【感想・ネタバレ】ぼくらの中の発達障害のレビュー

あらすじ

人とのやり取りが苦手だったり、こだわりが強かったり、発達障害とは病気なのだろうか? その原因や特徴、対処法などをよく知れば、誰のうちにもそれらがあることに気づくだろう。

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Posted by ブクログ

職場の看護師に「発達障害についてとても分かりやすく書かれている」と紹介され、貸していただいた一冊。
読むうちに多くの気付きや学びがあり、「発達障害は特別な誰かの話ではなく、誰もが抱える“生きづらさ”の一つかもしれない」という視点に、はっとさせられた。
特に、相手のことを尊重し、理解して関わるという、人として大切な姿勢を改めて気付かされた。

印象的だったのは第6章「発達障害を持つ人たちへのアドバイス」。この章だけ文字がゴシック体で表記されており、読みやすさへの配慮が伝わってくる。発達障害の当事者に寄り添う、著者の温かなまなざしを感じた。

イギリスでの経験や、日々の診療のなかでの患者との関わりも綴られており、啓発書やヒューマンドキュメントとしても心に響く一冊だった。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

発達障害であっても、そうでなくても、人とのかかわりの中で大切なことを気づかされたというか、そうだよね、と改めて思い出させてもらえた。
どんな相手であれ相手を尊重し、理解しようと誠実に向き合うことができたら、より良い関係を作ることができるのにな。
これは、障害あるなしに関わらずなかなか難しい。

発達障害の特徴のマイナスである部分が、状況によっては全く逆の作用をもたらすという文章にハッとした。
コミュニケーション能力のみに惑わされず、その人の持つ本質を感じることができる人になりたい。

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2020年08月07日

購入済み

素人が発達障害と断定する愚かさ

近々著者の講演会に参加するため、予習のために読みました。
最近理解不能な行動をするひと達の事を、安易に発達障害と表現する事が増えてきているように思います。
著者は長年発達障害の患者さんに向き合ってきました。
不器用で懸命に努力しながらも、現代社会に上手く溶け込めないひと達を、自分達より劣ると決めつけるのではなく、医者として温かく見守り支援します。
時にはその純粋さを、定型発達の人々より気高いとさえ表現しています。
家族が発達障害の私としては、その一文に涙せずにはいられませんでした。

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2018年10月18日

Posted by ブクログ

久々のこういう関連の本での良書だと思いました。
私の息子は「広汎性発達障害」と言われています。
でも親バカですが、とても素直でかしこく、やさしく
人の痛みもわかっている気がするような、とてもいい
子どもです。
この本は、自閉症や発達障害の人の立場で書かれてあって
とても参考になると思います。
本人にもぜひ読んでもらいたいと思います。
この本にも書かれてある通り、連続性(誰もが程度の差はあっても同様の悩みや感覚を持っている)と異質さ(その特性で生きづらくなった時はどうしようもなく深い痛手になること)の双方を持っている特性だと思います。自分にも”社会性の障害””コミュニケーションの障害””こだわり”が少なからずあるような気がします。
いつも思うのは3つ。
こういう特性を持っている人・子どもはとても、がんばっていて、とてもいい子が多く、魅力のある人が多いと思います。
また、これらの特性に対する対応、接し方などは、障害のある人に対してだけではなく、すべてにおいて有用な対応だとおもうこと。
さらに、自閉症や発達障害だけではなく、障害のある人はこの社会に対してのセンサーの役割を果たしているのではないかということ。

この本からの引用
”人に対して内面を隠すという「自閉」は定型発達と呼ばれる人の中にあるものであり、逆に広汎性発達障害で、「自閉」を持つといわれる人の中にこそ、内面を隠さず人と繋がり情報を伝達する可能性がある”

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2015年09月04日

Posted by ブクログ

序章 「あの人」と僕は本当に違うのだろうか?
第1章 発達障害ってどんなもの?
第2章 社会性の障害とはなんだろうか?ー広汎性発達障害の特徴①
第3章 コミュニケーションの障害とはなんだろうか?ー広汎性発達障害の特徴②
第4章 こだわりとは何だろうか?ー広汎性発達障害の特徴③
第5章 「発達障害」を考える
第6章 発達障害を持つ人たちへのアドバイス
第7章 周囲の人たちへのアドバイスー発達障害という文化に敬意を払う
最終章 君も僕も発達障害

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2014年08月01日

Posted by ブクログ

青木先生の柔らかさと気遣いがふんだんに盛り込まれた、本当に良い一冊。先生の仰っている通り、ぜひご本人たちに読んでいただきたく、私の治療場面でもお勧めしています。

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2013年08月16日

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ネタバレ

優しい気持ちで読み進められる本でした。
著者が出会った人々とのエピソードと、それにまつわる著者の考え、思いが
読みやすい言葉で、でも、わかりやすく、しっくりとくる言葉で
書かれていました。

発達障害の人、ではなく、その人個人として向き合っていくことについて、
著者の姿勢が伝わってくるし、自分もこうありたいなぁ、と思いました。

当事者向けの章も含め、今の自分にしっくりきたので☆は5つ。

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2013年04月05日

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発達障害を一つの異なった「文化」として捉えることから、硬直した視点を柔らかく解きほぐしてくれる.

みんなの中に存在する連続性のある発達障害的特徴=「個性」と捉えるのみではなく、「障害」=「文化」として捉える視点の両方が大事なのだと著者は言う.
「個性」と捉えるのは「連続性の視点」であり、「障害」と捉えるのは「異質性の視点」であるというのも参考になる物の見方である.
同じでもあり違うものでもある、この異なった両者が同時に存在することを認識することは忘れてはいけない.
決して偏らず両方の視点を保つ必要が有ることを学ばせてもらった.この考え方はいろんなことに応用が効くんじゃないかな.

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2013年03月25日

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とてもわかりやすかった。私や、な。に感じるグレーゾーンな性質はやっぱり…。そんな自分たちも悲観しないで暮らしていけると感じさせてくれた。

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2013年02月17日

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発達障害に対するやさしくあたたかい理解。

「人とは」とか、「世の中とは」とか、いうところまで思いを馳せられる良書。

「境界人として生きる」のは、精神科領域の専門職を職業に選んだ人の多くに当てはまる気がした。(いや、当てはまるものであってほしい)。

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2013年02月12日

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子どもを育てながら、人と関わり合いながら、
自分が日頃思っていること考えることと共通するものが多かった。
やはりそういう認識、そういう対応がいいのだな、と改めて
納得する部分も多いし、初めて知りなるほどと思う特徴もあった。
「ぼくらの中の」というタイトルに著者の思いがこもっている。

第六章<発達障害を持つ人たちへのアドバイス>
当事者が読みづらいことが多いとされる明朝体ではなくゴシック体
フォントを使って、短く理解しやすい文章・文体でつづった
「困ったときの対応法」は内容もスタイルも参考になる。
身近にいわゆる発達障害の人がいるいないにかかわらず、
一家に一冊、必要なときにすぐ手にとれるところにあるといい本。

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2013年02月08日

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発達障害ってグラデーションだなと前から思っていました。自分も人よりやたらと優れている部分と、ものすごく劣っている部分があります。きっとその劣っている部分が実生活で目に入りやすいと発達障害となるんだろうなと。

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2025年04月03日

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「発達障害とは連続したものであり、同時に異質なものでもある」・・・定型発達と発達障害は連続している(明確に区別できない)と同時に民族間で文化が違う、または、赤と黄色が色が違うように異質なものである。
「発達障害をもつ人たちは連続性と異質性という2つの視点から捉えた時、はじめて理解が可能」
とのこと。
この本を読んで、印象に残ったのは
発達障害を持つ人には、自分の苦手を克服するために獲得し発展させてきたものがある。人の心のそこにある本質的な辛さや苦しみを直感的に把握する。発達障害を持つ人と話していると純粋な優しさや温かさや配慮というようなものをしばしば感じる
との言葉。
空気が読めないと言われることの方が多いけれど、作者のような視点で、発達障害を持つ人を見るとそのように感じるものなのか。
視覚障害者が、聴覚や触覚が研ぎ澄まされるように、発達障害を持つ人が、定型発達の人と違うことに気付けることがあるということなのだろう。
この本を読んで、自分も新しい視点で、発達障害について考えるきっかけになったと思う。

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2025年01月12日

Posted by ブクログ

発達障害について、易しめの手引書のような内容でした。
発達障害の本人へのアドバイスと周囲の人たちの対処法と、両方載っているのが親切だと思います。

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2021年03月31日

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誰の中にも発達障害の要素があり、濃くなったり薄くなったりしている。
発達障害のチェックシートを見るといくつか自分に当てはまる。
発達障害の人たちは、自分とは違う文化を持っている。
障害を持つ人へのアドバイスや周囲の人へのアドバイスも書いてある。

発達障害についてとてもわかりやすく書いてあると思う。

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2020年07月18日

Posted by ブクログ

ずっと何年も積ん読だったがやっと読んだ。
でもここまでの間に、本作に書かれている情報はとうの昔にあちこちで学んでしまっていて、やっぱり勧められたあの時に読んでおくべきだったなーと少々後悔。ちょっと遅きに失した。
ただこれはすでに専門職として仕事をしている身としては、の話で、発達障害者児に関わる人(もちろん当事者も)は読んで損はない。
青木先生の著作はどれも、豊富な臨床経験から、理論に片寄らない、とても普段の暮らしに役立つ考え方満載。

本作は発達障害と診断されて間もない当事者、その家族、支援者には特におすすめします。

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2019年07月20日

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著者は臨床精神医学、特に精神療法、思春期、青年期が専門の精神科医。「はじめに」に、この本を発達障害に興味を持っている人、まわりにそうかもしれない人がいる人(意訳)、自分がそうかもしれないと思っている人(意訳)に読んでほしいと書いてあるが、いちいち当てはまるので一気に読みました。
社会(や自分の中)に感じる違和感や辛さへの温かい理解と、いわゆるフツーの人(著者は定型発達と名付けている)とは違うところの強みみたいなものを、これもまた温かく理解していく眼差しがやさしかったです。

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2018年05月05日

Posted by ブクログ

心理の先生からのおすすめ本。

人の精神や発達は、スペクトラムだとしみじみ感じる。
閉鎖病棟で過ごしている方々も病名がついて分類されてはいるけれど、精神のひとつの過程なのね。
境目なんてあってないようなもの。

○か×かで判断が求められることが多いし、必要な時もあるけれど、この世のほとんどが分けられないものばかり。

…と、発達と関係ないことも いろいろ考えちゃった本。
ごちゃごちゃぐだぐだ考えさせてくれる こういう本は、私にとって良本。

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2016年04月30日

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高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、自閉症スペクトラムなど、様々な用語があるが、それらが非常にわかりやすく整理されている。その上で、他者や自らの中にある「発達障害」的要素とどのようにつきあっていくか、どのように活かしていくか、が語られる。ルールに固執する、言葉のウラ・オモテを読まない、本来言葉にできない思いを小器用に言葉にしない(できない)等の個性が、実は様々な都合に流されるままとなっている日常生活に、ラディカルな楔を打ち込む役割を果たしているのではないか、という指摘には触発された。また、「発達障害」とされる人も「発達」しているが、それは「健常者(「定型発達」)」にどれだけ近づいたかということで評価されるべきものではなく、独自のあり方への発達が目指されるべきであるとの趣旨にも納得させられた。

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2015年03月31日

Posted by ブクログ

『ぼくらの中の』と表現しているところに共感が持てる。

目の前にいる人の中に、自分と同じものを見つけた時、その人の眼を少しだけ共有できる。そこから、理解や共感は生まれると、思う。

どちらかが劣るのではなく、違う文化を持つ人であるということにも共感。

以下引用。
めちゃ、共感〜。
決めつけない、その人の背景に思いを向けるようにと、思う。
『親、教師、専門家のそれぞれが、見た彼の姿を照合したときに、初めて立体的な彼の姿が浮かび上がってくるという発想が求められる。単眼では、距離が分からず、複眼で初めて距離が分かる。』

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2013年05月06日

Posted by ブクログ

とても丁寧な本だと思った。解説の平易さ、複眼的な視点、やさしい語り口…。発達障害、自閉症について全く知らなかったので入門書として読んでみたが、内容は「社会性」「コミュニケーション」といった誰しもが頭を悩ませる問題に関わっている。自分の嫌だと思っていた部分を理解してくれる友人に出会ったような嬉しさ、そしてこれまで理解できなかった相手の立場に立って考えはじめるきっかけを与えてくれる良書。

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2013年03月22日

Posted by ブクログ

発達障害と、ともに歩んでいくための工夫が丁寧に紹介されている一冊。

「人」が大切に描かれていて、ほわっと、ふわっと、優しい気持ちになりました。

それぞれの生き方を大切にしていくために、いろんな方に読んでいただきたいなと思った一冊です。

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2013年01月01日

Posted by ブクログ

発達障害とは何か。定型発達との連続性と異質性。発達障害の「文化」。等々。
相手が誰であれ、重要なのはゆっくりとペースを守ること、尊重することなんだなあと感じた。

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2012年12月20日

Posted by ブクログ

青年期精神科の大家である先生の著書。文書も読ませる文章をよく書かれる。発達障害、主に広汎性発達障害をスペクトラムの視点で書かれており、当事者や家族にも役立つように書かれている。
現代のコミュニケーション能力偏重に対しての批判もあり、最もだと思った。印象に残ったフレーズは、「人に伝えたい『何か』を自分の内に育む。」これがコミュニケーション能力の前に大切にされるべきだということである。

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2013年01月31日

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