石田祥のレビュー一覧
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仕事や人間関係で悩みをもつ人たちが猫と触れ合うことで心にゆとりを取り戻していく話。
全五章で構成されていて、キーパーソンはニケ先生と千歳さん。
読み進めると(あれ?もしかしてこの人って…)と思う要素が出てきて、少しずつキャラを知っていくのがワクワクした。
最後の話はすごく感情を揺さぶられた…!
猫を飼っていて脱走させてしまった経験があるので、ずっと探してしまうのも、脱走のきっかけを作ってしまった自分を責めるのも、新しい猫を可愛がるのが罪のように感じるのも、とても共感した。
飼い主は飼い主の人生があるし、猫には猫の人生がある。その選択をしたのは猫だ。〜的なことをニケ先生が話していて、少し救われ -
Posted by ブクログ
▪︎第一話
ブラック企業によるうつ病発症からの立ち直り。
主人子に近い経験をしたことがある身からすると、自己以外に自己同等に大切に出来るものの存在は大きい。いろんな面で解像度高くて、私まで本当に猫が処方された気分になれた。猫可愛い。
▪︎第二話
褒めるっていうのはある意味、才能なんだよね。
例えば美術作品を見た時、映画を見た時、本を読んだ時、受け手次第でそれらが美しいのか面白いのかどうかが決まる。そう考えると、その面白みに気づけず批判するっていうのは結構簡単なことで、面白みを見つけ褒めることができるっていうのは一つの才能なんだろうなって思った。猫可愛い。
▪︎第三話
親子という関係性は社会 -
Posted by ブクログ
世界20カ国以上で翻訳出版が進んでいる作品。
作者が猫と暮らしているかはわからないけど、もし暮らしているなら、きっと猫と対等な関係を築いていると思う。
それぐらい猫(猫の命)を大切にしていることが伺える作品だった。
現代社会でありがちな悩み(労働環境の悪さ、ソリの合わない上司、クラスの派閥に悩むおませな子供など)を抱える老若男女が、こころのケアを求めて、小耳にはさんだ古いビルにある病院に来院。
医者は、患者の話はろくすっぽ聞かず、処方するのは薬ではなく、まさかのホンモノの猫。
猫が登場するお悩み解決系小説でよくある、猫自身が言葉を話せるとか、特別な治癒力を持っているとか、そういった展開 -
Posted by ブクログ
若い時は、将来にたくさんの夢があって、
なりたい自分を目指し、なれない自分に苛立ち、
目の前の現実に、不安や不満があふれていた。
ある意味、お仕事小説であり、
生きづらさの中で悶えている若者たちの青春であり、
ちょっとだけ、ラブストーリー?
でも、動物とチェンジできる不思議なファンタジーであり、
動物を飼育することの、大変さもすごく伝わった。
嵐の時に、ヒグマが逃げたときは、
現実にニュースでにぎわしている熊騒動と重なって怖かった。
あっという間に読み終えて、ちょっと物足りなさもありながら、楽しく、ほっこりとした読後感。
中学生くらいから、ぜひ読んでほしい。