知野恵子のレビュー一覧
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ネタバレ竹宮惠子・萩尾望都のエッセイが立て続けに出版され、「おお、今年は当たり年だなあ」と何の予備知識もなく買い求めた。読んでみたら、ファンには衝撃の内容。本著を読んだ人は、萩尾望都『一度きりの大泉の話』にも手を伸ばさずにはいられないだろう。
2冊とも買ってしばらく積んでいたのだが、知人たちがSNSでこれらについて話題にしており、核心的なネタバレに触れる前に慌てて読んだ。どのような点が論争?になっているかはうっすら目にしていたので、どちらを先に読むか悩んだ。こちらの方がいささか薄かった&大泉時代に限らず広義の話かと思ったので、こちらから。
結果として正解だったのでは?と思う。
まず、大泉問題とは? -
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一度だけの大泉の話の後に読んだけれど、この本の連載も出版もそれより前の話。一年後に連載して出版していたら、どんな本になっていたのだろうかと妄想してしまう。
語りおろしとなのだけれど、己の弱点に触れると言うより「この人にこんな風に言われた」という形が多い。一見三人称だけど、一人称のような。萩尾望都さんが一人称なのにすごく客観的なのとは別のベクトル。
社会性と人脈と自己プロデュース能力が高い人なのだろうな。格好いい。先生になって教えて欲しいし、学長になって道を示されたい。
精華大学を退職して、これから何を書くのだろうと楽しみになる。腕の力が衰えるからとデジタルを身に付け、どんなものを描 -
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読売新聞『時代の証言者』に語り下ろした連載をまとめた本。
竹宮惠子さんのこれまでの漫画人生をまとめられています。
子ども時代から上京までの話。
上京してから、漫画家の萩尾望都さんと会って意気投合し、その後増山法恵さんを仲立ちにして、大泉の長屋で同居するようになったこと。
その長屋が「大泉サロン」と呼ばれるようになり、若い漫画家やアシスタントなどが集まるようになっていたこと。
若い漫画家のなかには『アラベスク』などを代表作とする山岸凉子さんなどもいて、漫画家を志す人たちの文字通りサロンであったこと。
そのなかから既存の少女漫画の枠を越えてたくさんの作品が生み出されてきたのだと感じ -
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たぶん、同じ人がいっぱいいると思いますが、萩尾望都「一度きりの大泉の話」を読んでの本書です。「一度きり…」が竹宮恵子「少年の名はジルベール」の出版によって生まれた悲痛な叫びなので、ここは「少年の名は…」を読まなくてはならないのですが(そして、もちろん読みます!)、個人的には去年、コロナとの遭遇に日常がたじろいでいた5月6月に讀賣新聞に連載されていた「時代の証言者・マンガで革命を」を楽しみに読んでいて、その中で、いわゆる「大泉サロン」での萩尾望都への言及になんか不思議さを感じて、「一度きり…」を手にした、といういきさつもあり、先ずは新聞連載をまとめた「扉はひらくいくたびも」に立ち戻った次第です。
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ネタバレ萩尾さんの「一度きりの大泉の話」を読んだだけでは片手落ちかと思い、読んでみた。なぜ「少年の名はジルベール」のほうを選ばなかったからというとこちらのほうが最新刊だから。インタビューからおこした文章ではあるが、理路整然として聡明な竹宮さんらしい。自分で自分を分析する能力や社会の動きを感じ取る能力も高く、大学の先生をやってもちゃんと勤まる人だなあと改めて器用さに感動した。また漫画文化をどう継承してゆくのかについても真剣に考えていらっしゃる。まだ読んでいない竹宮作品もいろいろあるので読んでみたく思った。天才も悩みながら作家人生を歩んでいたことがわかった。その道の第一人者になるって血のにじむ努力が必要な
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大泉サロン関連本 一方の当事者
竹宮惠子さん読売新聞連載。1970年秋、萩尾望都さんとオンボロ長屋に同居、石ノ森章太郎さんに憧れる今まで負けたことがないケーコタン竹宮惠子はピアノ音大受験より少女マンガプロデュースに興味がある物知り
ノンたん増山法恵とまだまだ男社会で社会的地位が低かった少女マンガ界を少年愛ストーリーで改革を夢見るも
天才モーさま萩尾望都に劣等感を抱きストレス過多によるスランプに陥る。山岸涼子さんを含む4人での欧州旅行後1973年長屋の契約更新時に大泉サロン解散を申し出。その後距離を置きたいとモーさまに伝え絶縁状態になり現在に至る。その後スランプを脱し「風と木の詩」「地球へ」発表 -
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『少年の名はジルベール』
『一度きりの大泉の話』
と読んで、
勝手に大泉三部作と呼んでいるこちらも読み終えた。
前二作がマンガオタク向けの濃い話であるとするなら、こちらはマンガにも興味がない一般人向けの平たい文章となっている。それもそのはず新聞連載されたものをまとめたのだから。
『ジルベール』よりも両親の話が多くでてきたり大学教授時代の話があったりするのが興味深いが、オタクにとっては面白い話ではなかろう。
気になったのは、かつて使っていたマンガを描くためのペンやトーンといったのものが今は手に入りにくく同じ表現をするのが難しくなっているという。それは一気にデジタル化が進み多くの漫画家がタブレ