片山龍峯のレビュー一覧
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アイヌと和人、ハーフだった姉崎さんだからこそ知り得た世界。
独りで山に入り、クマを師匠とし、クマを獲った。
昔から猟師の話が大好き。特に北の山に入る猟師の中には、現実主義者で冷静、けれども自然への畏怖を併せ持つ人がいる。そういうエッセイやインタビューを読むのが好き。
このインタビューは2000年、今から25年前か。その時はまだアイヌの文化を色濃く受け継ぐ(女性の刺青やクマ送りの儀式)人たちがいたんだな。
瓶ビールやテレビがある空間で、クマ送りの儀式がされているのが、まだ遠くない過去として強烈なインパクトだった。
ヒグマも人が怖いから、ヒグマに出会ってしまった時は目を見て威嚇する、絶対逃げない。逃げるげらいなら腰を抜かせ、らしい。
クマはヘビが嫌い、というのも本当らしい。
あと、ペットボトルをベコベコやると、違和感のある音だからクマが避けてくれる、らしい。
ヒグマに出会うシチュエーションになる可能性は限りなく低いけど、いざという時のために覚えておこ。
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Posted by ブクログ
2025年はクマが多く出没した年だった。その前に読んだのが、この本、アイヌの狩猟者がヒグマに対応するときの話。プロならではの胆力のいる対応。
予防するには、
・ペットボトルをペコペコ鳴らしながら歩く。
・木をたたきながら音を立てる。
出会ってしまったら、
・背中を見せて走って逃げない。
・大声を出す。
・腰を抜かしてもよいから動かない。
・にらめっこで根比べ
・子連れに出会ったら子グマを見ないで親だけを見ながら静かに後ずさり
・ベルトをヘビのように揺らしたり、釣竿をヒューヒュー音を立てるようにしたり、柴を振り回す。
・柴を引きずって静かに離れる。 -
Posted by ブクログ
最近、熊のニュースが多いと感じていたので、熊についてもっと知りたいと思い読みました。率直にとても感動しました。
アイヌ民族最後の狩人姉崎さんは65年間に渡り、熊撃ちとして活動されて、まさに地を這うようにして山の地形や歩き方、熊の習性、生態、解剖を理解されていった方であり、文中何度も『クマの心がわからなければクマは獲れない』『クマが私のお師匠さんです』と話されていたのがとても印象的です。
熊は人間をよく観察していて、熊も人間を怖いと感じている。後半では、実際に熊と遭遇した時の対応も記述されており(組み伏せられたときの対処法はとにかく驚愕でしたが)いざという時のために慌てずに実践できるように知恵として大事に持っていたいと思いました。
“相手がわからないから怖い“というのは種族を越えても言えることなのだなと感じました。
熊のこともアイヌ文化についても、この本を読まなければ一生知り得なかったことばかりで、素晴らしい学びになりました。たくさんの方に読んでもらいたいです。 -
Posted by ブクログ
アイヌ文化を知りたくて、関連する本を複数手に取ったが、この本が最も求めていた内容だった。
まさに「こういうことが知りたかった!」という感じ。この本は2014年初版だが、今読むべき本であり、この本に出会う前の自分に声をかけられるならば、「早く読みなさい」と叱っているだろう。
人間本位の一方向の考え方を改めてくれる。
アイヌが大切にしている考え方「この世に無駄なものは一つもない」は、他の作品でも見たことがある。でもその言葉はどこか平面で、ただの「言葉」だった。姉崎さんの話によって、この言葉が血の通った生きた言葉になり、意味を帯びた。アイヌになぜその言葉が根付いているのか、その言葉のもつ本当の意味が、やっと腑に落ちた。 -
Posted by ブクログ
クマが食べられるエサが山(森)に無い。
エサはコクワ、ブドウ、ドングリ等。
山は針葉樹林を植林した場所が現在は多く、自然環境が様変わりしている。
針葉樹林は広葉樹林とは違い日陰が多くドングリ等、木の実が成らない。
クマの生息域が減り、クマは生きるためにひとがいる地域に降りてくる。
ひととクマの住み分けが難しくなる。
ひとが山やまちにカップラーメンやバーベキューの残り物をゴミとして埋めたり捨てたりしていくとクマは掘り起こして食べて味をしめる。
ひとが畑で作る果物や野菜は美味しいものだから、それもクマはエサが山になければ降りてきて食べて味を覚えてしまう。
本来、クマとひとは里山という場所で「なんか嫌だな」「ちょっと怖いな」という気持ちをお互いに持ちできるだけ互いに会わないように住み分けて暮らしてきたバランスが、今は崩れはじめている。
クマはもともと性質として、ひとを怖いと思う臆病さを持っている。
けれどもひとが住み分けのルールを生活の中で破り続けた事、山の自然環境を破壊した事により、ひとが怖くてもエサが無いため生きようとしてクマがまち近くに出てくる。
クマはひとを一度食べてしまうと、人間が自分より怖い動物ではないことを身をもって知ってしまう。
ひとの味を覚えてしまったクマは繰り返しひとを襲うため駆除対象になる。
しかし、本書によれば多くのクマはもともと人間にたいして臆病な性質なのだそうだ。
肉食獣とは違い、クマ自ら積極的に人間を食おうとする個体はめずらしい。
ただ、銃で撃たれた手負いのクマはクマ自ら逃げられないほどの肉体的ダメージを受けていた場合は逆襲の気持ちを持っているので、人間は返り討ちにある可能性が高くその時はトドメを刺すハンターは生死ぎりぎりの思いで慎重に慎重を重ねてクマに近づき、クマの絶命を探るのだそう。
手負いのクマは絶命するまでとても危険だということ。
クマは確かに怖い。
でもクマも人間を怖がっている。
クマと人間が共存する道はある。
山(森)の自然環境の回復(クマのエサ環境の回復)、人間のゴミ捨てマナーや山に入る時のマナーの遵守の徹底、クマの生態を知ること、山の自然の状態を知ること、人間を怖がらせること等。
本書で引用されているヘレロ博士の著述にこう書かれている。
「共存とは、クマと人間が同じ環境の一部を分かち合うことを意味するようになるべきだが、最大限可能なかぎり、クマは人間の食物を利用することなく生きなければならない。クマとの共存には、相互忌避、人間社会の言葉でいえば相互の尊重が望ましい(中略)クマをなでたり、餌を与えたり、クマが生ゴミを食べたりするのではなく、クマと人間の間にはある種のよそよそしさが必要なのである」
この本を読めばクマの習性が少しでも身近にせまってわかる。
クマがなぜ駆除されるのか、クマがなぜまちに降りてくるのかが本を読みながら少しずつわかってくる。
クマにであったらどうしよう?
そう考えることもクマを知ろうとすること。
クマを知ることは、ひととクマの共存への道を拓ける。
人間だけの、地球ではない。
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Posted by ブクログ
2026.1st
最近何かと世間を騒がせているクマさんについて、アイヌ民族最後の狩人姉崎等さんのヒアリングをまとめた書籍ですʕ•ᴥ•ʔ
姉崎さんの60年にも及ぶハンター生活から得られた知見は単にクマに出会った場合の対処法といったハウツー本的な側面ばかりではなく、人間と他の生命の共存共生というより深く根元的なテーマにも及んでいます。
とても読みやすく、また勉強になる1冊でした!姉崎さんは実証的思考に基づいて思考される方だったようで、随所に姉崎さんの頭のキレを感じました!
残念ながら、姉崎さんも本書をまとめられた片山龍峯さんも既にお亡くなりになられているようです。
合掌。