリーズにして、ピート・ホフマン・シリーズでもあるのだ。
64歳となったグレーンス警部の前に再び奇妙な事件が立ち塞がる。これまでのシリーズ同様、予想外の事件から幕を明け、スウェーデンはおろかヨーロッパを飛び出し、世界の暗部で起きる壮大な事件へと展開していく。
ストックホルム南病院の遺体安置所で22体しか無いはずの遺体が1体増えるという事案が発生。増えた遺体はアフリカ出身の男性であること以外は素性は全く不明。翌日、同じ遺体安置所でさらにアフリカ出身と思われる女性の遺体が発見される。
捜査を進めるうちに港の怪しいコンテナの中で見付かった68体もの大量の遺体。コンテナの遺体の中から見付かった衛生電話機から採取した指紋は意外な人物のものだった。さらには聖ヨーラン病院の遺体安置所でも3体の謎の遺体遺棄が発見される。
本体価格1,040円
★★★★★ -
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グレーンス警部と潜入捜査員ピート・ホフマンのシリーズ。
病院の遺体安置所に身元不明の遺体がひょっこり現れたのを機に、警察犬に臭いを辿らせて着いた港でコンテナを調べると、中には遺体が68体詰められていた…という幕開け。
前作でグレーンス警部はピート・ホフマンを窮地からスウェーデンに連れて帰ってきたのだが、今回は西アフリカの不法入国ビジネス組織への潜入捜査を強要する…そのおかげで、グレーンス警部はピート・ホフマンの妻ソフィアにブチ切れられてビンタされるのだが。
上巻が終わるのが事前想定よりもかなり早く、「まだまだ起承転結の『承』の序盤じゃないか」という印象で下巻へ続く。 -
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スウェーデンの作家アンデシュ・ルースルンドの長篇ミステリ作品『三時間の導線〈上〉〈下〉(原題:Tre timmar)』を読みました。
アンデシュ・ルースルンドの作品は、先日読んだベリエ・ヘルストレムとの共著『ボックス21』以来ですね。
-----story-------------
難民の大量死事件に迫る北欧ミステリ
遺体安置所に現れた「あるはずのない」死体。
グレーンス警部がその謎を追うが……傑作『三分間の空隙』から続くシリーズ新作登場
〈上〉
ストックホルムの遺体安置所で発見された「あるはずのない」男の死体。
死体の調査を進めるグレーンス警部だったが、さらに身元不明の女性の亡骸が見つかり、事件を追う捜査陣は凄惨な光景にたどり着く。
そしてそこには意外な人物の指紋が残されていた……『三分間の空隙』に続くシリーズ最新作!
〈下〉
西アフリカ。
現在は民間警備会社に所属している「その男」のもとに、グレーンス警部が来訪する。
ストックホルムの奇怪な大量殺人事件の闇を暴くことは彼にしかできない。
真相究明を託された男はまたも危険な組織の懐へと身を投じる。
自らに課した使命を達成するまでの刻限は、たった三時間。
その導線に今、火が点けられた! 国際社会の難民問題に切り込み、極限状況の駆け引きが真に迫る北欧ミステリ超大作。
解説/若林踏
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本作品はストックホルム市警のエーヴェルト・グレーンス警部とスヴェン・スンドクヴィスト警部補が活躍するシリーズの第8
作……2018年(平成30年)に発表された作品です、、、
本シリーズを読むのは、第1作の『制裁』、第3作の『死刑囚』、第5作の『三秒間の死角』、第2作の『ボックス21』に続き5作品目……重いんですけど、本作も物語として愉しめました。
実は本作品は、『三秒間の死角』と『三分間の空隙』に続き、潜入捜査員ピート・ホフマン・コズロウが登場するシリーズ内シリーズ三部作の第3作でもあるんですよね……また、2017年(平成29年)2月にベリエ・ヘルストレムが59歳で逝去した後、アンデシュ・ルースルンドが単独で執筆した最初の作品でもあります。
死体が一体多い――ストックホルムの遺体安置所で発見された「あるはずのない」男の死体……記録はなく、アフリカ出身と思われる以外、素性は知れない、、、
調査を始めたグレーンス警部だったが、さらに身元不明の女性の亡骸が安置所に出現……その謎を追う捜査陣はあまりに凄惨な光景を目撃する。
そしてその場に残された指紋から割り出された人物の名前は……傑作『三分間の空隙』につづくグレーンス警部シリーズ最新作。
遺体安置所に現れた「あるはずのない死体」……何者かが身元不明の死体をわざわざ遺体安置所に運んできたらしい、、、
しかも、その死体は火に近づいた痕跡すらないのに、粉末消火器の主成分であるリン酸アンモニウムが検出される……さらに捜査を進めるうちにグレーンス警部等の捜査員たちは73体の遺体が詰め込まれたコンテナにたどり着き、そこでひとつの携帯電話を発見するが、その携帯電話に残された指紋はグレーンス警部にとって信じられないほど意外な人物のものだった! という序盤の展開から物語に惹き込まれましたね。
これらの序盤で提示された謎解きの妙味、アフリカ・リビアのズワーラを舞台に元潜入捜査員ピート・ホフマンが犯罪組織に潜入する冒険アクション、ホフマンの家族とグレーンス警部の交流やそこで起きるサスペンスフルな事件とホフマンの息子たちの成長、事実とフィクションを組み合わせたリアリティのある展開……色んな要素が含まれていますが、そのバランスが絶妙なんですよね、、、
そして、グレーンス警部の頑なな心の奥底に潜む熱い感情に心をシンクロさせながら読みました……犯罪組織に携わっていた人物もは搾取することだけが目的ではなかったことが判明する終盤の展開にも考えさせられましたねー やっていることは決して正しくはないのですが、少し心が救われましたね。
ハッピーエンドとは言えない結末でしたが……善と悪、白と黒がはっきりしないことも含め、エンターテイメント作品でありながらリアル感を意識して描かれた結果だと思います、、、
頻繁に視点を変えて、犯罪者側も捜査する人間と同じくらいのボリュームで描かれているので、双方の立場になって読むことができるのも魅力ですね……本シリーズ、他の作品もぜひぜひ読みたいです。 -
Posted by ブクログ
スウェーデンの作家アンデシュ・ルースルンドの長篇ミステリ作品『三時間の導線〈上〉〈下〉(原題:Tre timmar)』を読みました。
アンデシュ・ルースルンドの作品は、先日読んだベリエ・ヘルストレムとの共著『ボックス21』以来ですね。
-----story-------------
難民の大量死事件に迫る北欧ミステリ
遺体安置所に現れた「あるはずのない」死体。
グレーンス警部がその謎を追うが……傑作『三分間の空隙』から続くシリーズ新作登場
〈上〉
ストックホルムの遺体安置所で発見された「あるはずのない」男の死体。
死体の調査を進めるグレーンス警部だったが、さらに身元不明の女性の亡骸が見つかり、事件を追う捜査陣は凄惨な光景にたどり着く。
そしてそこには意外な人物の指紋が残されていた……『三分間の空隙』に続くシリーズ最新作!
〈下〉
西アフリカ。
現在は民間警備会社に所属している「その男」のもとに、グレーンス警部が来訪する。
ストックホルムの奇怪な大量殺人事件の闇を暴くことは彼にしかできない。
真相究明を託された男はまたも危険な組織の懐へと身を投じる。
自らに課した使命を達成するまでの刻限は、たった三時間。
その導線に今、火が点けられた! 国際社会の難民問題に切り込み、極限状況の駆け引きが真に迫る北欧ミステリ超大作。
解説/若林踏
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本作品はストックホルム市警のエーヴェルト・グレーンス警部とスヴェン・スンドクヴィスト警部補が活躍するシリーズの第8
作……2018年(平成30年)に発表された作品です、、、
本シリーズを読むのは、第1作の『制裁』、第3作の『死刑囚』、第5作の『三秒間の死角』、第2作の『ボックス21』に続き5作品目……重いんですけど、本作も物語として愉しめました。
実は本作品は、『三秒間の死角』と『三分間の空隙』に続き、潜入捜査員ピート・ホフマン・コズロウが登場するシリーズ内シリーズ三部作の第3作でもあるんですよね……また、2017年(平成29年)2月にベリエ・ヘルストレムが59歳で逝去した後、アンデシュ・ルースルンドが単独で執筆した最初の作品でもあります。
死体が一体多い――ストックホルムの遺体安置所で発見された「あるはずのない」男の死体……記録はなく、アフリカ出身と思われる以外、素性は知れない、、、
調査を始めたグレーンス警部だったが、さらに身元不明の女性の亡骸が安置所に出現……その謎を追う捜査陣はあまりに凄惨な光景を目撃する。
そしてその場に残された指紋から割り出された人物の名前は……傑作『三分間の空隙』につづくグレーンス警部シリーズ最新作。
遺体安置所に現れた「あるはずのない死体」……何者かが身元不明の死体をわざわざ遺体安置所に運んできたらしい、、、
しかも、その死体は火に近づいた痕跡すらないのに、粉末消火器の主成分であるリン酸アンモニウムが検出される……さらに捜査を進めるうちにグレーンス警部等の捜査員たちは73体の遺体が詰め込まれたコンテナにたどり着き、そこでひとつの携帯電話を発見するが、その携帯電話に残された指紋はグレーンス警部にとって信じられないほど意外な人物のものだった! という序盤の展開から物語に惹き込まれましたね。
これらの序盤で提示された謎解きの妙味、アフリカ・リビアのズワーラを舞台に元潜入捜査員ピート・ホフマンが犯罪組織に潜入する冒険アクション、ホフマンの家族とグレーンス警部の交流やそこで起きるサスペンスフルな事件とホフマンの息子たちの成長、事実とフィクションを組み合わせたリアリティのある展開……色んな要素が含まれていますが、そのバランスが絶妙なんですよね、、、
そして、グレーンス警部の頑なな心の奥底に潜む熱い感情に心をシンクロさせながら読みました……犯罪組織に携わっていた人物もは搾取することだけが目的ではなかったことが判明する終盤の展開にも考えさせられましたねー やっていることは決して正しくはないのですが、少し心が救われましたね。
ハッピーエンドとは言えない結末でしたが……善と悪、白と黒がはっきりしないことも含め、エンターテイメント作品でありながらリアル感を意識して描かれた結果だと思います、、、
頻繁に視点を変えて、犯罪者側も捜査する人間と同じくらいのボリュームで描かれているので、双方の立場になって読むことができるのも魅力ですね……本シリーズ、他の作品もぜひぜひ読みたいです。