テンプル・グランディンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
絵で考える人と言葉で考える人について。著者は絵で考える人。様々な事例で、言葉で考える人が優位な世界になっていることを憂い、絵で考える人ももっと社会で活躍させた方が、未然に防げる事故も多いと言う。
例えば、IKEAの家具の組み立てマニュアルは全て絵で解説されている。私はこれをとても簡潔で分かりやすいと思っていたのだが、言葉で考える人には分かりにくいらしい。それ程に両者の考え方には違いがある。
だけど、世の中はこのIKEAの例とは逆のパターンが多いそうだ。
この本を読んでいると、どうも私の場合は絵で考える頭のようだ。ただ、言葉で考える〜絵で考えるのあいだは両極端に分かれるのではなく、グラデー -
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Posted by ブクログ
人間には言語思考者と視覚思考者がいる
両者は完全なる区別があるわけではなくスペクトラムな傾向を示す
また、視覚思考者は物体視覚と空間視覚に分けられ、前者は物理的な機械の組立てを得意とし、後者はプログラム構築などを得意とする
現代社会は教育プログラムなどが言語思考に偏っており視覚思考者を蔑ろにしている傾向が見られると本著は語る
結果として工業的な設計に携わるエンジニアの不足や質の低下を引き起こしているとのこと
視覚思考者を賛美する内容ではなく、思考方法の違いを社会が受け入れて適切に活躍できる場を設けて欲しいというのが主旨
確かにその通りでテスト勉強できる方より形而下で活動できる方は有用
印象に -
Posted by ブクログ
思考を視覚的なイメージで行う視覚思考者の現状について、当事者でもある著者がこれまでの体験や研究から描き上げた良書
言語思考者が優位なこの社会において、視覚思考者は少数派として見向きされず、さらに視覚思考者の多くはASDやADHDなどの知的障害に当てはまるため「まともに」生きることが難しくなっている
だが、最先端の発明や発見は彼らによって行われており、仕事の大きなミスを防ぐためにも彼らの存在は欠かせない
私たちの社会は、「定型発達」の人達だけでは成り立たず、様々な脳が複雑に相互作用している賜物であり、そういう意味で脳は真に多様性をもっていると言える -
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Posted by ブクログ
視覚思考者の脳のプロセスを詳しく解説してくれるものと思って読んだが、実際には成功者の自閉スペクトラム症の紹介や失敗例の列挙に終始しており、思っていたのとの相違があった。
世界中の成功者の自閉スペクトラム症の紹介や、失敗例をビジュアルシンカーならどう捉えるかという事例が多く含まれていた。これらの内容は、特性を理解する上での具体的なプロセスやメカニズムの解説には乏しかった。
また、成功者の一部が自閉スペクトラム症であることを強調する部分や、失敗例の改善点をビジュアルシンカーの視点から述べる部分が多く見られた。しかし、これらの内容は冷静に俯瞰できる状況であれば誰でも言えることであり、特にビジュア -
Posted by ブクログ
ネタバレうーん、明確なことは言えないんだけど、それぞれの思考者は次のような形なのかな。
・言語思考者:文字/論理で考えるのが得意
・物体視覚思考者:絵で考える…というより、写真や2次元での理解を好む
・空間視覚思考者:空間把握、パターン把握が得意。3次元的な考えを好む
自分は「言語思考者」なので他2つはよく分からないけど、筆者が「違いがすぐ分かる」なんて語ったのは、写真として見比べた時に(間違い探しを見つけるように)違和感を見つけられた、ということだろう。まぁ自分も細かく思い出す時は写真のように思い出すから分からなくもないが…。
思考を言葉にすることが難しいというのは理解できるが、もう少し言語化して -
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