原田勝のレビュー一覧

  • チャンス ~はてしない戦争をのがれて~

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    絵本作家の著者が第二次世界大戦開戦後ポーランドから逃れて場所を転々と移動しながら難民として過ごした子ども時代の過酷な体験を綴った自伝。
    豊富なイラストと平易な文章で読みやすい。辛く厳しい生活の中でも家族のエピソードには愛とユーモアを感じられた。

    本書のタイトルはユダヤ人であるユリ一家がホロコーストから逃れられたのはまったくの偶然=チャンスだったから。
    ホロコーストから逃れられても危険な目に遭い、飢え・貧困・病気に苦しむ難民生活。終戦後に帰国するも安寧ではないのが辛い。

    ユリ・シュルヴィッツが戦争を生きのびて数多くの絵本とこの自伝を残してくれたことに感謝。戦後80年の今読んでよかった作品。

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    2025年07月30日
  • ウクライナ わたしのことも思いだして ~戦地からの証言~

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    戦争によって罪のない市民が犠牲になること。過去の歴史で繰り返し起きてきた悲劇。これが、今、ウクライナで起きているという事実を、地球上すべての人間が知るべきだ。

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    2025年06月07日
  • ウクライナ わたしのことも思いだして ~戦地からの証言~

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    この本に出会えて良かった。これが、率直な感想です。ウクライナの人々の、嘘偽りのない心からの叫びがつまっている本です。先日、新聞にウクライナ市民の声が載せられており、その中の「世界の人々は、この戦争を忘れ始めているように感じます。」と記されている部分を読んだとき、ハッとさせられました。

    ウクライナのことを思うとき、大好きなウクライナの絵本「てぶくろ」を思い出します。ウクライナの人々の心を象徴している絵本だと思います。なぜ、ウクライナの人々が現在も辛い状況におかれなければならないのか。

    市井の老若男女、様々な立場の職業の方々の証言を、しっかり心に留めておこうという気持ちで読みました。筆者による

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    2025年03月07日
  • ウクライナ わたしのことも思いだして ~戦地からの証言~

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    興味深い本を紐解く時、「頁を繰る手が停め悪くなる」という感を覚える場合が在る。本書に関してはそういう感を少し通り越し、「頁を繰る手を停めてはならない」というような、何か強いモノを感じることを禁じ得なかった。英国人の著者による英語の本を訳したモノだ。
    本論は24篇で編まれている。何れも淡々とした、著者が話しを聴いた人達が語った内容である。決して激越な調子でもない「普通な話し方」の素朴にも感じられるような談話の内容を書き綴っているのだが、読む側を強く掴んで離さないというような感だった。淡々と衝撃的な「戦禍の中での様子」が語られて、読む側に迫るのだ。
    本書の題名に在る「わたしのことも思いだして」は、

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    2025年02月08日
  • チャンス ~はてしない戦争をのがれて~

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    こんな小さな子どもが良く生き延びてくれました。ユダヤ人がドイツやポーランド以外でもこれほど大変な思いをさせられていたとは初めて知りました。今もウクライナやガサ地区、その他世界中で、同じように逃げ惑っている人々が大勢います。ホロコーストの経験すら生かすことのできない人間。なんて情けない生き物なのでしょう。抑止力なんて幻想、政治家と軍需企業の金儲けの作り事です。我々は人間の能力の低さをもっと自覚し、武器は捨てるべきです。

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    2024年08月18日
  • チャンス ~はてしない戦争をのがれて~

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    戦争下な生活の大変さ、つらさが伝わる作品。1章の中でも、イラストや写真など解説も丁寧でとても読みやすい構成になっている。作者の絵本とともに紹介したい。高学年から。

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    2022年11月28日
  • 春のウサギ

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    アミーリア12歳。
    春休みには、クラスのみんなみたいにフロリダへ遊びに行きたいと思っていた。
    英文学教授のお父さんは、旅行なんて苦手で、いつも憂鬱で悲しそう。
    お母さんはアミーリアが2歳の時に死んだので、とくに思い出もない。でも、オブライエンさんという女性がいつもそばにいて、最高のマフィンを焼いてくれる(お母さんの妹だ)

    結局春休みはいつも通っている近所の陶芸教室で過ごすことになるのだが、そこに遊びに来ていた男の子、ケイシーと心を交わしていく。彼もどこか傷を抱えていて、普通の人みたいにアミーリアのことを「かわいそうに。」とは言わない。そしてケイシーとの遊びのうちに、お母さんの幻影のような人に

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    2021年05月27日
  • ウクライナ わたしのことも思いだして ~戦地からの証言~

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     2022年2月、ウクライナは突然、戦禍に見舞われた…。過去のことではなく、現在のこと…こうしてレビューを作っている間にも、起きていることであってそれを忘れてはならない…。

     この作品は、ウクライナの老若男女様々な立場の方が現状を語ったものです。そして、添えられているのがバトラーが描いたスケッチ…。写真とはまた違う大事なことを訴えかけてくるかのよう…。

     たくさんの人にこの作品を手にしていただいて、平和への思いを共感できたら嬉しく思います。一日も早く、世界中の戦争や紛争が終わり、どこにいても誰もが安心して生活できるそんな世の中になってほしいです。

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    2025年04月29日
  • チャンス ~はてしない戦争をのがれて~

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    絵本作家のユリシュルヴィッツの自ら記した一家のファミリーヒストリー。
    親しんでいた絵本作家一家の過酷な体験に驚き、と同時に、あまり親しみのない地域東ヨーロッパの戦中戦後のドキュメンタリーでもある。
    ロシアウクライナ戦争の地域も舞台となり、今の時期の和訳も意味がある。
    児童書なので読みやすく、短い段落に多く区切られ読みやすく、情に訴えず、口語調の一人称でユーモアさえ散りばめられている。本人のイラストがふんだんに使われる。

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    2025年03月03日
  • チャンス ~はてしない戦争をのがれて~

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    「よあけ」などで有名な絵本作家ユリ・ジュルヴィッツの自伝的作品。
    ユダヤ人としてポーランドに生まれた作者が、第二次世界大戦の時代をいかに生き延びたか、それは「偶然(チャンス)」に助けられたから。それも何度も何度も。
    チャンスは良い事よりも悪い事の方が多かったが、結果的には最悪の事態を逃れ生き延びることができた。当時、運が悪かった人々はもっと呆気なく命を落としていたことだろう。
    人間の運命とは全く何が作用するのかわからないものだなぁ。

    作者による挿絵や写真も豊富で、子どもでも読みやすい日記のような文章。

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    2024年11月01日
  • チャンス ~はてしない戦争をのがれて~

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    絵本作家の著者が戦争中に体験した難民としての壮絶な暮らし。短い文章の積み重ねなのですぐ読める。自分たちが助かったのは信仰心や行いの良さではなくただの「チャンス(偶然)」だ、と思えるところに強さを感じた。

    イスラエルによるパレスチナでのジェノサイドが続けられている今、著者がこの状況をどのように感じているかも知りたい。

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    2024年08月15日
  • 春のウサギ

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    とても繊細でこまやかな物語。
    1999年の春休み、12歳のアミーリアは、ほんとうはフロリダに行きたかったのに、英文学教授の父がちっとも話に乗ってくれないので、つまらない思いをしながらも、近所の陶芸教室にかよいます。

    アミーリアは2歳のときに母を亡くしていて、しかもいちばんの親友がフランスへひっこしてしまったばかり。ゆううつな気持ちでいたとき、陶芸教室で新しい友だちと出会い、また不器用な父の愛情をたしかめることになる出来事に遭遇します。

    陶芸教室の粘土の感触が伝わってくるような。たよれるものが何もなくなってしまったアミーリアの生活のなかで、粘土をこねてウサギを作るというのは、目の前の世界との

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    2021年07月19日
  • チャンス ~はてしない戦争をのがれて~

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    運の良さ?でユダヤ人でありながら第二次世界大戦を生き延びたユリ・シュルヴィッツの話。生きることは飢えとの戦いだった。というか、親子3人よく生き延びられたなあというか。ただし、戦争を生き延びた後も生活はなかなかラクではなかったなようで、過酷な生活にため息が出る。

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    2023年08月06日
  • チャンス ~はてしない戦争をのがれて~

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    「よあけ」「あめのひ」などの絵本作家である著者の自伝。第二次世界大戦直前にボーランドに生まれたが、ユダヤ人であることからナチスの進攻から逃れてソ連へ逃れる。ソ連の国籍を取得しなかったことで難民居留地へと移動させられる。寒く厳しい居留地での生活から、戦後戻ったボーランドでの生活、生き残った親戚を頼って移ったパリでの生活。たくさんの挿絵とともに描かれた彼の人生は、想像を絶する。
    冒頭の空爆で破壊されたワルシャワの体験は、今のウクライナを思い起こさせ悲しさが増した。

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    2023年02月09日
  • 春のウサギ

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    かわいい装丁にひかれ選ぶ。母を早くに亡くした主人公は、春休み近所の陶芸教室で先生の甥っ子と出会う。どこか似たような傷を抱えた2人は交流を深める。

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    2022年04月14日