瀬田勝哉のレビュー一覧

  • 木に「伝記」あり 巨樹イチョウの史料を探して全国を歩く

    Posted by ブクログ

    イチョウはいつ、日本列島に渡来したのか。
    ある特定の樹木の歴史を、今も生きる巨樹そのものと古文書、古記録から多面的に明らかにする試みにわくわくしました。
    また、中国や韓国とは異なるイチョウや巨樹信仰についての解説も初めて知ることばかりで本当に興味深いです。
    それにしても、著者に共同研究を呼びかけた植物学者の先生が夫妻で巨樹を巡り、地道に観察や実測を続けて来られたという話は、苦労に思いを馳せると同時にこんな人生も素晴らしいなあと思いました。

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    2025年08月16日
  • 戦争が巨木を伐った

    Posted by ブクログ

    そう。知られざる実態である。
    私も全く知らなかった戦争末期に於ける個人を中心とした供木。
    軍に提供しないと警察が留置場に入れたとか、戦争大好き高村光太郎に協力させて鼓舞する詩を書かせるとか、不愉快な内容。
    しかも、それで造らせる木造船は官僚が短期消耗品として作らせたという。
    欅や松は船に適したので刈られ、楠や銀杏や桜は不適だから残ったらしい。そういえば市の名木100選はそんなのばかりとの記憶。

    でも読み終わって、だから何?と言いたくなった。
    焼夷弾や原爆で多くの人の命が奪われ、もちろん木々も燃えた。
    木も大事だが人の命はもっと大事。
    伝承されないのには理由があると思う。

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    2021年05月10日