松﨑智海のレビュー一覧
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ネタバレ鬼=煩悩、と捉えて、仏教との共通点、ともに「滅」する物語、時代を超えて思いを繋いでいく物語、という視点がとても面白かった。
喪失を軽んじない、という一言がとても響いた。
以下、備忘録メモ。(ネタバレ)
思い通りにならない世界を、思い通りにしようとする心が「煩悩」、
煩悩は苦しみをどんどん集めて雪だるま式に大きくなる(「集諦」)
不変の「我」を求め、「我」に執着すること(=我執)が「煩悩」の根源だが、
「我」とは人間の勘違いで、本当の私=何者でもない。
「我」への執着が、世界を正義と悪、敵・味方に分断する。
浄土真宗の「歎異抄」では、自分が罪を犯さないのはたまたまそのような状況に置かれていない -
Posted by ブクログ
ネタバレ鬼滅の刃を通して仏教を知ることができ、仏教のことを知りたいけど難しそう…と思っていた私にとってはとても興味深く読み進められた。
炭治郎の鬼の素質についての考え、なるほどー!と思いました。「縁」って本当に、奇跡みたいなことなんだよなと感じます。
「本当の正義」についての話も、刺さりました。鬼殺隊が鬼を倒して、めでたしめでたしで終わるけど、その後のことや「正義」のことなんて、鬼滅の刃を読んでいたときには考えたこともなかったので…著者の方、さすが住職さま、視点が違うなぁと思いました。
改めて、鬼滅の刃って奥が深い作品なんだなぁと感じます。本当に少年向けなのか?この本のおかげで、鬼滅の刃の世界をさらに -
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序盤の「天上天下唯我独尊」の解説で心を掴まれた。
読んだ感じだと、仏教は多面的に見るマーケット感覚であり、for文で輪廻して悟りでbreakして抜けるみたいな認識で合ってるかな?
宗派の違いは面白かった。結構っていうか別の宗教ってぐらい特色あるのね。
中でも曹洞宗はアドラー心理学ぽいし、マインドフルネスだしでなんか結局いつの世も同じことやってんだなとか思ったり。
そもそもの教義自体は「生きる智慧」みたいな事で、シッダールタの逝去後、弟子達が考えたのが通夜からの葬儀とかのイベントって認識になった。合ってるか知らんけど。
心理学や哲学としてやっぱ面白いよなぁ -
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ここ数年、親族の法事が続き、葬儀を観察できた。
私自身の個人的な考えでは、人の死は避けれないし、平等に必ず来るものなので、往生できれば不幸だとは思わない。
それはさておき、私が違和感を感じたのは田舎の高齢の親族たちだ。
まず、宗派が違う仏具持ってきてたり、お布施が高いだ安いだ。戒名に院号をつけてるかどうか。(院号以外の位など知らないのに)卒塔婆が少ないだの。何回忌までやるだの。
そもそも、通夜の意味も知らないし、初七日やってなくない?って思ったし。。
結局、見栄を張ることが目的に見える。
それなのに「子供への教えだと思っているからキチンとやる」などと宣う。
これでは仏教が営利目的のカルトみ -
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ネタバレ・心の制御、呼吸を止める、断食、減食
・第一の矢、第二の矢、矢が刺さったら、まず矢を抜くことだけに集中する
・無分別智
・禅とは心の柱に目を向けること。悟りとはきしむことができる柱
・楽しいが100、悲しいが100でプラスマイナスゼロになるのではなく、足して200になる。これが人生の豊かさである。
・私たちは重い氷を背負いながら、水を探しに行くようなことをしてしまう。でも、水が必要なら、ただ氷を溶かし、水にすればいい。今の自分に気づくことができれば、背中に氷が乗っていることにも意識が及び、水を得ることができるでしょう。今の自分に気づき、それがベストだと思えたら迷いは氷解する。 -
Posted by ブクログ
本書は大きく分けて仏教の歴史や考え方を記載している前半パートと、現代日本の各仏教宗派の住職との対談の後半パートに分かれている。
ブッダの簡単な歴史から鎌倉仏教までの流れを簡単に説明しており、ブッダの教えである四苦八苦を現代の悩みに当てはめながら解決策を提案などしている。
後半では各宗派の住職の話が載っているのだが、これが個人的には面白かった。
各宗派の特徴は調べればわかるのだが、そこに携わる方がどのように考えているのかを知ることができたのがためになった。
一言に仏教と言えども教えは幅広く、考え方にもグラデーションがあることがわかった。
悩みが多いのは全時代で同じなのだから、自分が前向き