宮園ありあのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ヴェルサイユ宮の聖殺人」続編。ネタバレがあるので、まずは前作を読むことをお勧めします。
孤島の女子修道院を訪れた公妃マリー・アメリ―は、連続見立て殺人に巻き込まれる。それはかつて異端者として処刑されたクロティルドの呪いなのか。そして島を追い出されたボーフランシュ大尉は公妃の身を案じるうち、否応なしに自分の気持ちにも気づかされることになる。
あのコンビが再び! しかも孤島の連続見立て殺人! ということで最初っからテンション上がりっぱなしです。修道院が舞台なので前作のような華やかな舞台ではないけれど、ミステリの舞台としての魅力はあまりに充分。過去の因縁や呪いも絡んできて、その上にもちろん殺人のト -
Posted by ブクログ
ネタバレベルばら好きとしてはこの時代の風俗描写も興味深く楽しく読めた
ただルネが何がしたかったのかよく分からない
それまでの境遇と比べたら、カストラートですって顔して舞台に立つなんて全然いいじゃん…なんならすでにやってるし…と思えてしまって
そしたらみんな事件に巻き込まれず済んだのにー(てそれじゃ話が始まらないんだけどさ)
あと何で大尉も素直に公妃に馬車貸してーって言わずにわざわざ時間かけて往復してるの?刺客が登場しないといけなかったから??
と、ちょっと腑に落ちないところはあるけれど、アニメとか海外ドラマとかが上手く映像化してくれたら楽しそうな作品 -
Posted by ブクログ
2巻も面白かったです。
2人の関係はなかなか進まず若干ヤキモキさせられましたが。。。
事件の凄惨さと真相のエゲツなさと切なさは前巻同様でした。
前巻より辛かったのは異端という現代日本人からすると理解し難い虐殺行為が絡んでいたことでしょうか。作者があとがきで書いていた人種差別による虐殺の話もそうですが、自分と違うものを殺戮しようという動機がどこからくるのか。。。
一人一人は愛に溢れているのに宗教のせいでみんな方向性を間違えてしまった、ようなお話でした。ヨーロッパらしいといえばらしい。
昨日ちょうど会社の人と江戸時代の身分制度がいまだに田舎には残っている、という話をしたので人種や宗教による -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公はフランス国王のいとこの女性。
ヴェルサイユ宮にある自室でオペラの演出家が殺害されているのを発見。
またそこに倒れている男性が。
その男性とともに真犯人を探す話です。
読み始める前はラノベに近い感じで、女性はもっと子供っぽいと思ってました。
そして男性の方が大人っぽいのかなと。
実際は逆で女性の方が落ち着いた感じで、男性ががさつというか直情的な感じでした。
当時の時代背景や実在した人物も登場して結構本格的でした。
序盤はいろんな伯爵や大佐とかが出て来てだれ?なったり、ドレスの名前とか出て来てその辺はわからないので調べたりしたんですが、それでもピンときませんでした。
ベルばらを知ってる人 -
Posted by ブクログ
ネタバレフランス革命前のブルボン王朝を舞台としたミステリー。王族の女性自ら事件解決していく様が面白い。(実際は血とか見たら気絶してると思うけど…。)この時代設定のお話は好きです。しかし登場人物の名前が中々頭に入ってこなくて、登場人物紹介を何度も見直して読みました。貴族の華やかな部分も書かれ、暗部である拷問•子供拉致など血生臭い部分はソフトに(?)描かれていた。死刑執行人「サンソン」など実在人物も登場してお話を現実っぽくみせてる。
最後ラブストーリーになるかと思いきや、、、。
続編が出るのなら読んでみたい。数年したらフランス革命。そのとき2人はどうなるのかな。 -
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アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作。
フランス革命前のブルボン朝を舞台にした、華やかな印象のミステリ。殺人事件現場に残された血文字、そして被害者にまつわるさまざまな疑惑。容疑者にされたボーフランシュ大尉と、貴婦人でありながら跳ねっかえりの印象が強いパンティエーヴル公妃のコンビが捜査を進め、事件の核心へと迫っていく過程が楽しいです。
最初は登場人物の名前や人間関係がやや複雑な印象がありましたが、そのあたりが頭に入ってくるとすいすい読めます。豪華絢爛な貴族の集い、そして華やかなだけではない裏事情の数々、重厚な歴史観も感じつつ、どれも面白く読めました。実在の人物もいろいろ登場しているようだけれど、そ -
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ネタバレクローズドサークルもの。
マリーが女子修道院に潜入。ジャンが男子修道院に警察官で友人のランベールの助手?として男子修道院でおこった死亡事件の調査と別々に動きます。そのあと女子修道院では次々と殺人事件が起き、嵐で修道院から出られなくなり…
話の進み方は面白く読ませてもらったんですが、謎解き段階になると急に速足に。知らない情報が最後の方にどんどん出てくる。もう少し被害者や加害者の生い立ちや心情を書いてもらいたかった。
マリーとジャンが関係が少し動くところ見れたのは嬉しかったです。
あと、処刑人さんの弟も出て来て嬉しかった。
後書きに次回作の話があったのですが、いまだ刊行されず…。読みたいなー_・ -
Posted by ブクログ
身も蓋もない言い方をすれば、金と地位と名誉と才能に恵まれた美貌の公妃が、暇をもてあましたあげく、仏頂面の陸軍大尉(美男で、勇敢で、男らしくて、有能で、誠実で、ちょっとウブで、彼女に首ったけ)を引き連れて探偵趣味にふけるというお話。ふざけんなという向きは当然あるだろうが、それは縁なき衆上ということで、そうじゃない向きにはなかなかに愉しい読書になるんじゃなかろうか。正直、ミステリしてどう、などとしかめっ面で語るのも違うだろうが、前作と比べれば、お話や謎解きのテンポがよくなっていて、ツイストの入る事の真相もなかなか。こうしたお話は、キャラクターが固まった二本目からが本番と言うことでしょうかね。