森岡督行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最高の読書体験だった...!
読書と散歩、そして古い建物が好き......。冒頭のモラトリアム期の著者に共感の嵐で、ぐいぐい読み始めました。
「坑夫」というワードが道を開くポイントになっているのも面白い。こじつけかもしれなくても、それにまつわる出来事や偶然の出会いに運や縁を感じて逃さず、次に繋げる行動力に脱帽。
いつも自分の感じたこと、考えたことをシンプルに大胆に行動に移していて、まるで小説のような展開に次はどうなるのだろうと読んでいてワクワクしました。
今まで勝手に著者に対してお堅い人なのかな...という印象を持っていたのですが、文章からとてもユーモアのある明るい人柄が滲み出ていて、印象が -
Posted by ブクログ
本屋さんにぷらっと行って棚を眺めていて、前に確か新聞?だったかに載っていた「一冊の本を売るだけ」の書店、という記事を思い出して買った一冊。
この書店を開くいきさつが書いてあるのかな、と思っていたけど、もちろん書いてあったけど、それよりも店主である著者の方の体験や出会いを、ご自身の好きなモノやコトをベースにいろいろ書かれていて、意外な感じだったけどとても面白かった。知らないことも多かったし、わずかだけれど自分の知っている銀座も感じて楽しかった。
読んでいる最中に東銀座に居たのに立ち寄る時間がなかったのが残念だった。
次回ぜひ行ってみたい。 -
Posted by ブクログ
・森岡督行「荒野の古本屋」(小学館文庫)を読んで、いや読みながら思つてゐたことは、この森岡さんは幸せな人だといふことである。酒井順子の「解説」に、「開業や起業というと、幅広い好奇心を持った野心的な人が踏み切る印象がありますが、 森岡さんの場合は、好きなこと、興味あることだけに没入していった結果として、おのずと独自のやり方を発見しています。」 (235〜236頁)とある。具体的には、古本屋を始めると次にギャラリー、スタジオと手を広げていく。最初からさうしようと思つたわけではなく、結果としてさうなつていつた。それは確かに「興味あることだけに没入していった結果として」そこにできたことであらうと思ふ。
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Posted by ブクログ
定職に就かずに散歩と読書三昧の日々を過ごしていた若者が、あることを奇縁に神保町の老舗古書店一誠堂書店で勤務することになり、古書との関わりを持つ。数年後、茅場町にある建物・スペースに出会い、ここで古本屋をやりたいと一念発起、古本屋「森岡書店」を開業する、その道行きを描いたもの。
他人からは、やることが決まらずブラブラしているように見えたであろう著者が、一誠堂書店での修業時代を経て、自分のやりたいことをしようと独立開業。プラハやパリでの写真集買付けのバイタリティに感心したし、ギャラリーやスタジオ、対外宣伝誌の古書目録刊行と、既成概念に囚われずに新たな書店の在り方を目指す行き方が、新鮮に感じ -
Posted by ブクログ
森岡督行『荒野の古本屋』小学館文庫。
牧歌的な古き善き時代の香りが漂う自伝的な作品。珍しい『一冊の本だけしか売らない書店』である森岡書店を開店させるに至った過程が綴られる。
昭和の若者が描いたエッセイを読むかのようだった。しかし、これが本当にベストセラーなのかという感じだった。著者独自の考え方を押し付けられるばかりで、今一つ『一冊の本だけしか売らない書店』のコンセプトや必要性が全く伝わって来ないのだ。
著者は大学卒業後に本と散歩に明け暮れたモラトリアム時代から、神保町の老舗古書店・一誠堂書店での修業時代を経て、森岡書店を開業する。
本体価格560円
★★★