テンプル・グランディンのレビュー一覧
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ネタバレ■感想
言語的な表現が苦手だけれど、彼らなりの考えがある(表情を読み取る限り)と感じる人達がいる。以前、友人の一人に言語的に考える人とイメージで考える人がいるといった話も聞き、彼はどうやらイメージで考える側の人間だと言っていた。
著書で紹介されているビジュアルシンカーこそが彼の言っていたことを指しているのではないかと思い、彼の見ている世界を知りたいと思い、読むに至った。
自分にとって当たり前にできることができない人を劣っていると捉えるのではなく、自分には見えていない世界を教えてもらうつもりで接したほうが、より面白く物事を捉え、楽しめるのではないかと思わされた。
■要点
・物事を言語的に思考する(言語思考)ことよりも、空間的捉えることが得意な人(空間視覚思考)と物体的に捉えることが得意な人(物体的視覚思考)がいる。
・言語思考者は編集者、政治家、ニュース解説者、著述家、弁護士、教師などに向いている。
・空間視覚思考者はパターンや抽象的な概念で考える人。エンジニアや機械設計者に多い。
・物体的視覚思考者は絵で捉える。視覚的な記憶に長けている。一度しか行ったことが無いところでも道順を覚えている。
・多くの人は言語的な思考とビジュアルシンカーの両方の側面を持つ。
・著者は自閉症スペクトラム障害で、物体的視覚思考のビジュアルシンカー。ある日、自分とは違う考え方を他人はしていると思い始めてからビジュアルシンカーについて研究をすることにした。脳を研究すると、言語的な部分よりも視覚的に捉える部分のほうが比較対象者と比べて発達していた。
・ビジュアルシンカーは言語的な分野で遅れを取るため、従来の教育について行けず、特別支援などの教育に送られるため、得意に気づき、その分野で活躍する(工学、エンジニア等)チャンスを失っているのではないか。
・ビジュアルシンカーと協力することで、事前に回避できた危機もあるのではないか。例:日本の原発は防水使用にするなど予め危機をイメージして、それに伴った設計にできたのではないか。 -
Posted by ブクログ
絵で考える人と言葉で考える人について。著者は絵で考える人。様々な事例で、言葉で考える人が優位な世界になっていることを憂い、絵で考える人ももっと社会で活躍させた方が、未然に防げる事故も多いと言う。
例えば、IKEAの家具の組み立てマニュアルは全て絵で解説されている。私はこれをとても簡潔で分かりやすいと思っていたのだが、言葉で考える人には分かりにくいらしい。それ程に両者の考え方には違いがある。
だけど、世の中はこのIKEAの例とは逆のパターンが多いそうだ。
この本を読んでいると、どうも私の場合は絵で考える頭のようだ。ただ、言葉で考える〜絵で考えるのあいだは両極端に分かれるのではなく、グラデーション(スペクトラム)だそうだ。私は「絵」寄り。言葉がわからないわけじゃない。
こう言う考え方の違いがあると知るだけでも、人を理解するのに役立つと思う。何であの人はあんな行動にでるのか、、など。
後半、事例の羅列がちょっとしんどかったけど、興味深い本でした。
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Posted by ブクログ
人間には言語思考者と視覚思考者がいる
両者は完全なる区別があるわけではなくスペクトラムな傾向を示す
また、視覚思考者は物体視覚と空間視覚に分けられ、前者は物理的な機械の組立てを得意とし、後者はプログラム構築などを得意とする
現代社会は教育プログラムなどが言語思考に偏っており視覚思考者を蔑ろにしている傾向が見られると本著は語る
結果として工業的な設計に携わるエンジニアの不足や質の低下を引き起こしているとのこと
視覚思考者を賛美する内容ではなく、思考方法の違いを社会が受け入れて適切に活躍できる場を設けて欲しいというのが主旨
確かにその通りでテスト勉強できる方より形而下で活動できる方は有用
印象に残った文
・遺伝子の構成が複雑なおかけで、人間はさまざまな環境に対応する能力を獲得した。その代償で、わずかな数の人が重度の障害を持つことになる。
・(サヴァン症の方について)右脳はブレーキがきかなくなって超高速で飛ばし、能力がとてつもないレベルに達する。こういう能力は、社会性の欠如や極端な孤独など大きな代償を払って生じることもある。言い方を変えると、並外れたスキルを持つ人は、脳の一部だけで生きている。 -
Posted by ブクログ
思考を視覚的なイメージで行う視覚思考者の現状について、当事者でもある著者がこれまでの体験や研究から描き上げた良書
言語思考者が優位なこの社会において、視覚思考者は少数派として見向きされず、さらに視覚思考者の多くはASDやADHDなどの知的障害に当てはまるため「まともに」生きることが難しくなっている
だが、最先端の発明や発見は彼らによって行われており、仕事の大きなミスを防ぐためにも彼らの存在は欠かせない
私たちの社会は、「定型発達」の人達だけでは成り立たず、様々な脳が複雑に相互作用している賜物であり、そういう意味で脳は真に多様性をもっていると言える