塚原直樹のレビュー一覧
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カラスの害を減らすにはどうするか。カラスの習性や行動を見極めた上での攻防戦、その試行錯誤を、自伝的要素も入れて紹介するエッセイ。
著者は1979年生まれ、カラス対策CrowLab社代表。宇都宮大農学部に進んだが(師匠は杉田昭栄教授)、途中で学費を貯めるために1年ほど休学して郷里の群馬大学の守衛をしたという。地方国立大の学生をしながら別の地方国立大の守衛、なにげにおもしろい。
専門家でも、カラスのオスメスは見ただけでは判別できないらしい。年齢も2歳を超えると見ただけではわからないという。へーそうなの、と少し驚き。佐賀で初めてミヤマガラスを見た時のことも書いている。ミヤマガラスが群馬や栃木など関東 -
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前著『カラスをだます』(NHK出版新書)は、どうしてカラスの道に入ったかというエピソードも入った入門書だったが、それに続く本書は、カラス対策に特化したadvanced version。随所にQRコードが記載され、28の動画も楽しめる。カラス担当の自治体職員や、カラスに悩まされている農家の方は、必読かも。
カラス撃退のmagic bulletは存在しない。巷ではさまざまな方法が試されているが、どれも効果は短期的で一過性。というのも、カラスはすぐにその方法に馴れてしまうからだ。でも、馴れを考慮して、いくつかの方法を組み合わせれば、なんとかいけるかもしれない。というわけで、その試行錯誤が読みどころ。 -
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作中でも若干言及されているが、おそらく現代日本には「カラスは賢い」というパブリックイメージがあると思う。その相手を「だます」とはどうするのか。非常にそそられるタイトルだ。あとがきには「カラスと生きる」というタイトル案もあったようだが、まあそっちだったら読んでないと思う。
で、このタイトルが提示される以上、賢いカラス様をどうだますのか、という実践的な手法が気になる。が、それだけを読みたかったら第一章「カラスを動かす」と最終章「カラスを減らす」だけを読めばよい。実際面白いのはこの二章だと思っている。
しかし、間の章がつまらないかというとそういう話ではない。間に語られるのはカラスの基礎研究から始まり -
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烏の被害を受けている訳ではないが敵?を知ることは大事なことだ。
カラスはマヨラー!
体の色は黒一色ではなく構造色。
黄色が嫌いなのではなく紫外線を認識するので中が見えないように紫外線をカットする特殊顔料を塗ったゴミ袋を作ったら人間には黄色く見えるだけ。
残念だったのはちょっと書き方に癖があるので★四つ。
一番面白かったのは「カラスを食べる」。その発想はなかったが雑食性動物は不味いと聞いたこともあり、食用として獲られないから減らないのでは、と読前。やはり食べられなくはないが苦労して確保するほど旨くはないし癖が強いので調理に工夫が必要。
役に立ったのは「カラスを減らす」。人との共存にはもっと個 -
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ネタバレ<目次>
第1章 カラスを動かす
第2章 カラスになりきる
第3章 カラスとしゃべる
第4章 カラスを食べる
第5章 カラスを減らす
<内容>
カラス研究の第一人者の一人(なんか矛盾する言い方だけど)。書き方が面白く、若干クセもあるが、私は楽しく読めた。学術的というよりは、実用性にシフトした内容。むろん、その実用性の裏にはちゃんとした学術的裏付けがあるから面白い。カラスの声の研究やカラスの性格から誘導する研究など、期待通りであった。カラスを食べる話はちょっと…だったが。ただ「ぼんじり」が美味しい理由は納得した。「脂腺」だったんですね。鳥は脂がないと防水ができず、それは彼らの死活につ