原著は2013年刊行だが、自閉症スペクトラムの人の脳画像を使って、発達している機能を探っていくという点で、今でも興味深い内容になっている。自閉症の入門書の1冊として、お勧めです。
印象に残ったのは、次の2つ。
1つは、自閉症スペクトラムは脳や遺伝子に関係があること。苦手な部分があれば、脳はそれをカ
...続きを読むバーするため代償的に他の機能を発展させる。テンプル氏の場合は、優れた画像処理能力で、動物にやさしい家畜施設を設計し、成功を収めている。
もう1つは、自閉症スペクトラムの人は①画像、②パターン、③言語・事実の思考のいずれかで情報処理する志向性があること。
自閉症の人が関心あるテーマを見つけて、①〜③の処理能力に適した教材や道具を使えば、他の人には真似できない凄い仕事ができるのだと分かった。
また、既存の義務教育は、大多数の処理能力に寄せて、文字(視覚情報)をメインに教科書やテスト問題が作られている。だから、自閉症の人には合理的配慮が必要なのは明らかだとも思う。