西村和笑のレビュー一覧
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ネタバレ2巻ではキャラクターの造形を深くするエピソードが入っていた。1,2巻通して読んで思うことは、「想像力」が世界を救うんだな、ということ。目に見えることをそのままただ受け取ることしか出来ていないから、人は目先の損得に振り回されるのだ。想像力を持って事象を捉えれば、「不幸」などというものは存在しなくなる。今この失敗は次の成功につながるではないかと想像するだけでいいのだ。コメディの形から見えてくる大きな愛。大きな愛になることは犠牲でも綺麗事でもない。全てを自分に都合の良いように想像することだ。
2巻でアントンという理解者を得られたことはローザにとっては素晴らしいことだった。彼女の根っこにある自己肯定感の低さ。腐女子としての自分を受け入れてくれて競い合ってもくれる身内がいることで、問題は解放されていくのではないか。
「ふつつかな悪女ではございますが」でも感じたが、この人の描くヒロインは沢山の人に好かれるが誰も選ばない。何かそこには、他人を好きになったり他人を選ぶということを自分に許していないような感覚を感じる。主役の周囲の人間への描写が深くなり際立ってくると、「自分(主役)の幸せも考えればいいのに」と思えてくる。どんな不幸も幸福に転ずる鋼のメンタル。それを受け止められるのはローザの場合は父親かもしれない叔父さんだった。レイリンの場合は今後どう転んでいくんだろうか。どちらにしても欠けているのは幼少期に「無条件に愛される」という経験だった。それを彼女たちは自らの想像力と努力で幸福に転じさせてきたのだ。彼女たちが大人としてパートナーシップを組むためには、失われた少女時代を取り戻さないといけないのかもしれない。難儀なことやね… -
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ネタバレBLどころか百合小説なども全く市民権がなかった時代。ローザは幼くしてBLに目覚め、叔父さんが百合小説を発表したのちに非難された挙句社交界を追放されるという事件を教訓に、ひそかに、用意周到に薔薇(BL)小説を世間に広めるための算段を整え始める。そんなローザが求めていたのは、全ての薔薇妄想のインスピレーションの素となる「最高の受け」の存在だった。ある日、クズでゲスな領主である父が、隠し子を連れて来た。ローザが長年追い求めてきた「最高の受け」がそこに居た!
いや面白い! 久々に来ましたよコレ! 読んでいて私、BLの本質が分かっちゃいました。つまりは、「豊かなイマジネーションを喚起する装置」なんだ。人を見れば誰が「受け」で誰が「攻め」かと考え、そのカップリングを考えることは二人のラブストーリーを考えること。本作なら海賊たちを見ながらローザが妄想を繰り広げるくだりは最高に面白い。沢山の部下を統率することに疲れを感じる船長。そんな船長を支える航海長。航海長(攻)×船長(受)のラブストーリー、私も読みたくなってしまった! 恋の航路に面舵いっぱああああい!
そんな貴「腐」人ローザは、「最高の受け」と感じた義弟ベルナルドに盗みをされて裏切られてもむしろ喜ぶ。「素直で純真なだけじゃなく、暗黒面という奥行まで与えて下さるのですか」と神に感謝するローザ。興奮のあまり倒れるも、ベルナルドは「自分が心労を与えたからだ」と自分を責める。こうしたローザの実は「腐」からきている行動が他人に「聖女」のように勘違いされていく様子がとても面白い。 -
Posted by ブクログ
ブレなく面白い!周りが勝手に言い方に勘違いしていくストーリーを描かせたら天下一品なのではないだろうか。大好物です。今作はローザの本性をかなり正確に理解している宿敵百合豚アントンが主要人物としてでてくるも、諸般の理由でまたもやローザに追い風となるところがすばらしい。最初のお茶会シーンは圧巻(笑)。まあ、色々とローザの謎とかわかるようなわからないような、色々とうっすら類推できるヒントが鏤められているのも良い。
”ネタバレーそれはローザからすれば、
人類における禁忌中の禁忌。
自分がされたなら一生相手を許せない、
おぞましい行為だ。”
刺さってきますわ。
1巻から再読します。