青木省三のレビュー一覧

  • ぼくらの中の「トラウマ」 ──いたみを癒すということ

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    話すか話さないかは、本人が選べること。
    話さなくても、痛みと直接向き合わなくとも、回復していける道があること。
    心を隠す力も、大切であること。

    自分の中のトラウマを意識しながら読んだとき、ほっと、安心できる内容でした。
    一人一人の中にある、回復しようとする力を信じているからこその言葉の数々だと感じました。

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    2020年07月01日
  • ぼくらの中の発達障害

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    ずっと何年も積ん読だったがやっと読んだ。
    でもここまでの間に、本作に書かれている情報はとうの昔にあちこちで学んでしまっていて、やっぱり勧められたあの時に読んでおくべきだったなーと少々後悔。ちょっと遅きに失した。
    ただこれはすでに専門職として仕事をしている身としては、の話で、発達障害者児に関わる人(もちろん当事者も)は読んで損はない。
    青木先生の著作はどれも、豊富な臨床経験から、理論に片寄らない、とても普段の暮らしに役立つ考え方満載。

    本作は発達障害と診断されて間もない当事者、その家族、支援者には特におすすめします。

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    2019年07月20日
  • ぼくらの中の発達障害

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    著者は臨床精神医学、特に精神療法、思春期、青年期が専門の精神科医。「はじめに」に、この本を発達障害に興味を持っている人、まわりにそうかもしれない人がいる人(意訳)、自分がそうかもしれないと思っている人(意訳)に読んでほしいと書いてあるが、いちいち当てはまるので一気に読みました。
    社会(や自分の中)に感じる違和感や辛さへの温かい理解と、いわゆるフツーの人(著者は定型発達と名付けている)とは違うところの強みみたいなものを、これもまた温かく理解していく眼差しがやさしかったです。

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    2018年05月05日
  • ぼくらの中の発達障害

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    心理の先生からのおすすめ本。

    人の精神や発達は、スペクトラムだとしみじみ感じる。
    閉鎖病棟で過ごしている方々も病名がついて分類されてはいるけれど、精神のひとつの過程なのね。
    境目なんてあってないようなもの。

    ○か×かで判断が求められることが多いし、必要な時もあるけれど、この世のほとんどが分けられないものばかり。

    …と、発達と関係ないことも いろいろ考えちゃった本。
    ごちゃごちゃぐだぐだ考えさせてくれる こういう本は、私にとって良本。

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    2016年04月30日
  • ぼくらの中の発達障害

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    高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、自閉症スペクトラムなど、様々な用語があるが、それらが非常にわかりやすく整理されている。その上で、他者や自らの中にある「発達障害」的要素とどのようにつきあっていくか、どのように活かしていくか、が語られる。ルールに固執する、言葉のウラ・オモテを読まない、本来言葉にできない思いを小器用に言葉にしない(できない)等の個性が、実は様々な都合に流されるままとなっている日常生活に、ラディカルな楔を打ち込む役割を果たしているのではないか、という指摘には触発された。また、「発達障害」とされる人も「発達」しているが、それは「健常者(「定型発達」)」にどれだけ近づい

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    2015年03月31日
  • ぼくらの中の発達障害

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    『ぼくらの中の』と表現しているところに共感が持てる。

    目の前にいる人の中に、自分と同じものを見つけた時、その人の眼を少しだけ共有できる。そこから、理解や共感は生まれると、思う。

    どちらかが劣るのではなく、違う文化を持つ人であるということにも共感。

    以下引用。
    めちゃ、共感〜。
    決めつけない、その人の背景に思いを向けるようにと、思う。
    『親、教師、専門家のそれぞれが、見た彼の姿を照合したときに、初めて立体的な彼の姿が浮かび上がってくるという発想が求められる。単眼では、距離が分からず、複眼で初めて距離が分かる。』

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    2013年05月06日
  • ぼくらの中の発達障害

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    とても丁寧な本だと思った。解説の平易さ、複眼的な視点、やさしい語り口…。発達障害、自閉症について全く知らなかったので入門書として読んでみたが、内容は「社会性」「コミュニケーション」といった誰しもが頭を悩ませる問題に関わっている。自分の嫌だと思っていた部分を理解してくれる友人に出会ったような嬉しさ、そしてこれまで理解できなかった相手の立場に立って考えはじめるきっかけを与えてくれる良書。

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    2013年03月22日
  • ぼくらの中の発達障害

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    発達障害と、ともに歩んでいくための工夫が丁寧に紹介されている一冊。

    「人」が大切に描かれていて、ほわっと、ふわっと、優しい気持ちになりました。

    それぞれの生き方を大切にしていくために、いろんな方に読んでいただきたいなと思った一冊です。

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    2013年01月01日
  • ぼくらの中の発達障害

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    発達障害とは何か。定型発達との連続性と異質性。発達障害の「文化」。等々。
    相手が誰であれ、重要なのはゆっくりとペースを守ること、尊重することなんだなあと感じた。

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    2012年12月20日
  • ぼくらの中の「トラウマ」 ──いたみを癒すということ

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     「トラウマ」とはなにか、どんなことが体に起こるのか、どう向き合えばいいのか、トラウマを抱えた人間にどう向き合えばよいのかなど、トラウマに関する様々な情報を平易な言葉で書いてくれている。
     治療法は、これをすれば絶対に治るというものではなく、その人に合ったものをやればいいと決して押し付けない。
     具体的に、どんな人がどの治療法をやればよいのかは、個人個人によって異なるため、専門的な医療機関に任せようということなのだろう。
     トラウマに苦しんでいる人だけではなく、身近にトラウマによって苦しんでいる人がいる人にもおすすめの本。

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    2020年03月20日
  • ぼくらの中の発達障害

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    青年期精神科の大家である先生の著書。文書も読ませる文章をよく書かれる。発達障害、主に広汎性発達障害をスペクトラムの視点で書かれており、当事者や家族にも役立つように書かれている。
    現代のコミュニケーション能力偏重に対しての批判もあり、最もだと思った。印象に残ったフレーズは、「人に伝えたい『何か』を自分の内に育む。」これがコミュニケーション能力の前に大切にされるべきだということである。

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    2013年01月31日