門間雄介のレビュー一覧
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あとがきでも書かれている通り、細野を題材にした本はすでにいくつかあるが、生涯を通した活動歴をまとめたものとしては渾身の内容。特に、各バンドの結成に至るまでの経緯を興味深く読んだ。それだけに、大滝への取材ができなかったことを残念に思う。
細野晴臣は1947年に東京白金台で生まれた。中学2年の時に始めてバンドを組み、高校時代には複数のバンドを結成した。立教大学では、ドクターズに誘われてベーシストとして加わった。1968年には大滝、松本、高橋と立て続けに出会うことになる。
大滝詠一は1948年に岩手県江差郡で生まれた。ビートルズの影響を受けて高校2年でバンドを組み、ドラムを担当した。大学受験に失 -
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「風街ろまん」は擦り切れてしまうほど、
「HOSONO HOUSE」もかなり、
「HORO」もまぁまぁ、
「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」はぼちぼち、
「ロング・バケイション」はそれなりに、
聴きこんでいました
それから数十年経って
映画「万引き家族」のエンドロールに
音楽:細野晴臣
を見た時に
「おっ!」と声を挙げてしまいました。
その数十年の間の
あれやこれやが これでもか と
日本を代表する音楽家たちへの
証言と聞き取りを八年の月日を費やして
編まれた本書が
面白くないわけがない
巻末の
「主要参考文献」と「細野晴臣年表」が
如実に語ってくれています -
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「細野晴臣と彼らの時代」、この本の主人公はもちろん「細野晴臣」であり、今も新しい世代のリスペクトを集め続ける彼の物語(プロローグの星野源のエピソードも細野が過去の人ではないことを明示しています…)なのですが、題名にあるとおり「彼ら」も主役なのだと思いました。「彼ら」とは、大瀧詠一であり、千葉信行であり、布谷文夫であり、中田佳彦であり、松本隆であり、柳田優であり、小山高志であり、杉山喜一であり、伊藤剛光であり、高橋幸宏であり、鈴木茂であり、林立夫であり、小原礼であり、遠藤賢司であり、野上眞宏であり、小坂忠であり、柳田ヒロであり、菊池英二であり、竹田和夫であり、高久光雄であり、小倉栄司であり、吉野
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つねにサムシング・エルスを求め、興味から次の興味へと音楽を追い続けた細野晴臣の冒険の書は、70年から現在に至るまでの日本のロック・ポップス史の年表であり、彼がその道中出会う様々な旅の仲間との小説のようだった。小説のように感じたのは、日本のロック・ポップスを作り上げてきた歴史上の人物たちの誰と誰が、いつ出会ってどういう音楽をやってという、ただそれだけでなく、簡潔な文章の中ながらその時の彼らの心情にまで踏み込んだ描写と、彼らが過ごした街の風景の描写があるからだろう。それを拾い上げて文にした著者の仕事もすごいが、細野晴臣という人が、常に不安と葛藤を抱えがちの人でありながら、同時にユーモアのある人であ
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<目次>
第1章 松任谷由実
第2章 吉田拓郎
第3章 時代を変えたパイオニア
第4章 八十年代アイドル
第5章 男性ボーカル
第6章 女性ボーカル
第7章 歌い手を生かすプロデュース術
第8章 未来を託したいアーティスト
<内容>
著者の武部聡志は、多くの楽曲の編曲、プロデュースを担当している人。そうしたエピソードを中心に、第7章で自分のノウハウを、第8章で「ボカロP」などの新しい楽曲作成や、SNS発信によるセルフプロデュースでの発信にも触れている。タイトルは「ユーミン」だが、第1章で触れているものの、それほど深くはない。なので、平成のJPOPを牽引したプロデューサーの話と -
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8年の取材・インタビューなどの歳月を経て綴られた日本の誇る偉大な音楽家、細野晴臣の決定版とも言える評伝。東京港区、まだ当時は下町の色濃い白金台での出生から、若く優秀なミュージシャンをバックにつけてアメリカンポップスの再解釈に挑む近年のソロ作品・ツアーまで。もちろんこの過程には、はっぴいえんど、YMO、ティン・パン・アレーなどの名グループでの活動も含まれるわけであり、それは日本のロック〜ポップスの音楽史を辿るにも等しい。
こうして評伝を読むと、知っているようで知らなかったはっぴいえんど末期のバンドの空気感や、大瀧詠一と細野晴臣の生涯のライバルとも言える好関係(その極点はYMOでの大ブレイクと『