ソフィー・アンダーソンのレビュー一覧
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途中までは、まわりのあらゆるものに不満をぶつけ、送られている愛に気づかず、自分勝手にふるまう主人公のマリンカにだいぶイライラしながら読み進めていたのだけど、まあ、そうは言っても12歳だしなあ……自分の運命が決められていて、家からも出られないとなったらそりゃあ憤りも憤懣もたまるか、とも思い。
生と死のあわいにいるヤーガと、走る家の設定がユニーク。
境目が溶けていくことで、読者も、死に対しては心のなぐさめを感じ、生に対してはきらきらした喜びを感じとることができる。
そんなことがはっきりと言葉で(お説教っぽく)描かれているわけではなく、自然と伝わってくるのがすばらしいなと。
家もかわいいし、カ -
Posted by ブクログ
ロシア民話「バーバ・ヤーガ」をモチーフにしたファンタジー。
いっしょに暮らすバーバは死人を門から星へ還す『ヤーガ』という門の番人をしている。マリンカも将来番人になることを運命づけられている。
意思を持っていて走って移動する家というのがまず面白い。
自分の定められた運命に抗う強い意志を持つマリンカは自分勝手に思えて最初は好きになれなかった。
マリンカが周りの人々や家との関係性で後悔と気付きながら成長していく姿を見て、最後には可能性は自分次第で広がると教えてもらえるこの物語の力強さを感じた。
イラストやカバーを外したデザインが可愛い凝った作りの本。 -
Posted by ブクログ
ロシア民話バーバヤーガのお話をベースにしている。主人公は12歳の女の子マリンカでお婆ちゃんのバーバと暮らしている。バーバの仕事は死んだ人をあの夜に導くことで、住んでいる家も変わっていて、足が生えていて動けるし、意志があってマリンカと遊んでくれたりする。
マリンカは生きている人と交流できない今の状況に不満があるが、外に行けない。中盤過ぎまでマリンカがずっと後ろ向きなので、そこは少し読みにくい(あとがきにも同じような記述あり)。しかし、死者を迎える話や、人を寄せ付けないための骨の柵など、子どもが惹かれるネタが随所にあり、中学年くらいから読める本ではしっかりできていると思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ鳥の足が生えた家に住む少女、マリンカの成長物語。
マリンカと祖母のバーバは、この家で「死者を見送る」ことを生業としている。あの世とこの世の境目で、その門の番人として生きる少女の、葛藤と決意が描かれる。
運命に逆らいたい、自分のことは自分で決めたい、
という普通の少女の思いが苦しくて、感情移入すると苦しくなる。それを見守るバーバの気持ちも、「家」の気持ちも、考えるほど苦しい。
そう、この話では家が感情を持っているんです。
感情豊かなおうちがとても可愛かった。
家も傷つき、ケンカをする。
登場人物も家もみんな、マリンカが好きで、マリンカのことを愛おしく思ってくれているところがよかった。
みん -
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