秋場大輔のレビュー一覧

  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    ネタバレ

    実際に2018年に起きたLIXILでのCEO解任劇のドキュメンタリー。
    LIXILはトステムとイナックスが対等合併してできた会社(他3社)だが、実質はトステムのほうが影響力があった。そのトステムの創業家で株式を3%所有している潮田氏が自身の私利のために会社を利用するために、モノタロウから招いたCEO瀬戸氏を突如解任するところから本書は始まる。

    瀬戸氏は住友商事からモノタロウを創業から上場まで果たした人物で、このまま下がって別のオファーを受けたほうが、キャリアにも傷がつかず、金銭的、体力的、時間的にも合理的だったはず。

    だが、自分の信条「Do the Right Thing」を貫くために、勝

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    2025年03月22日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    経営はアートをサイエンスに変える作業だ
    一回きりの状況判断はアートと言っていい。しかし、その中身を分析し、再現性を高めるとサイエンスになる。経営の要諦は再現性を高めること。だから経営とはアートをサイエンスに変えることだ

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    2025年02月03日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    一気に読みました。有名企業の経営層で起こった、有名なこの出来事の8ヶ月間を追体験した読後感です。
    昨今揶揄されるJTC(古いタイプの日本企業)における不条理が、法のルール、それだけではなく、というよりも人々の義憤、正されるべきは正すべきというシンプルな考えが、一人ひとりの行動に結びついていき、物語はクライマックスへ。
    この物語は、集まった人々とそのタイミングが作用して、大きな流れができた結果なのだと感じました。
    そのような機会が到来せずに、無念の継続が続くケースもまた多くあるのだろうと、この物語を読んでいて感じ入りました。
    いずれにしても、こういう事例があったことは大きな学びで、何か明日への活

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    2024年06月23日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    傍から見てこんなに面白い話はないというくらいな逆転劇。瀬戸氏側に立ったストーリーなので、潮田氏側からはどういう言説が語られるのか興味深くはあるが、瀬戸氏側視点が圧倒的に正しいと思わせる説得力があった。
    企業の経営層の内部の実情は伏魔殿なのだなといろんな企業関連の本を読むと思う。
    バーバラ・ジャッジ氏がフィクサーな感じで、なぜこの人が社外取締役として変な動きをするのか疑問だった
    騒動の1年後に亡くなっているのを見ると、とっくに限界だったのではと思い、それでも本能的に権力にしがみつく姿に暗澹たる気持ちになった

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    2024年03月08日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    リアルな内情が包み隠さず書かれていて、吸い込まれるように読み終えた。
    会社を良くしたいと奮闘するには、相当な知恵と力が必要であると感じた

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    2023年08月22日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    最近はどの上場会社も「ガバナンス至上主義」の傾向が強い。持続的で透明な会社経営という観点でガバナンスが目指す独立性・客観性は確かに重要だが、余りにやり過ぎるとその会社が持つ独特の色や特徴が失われてしまうのではないか、監督と執行のバランスはとても難しいと感じた。

    あとがきにある「ガバナンスの実効性を高めるのは社外取締役の数ではなく、社内外の人材の意識」はごもっとも。形式的な体制を整えるのが目的ではなく、それを運用する人達の意識・責任感が伴って初めてガバナンスは機能する。

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    2023年05月28日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    LIXILで約3%の株式しか持たない創業家出身者が、外から呼んできたプロ経営者を追い出すという事件。勝目の薄い戦いに臨んだプロ経営者がこの戦いを勝ち取った。経済小説やドラマのようなノンフィクション。凄まじい攻防に臨場感あり、ページを捲る手が止まらない。

    プロ経営者というのが瀬戸欣也。東大ではあの村上世彰とも同級生。本著には村上ファンドも瀬戸欣也の見方として登場してくる。瀬戸は住友商事出身でモノタロウを立ち上げたやり手社長だ。

    対して創業者側。そもそもLIXILは、2011年に誕生。トステムとINAXが統合した後、住生活グループに社名変更。その後、サンウエーブ工業や新日軽、東洋エクステリアと

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    2023年03月30日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    シンガポールに移住するという潮田さんのニュースは見たことがありました。この本は、そんな気まぐれな創業家とスカウトされ社長就任されながら、解任されたしまった人が復活する物語です。経営の勉強にもなるし、一気に読めます。

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    2023年01月06日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    ドキュメンタリーだ。LIXILの社長交代劇に端を発した、8ヶ月に及ぶ経営陣の 内部紛争の物語である。

    LIXILの母体であるトステム創業家の潮田氏が、プロ経営者として招聘した瀬戸氏に偽計を用いる場面から物語は始まる。

    経営の方向性の違いから、瀬戸氏はトップからひきずりおろされる。しかしその経緯の不透明さから調べていくと、辞任劇そのものが潮田氏の二枚舌から発生していたことが分かる。この出来事を蟻の一穴として、瀬戸氏はLIXILに闘いを挑んでいく。

    創業家への忖度でガバナンスの効かない経営陣、それをいいことに会社を思うままに動かそうと暗躍する潮田氏。無理な闘いと思われた瀬戸氏の周りに援軍が現

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    2022年12月18日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    【決戦!株主総会。LIXIL死闘の8カ月】
    1.物語
    ノンフィクションです。2018年から2019年に発生した東証1部上場/LIXIL社の物語です。3%株主かつオーナー経営者と雇われ社長が経営方針と経営権をめぐり対立します。その一部始終が記載されています。

    2.購読動機
    株主総会は、会社が起案する議案と株主が起案する議案の2種が存在します。外部からはどちらの議案が決議されたのかは?判断することができます。
    一方で、議案が決議されるにあたってどのような議論がされたのかは?議場に出席した株主でない限り判断することは困難です。
    このLIXILの経営権をめぐる対立は、当時の報道を通じて目にする機会が

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    2022年10月30日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    真実は小説よりも、、、

    ページをめくる手が止まらなかった。

    瀬戸さんの胆力、人望、これまでの「do the right thing」に従った実直な行動が、吉野さんをはじめとする沢山の人を惹きつけ、ワンチームとなって巨悪を倒した!

    自分も機関投資家の1人として、ISSやグラスルイスのレポートにそのまま従うことが殆どだが、それを覆して50%超の賛成を瀬戸チームの力は、本当にすごいと思った。

    瀬戸さんが社長をするLIXILの株は成長間違いなし!と言いたいところだが、インフレや利上げによる不況見込みで簡単には行かなそう。でも、方向性は間違っていないと思う。
    ただ、あまり株が上がると、背任、犯罪

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    2022年09月18日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    LIXILの経営陣を巡る株主総会での戦いのノンフィクション。3%しか株式を持っていないトステム創業家の潮田氏は、指名委員会の委員を自分に親しい人物で固めることで、外部からのプロ経営者であった瀬戸氏を辞任させることから、話が始まる。
    会社は株主の物であることは自明の理だが、機関投資家や金融機関の株主は、投資先(LIXIL)と取引があり、機関投資家もアクティビストと思われたくないため、今回の騒動に深く首を突っ込まない姿勢があった。そのため、潮田氏の独善的な経営判断が正当化されるという、コーポレートガバナンスの弱さが露呈した。
    本書は瀬戸氏目線でCEO辞任させられるところから、株主総会でCEO復帰を

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    2022年09月11日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    現役を退いて数年経ち、日経ビジネスも日経新聞も購読をやめて、地方紙でなんとなくLIXILのゴタゴタが気になっていたが、やっと納得。

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    2022年08月21日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    コーポレートガバナンスを理解したくて読みました。
    瀬戸さんが勝利するのは分かっていても展開にハラハラしました。
    この本を読んで良かったです。

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    2022年08月11日
  • ヤメ銀 銀行を飛び出すバンカー

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    銀行に勤めて二十年弱になりますが、金融業界の歴史、各時代におけるバンカーの生き様を改めて学ぶことができました。
    金融業界は良い意味で成熟しており、新しいことにチャレンジできる機会は少なく感じますが、良いところは残しつつ、少しずつでも組織と自分を変えていきたいと思うバンカーにおすすめします。

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    2025年01月03日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    LIXILで何が起きたのか?
    →上場企業を私物化した創業家取締役が起こした茶番劇。
    →極論だが、取締役が全員高貴で倫理観のある人物ならコーポレートガバナンスなしでも会社は回る。聖人君子ではないとしても、とんでもない勘違いをする人が時々いるから、コーポレートガバナンスが必要となる。

    →やはり、人に胸を張れないことをしてはいけない。

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    2024年12月22日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    ネタバレ

    ただ創業家というだけで会社を私物化した潮田氏は酷過ぎるが、それを健全化するのは簡単なことではないことがよく分かった。

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    2024年07月21日
  • ヤメ銀 銀行を飛び出すバンカー

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    何となく題名が気になって本屋で手に取った1冊。著者かほぼ同年代で、自分の業界をジャーナリストの立場から捉えているので、自分自身の銀行員時代の歴史を辿るようで面白く読むことが出来た。

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    2024年05月27日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    少数株主であるオーナーの暴虐。指名委員会の形骸化。株式会社という仕組みと日本資本主義の駄目なところをギュッと凝縮した事件でした。

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    2023年02月16日
  • 決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

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    ネタバレ

    この作品は一般的にはノンフィクションだが、圧倒的なドキュメンタリー作品だった
    外野から見ていたにすぎないが、瀬戸さんの情熱にはとても感服した
    このLIXILの件は、いまの社会にはよくあることだと思うが、ほんとうの正しさは実行されないんだなと強く感じた。
    でも唯一あるのは、特定の個人の恣意的な事に公的な会社を使ってはいけない、ということ。
    恣意的な思いがある人は、自分でその世界を造ればいいんだといのは、本作から学べた。

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    2023年01月27日