ウィル・ハントのレビュー一覧

  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    ピレネー山脈のテュク・ドドゥベール洞窟。ここは、ショーヴェ、ラスコー、アルタミラに並ぶ先史時代の洞窟芸術の宝庫。現在は未公開。ところが、著者ウィル・ハントは幸運にも、この洞窟の所有者、78歳のベグエン侯爵や研究者たちと一緒に入ることができた。この体験記が圧巻。洞窟芸術について簡と要を得た説明もすばらしい。
    別の章には、ミシェル・シフレも登場。1962年、23歳の彼(地質学専攻の大学院生だった)は、アルプス山脈のスカラッソン洞窟に入って2カ月間生活する。彼がそこで発見するのはヒトのバイオリズム、そして意識の変性状態も体験する。同じ頃、心理学者のドナルド・ヘッブらは、洞窟のような刺激のない環境に人

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    2025年05月09日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    コロナウィルス、災害、戦争、物価の高騰、不景気、コンプライアンスにハラスメント。地上の世界はカオスと面倒が渋滞している。

    そんな時だからこそ地下世界にフォーカスしたい。まずはリトル氏のように穴を掘り、そしてカタコンベのようなヒミツのカルチャーを作る。そこにREVSのような文面をキメて、後に密教を作るのも良いよね!なんて妄想が絶えないロマン溢れる一冊だった。

    人生に迷ったならばシャベルを持って穴を掘れ!

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    2024年04月03日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    地下世界やアンダーグラウンド、その言葉に魅了される人がいるのはなぜでしょうかー。

    ニューヨークの地下鉄から始まる冒険は、世界をまたぎ、宗教や哲学にまで広がっていきます。

    街の景観や、光のコントラストの美しさを味わうのもいいですが、不安になるような真っ暗闇の洞窟のリアリティを、この本で擬似体験してみるのも、たまにはよいのかもしれません。

    やっぱりノンフィクションっておもしろいですね。

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    2021年01月18日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    ラジオで紹介されていたため手に取る。
    地下世界が世界の中にこんなにあったなんて!
    本書を読むまで地下世界を想像したことすらなかった。
    一切の太陽の光が入らず、方向感覚もなくなり、代謝が遅くなり、視覚と聴覚が鈍くなり、、
    時間生物学の実験の中で2ヶ月間とかに潜り生活する実験の話が出ていた。その中で被験者の研修者は錯乱状況になる。「今になって理解した」「神話で地獄の場所が必ず地下に定められていた理由を」と記している。一定の境界を越えると、その先に必ず現れるのが幻覚。全ての感覚を遮断されると逆に感覚が鋭利になり覚醒したような状態になる。その後、意識が内側へ内側へ向いてくる状態となり、一種のトランス状

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    2024年11月03日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    パリのカタコンブさすがにおしゃん
    地下をたまり場にしてバンドだのDJだの蝋燭灯しながらのシャンパンパーリーだのサイコーすぎ
    洞窟で絵とか彫刻とか芸術活動するっちゅーのもサイコーに楽しそうだけど、最重要作品が葛飾北斎の神奈川沖浪裏っちゅーのは、シンプルに、なんで?ww
    そして映画館まで作っちゃうってカタフィル楽しそー

    ボリビア・アンデスの鉱山の街ポトシ
    鉱山に棲む霊的存在エル・ティオ くそこえぇ!
    は?てかまじで先住民とかその聖地にリスペクトがない部外者がしゃしゃってくんじゃねーよ
    モンドング、鉱業会社から鉱山を守ってー!

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    2024年09月08日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    9章で構成される地下の話。
    1章はニューヨークの地下を冒険する話。
    2章はパリ。
    3章は地下の微生物。
    4章は鉱夫と地下聖地。
    5章は穴掘りの衝動とカッパドキア。
    6章は地下における感覚喪失。
    7章は地下グラフティと古代遺物。
    8章は闇がもたらす精神への影響。
    9章は地下と宗教。

    徐々に展開される地下への考察は地下冒険から生物としての闇への畏怖へ及ぶ。
    訳者の力量も相まって読ませる本だった。

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    2021年09月23日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    各地の地下世界の話が面白い上に、本全体からすると異質な第6章「迷う」がとても良かった。迷うということはとかくネガティブに捉えられがちですが、人は迷うことで自分が進むべき道を発見したり、別の道を進むきっかけになる、という指摘は目から鱗です。読書中は枕元において寝る前に1章ずつ読み進めていったのですが、このスタイルも地下世界の闇に思いを馳せる意味で、とても良かった。

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    2021年08月05日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    本書を手にしたのは他でもない、冒頭の「挨拶―日本語版に寄せて」が秋庭俊への言及から始まっていたから。東京の地下に秘密の基幹施設網があったと信じた彼が著した『帝都東京・隠された地下網の秘密」を、発行された当時貪るように読んだことを思い出す。
    本書もそれと同類のノンフィクションかと思って手にしたのだけれど、「○曜スペシャル」的な匂いのする秋庭本とはまったく違う、若干の偏執が入り混じった、より深みのある思索の本だった。光が届かず、方向感覚を完全に失った、理性や論理を超えた世界。著者が指摘するところの「心の洞窟」に入る決心はワタシにはまだつかない。

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    2021年05月16日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    NYの地下鉄のトンネルを皮切りに、世界各地の地下へ潜り、地球と人の心の奥をのぞいた地下愛好家[カタフィル]の地下世界旅行記。


    地下愛好家(言うまでもなく大半が不法侵入である)としての体験談と歴史的な記述が混ざりあい、著者の皮膚感覚とかつて地下に潜った人びとのそれが一体化していくような語り口が魅力だ。パリのカタコンベの章が特に面白かった。カタコンベの地下室は北斎の神奈川沖浪裏の壁画や岩盤を削って作られた城とガーゴイル、スプレーアートのトーテムポールなどなどに彩られ、夜な夜なレイヴパーティーが開かれるという。写真を見ると退廃的な雰囲気がたまらない。
    都市の地下は野良アーティストたちの縄張りでも

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    2021年05月03日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    どの章も興味深いがグラフィティアーティストと古代の洞窟壁画が出てくる章は小説のような味わい

    著者が地下で迷子になる話や暗闇で幻覚を見る話どれも面白い

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    2020年12月01日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    「地下世界」をテーマにした異色のルポ。
    著者は、雑誌記者を経てノンフィクション作家となった。本書は初の著作である。

    少年の頃、洞窟を探検したことがある著者は、ある時、まさにその洞窟を撮った写真に惹きつけられる。
    写真を撮影したのは都市探検家グループの一員だった。著者は彼らに誘われ、ニューヨークの下水管を巡った。
    それを皮切りに、地下への旅が始まる。
    パリの地下納骨堂。アボリジニの聖地。カッパドキアの地下都市。ピレネー山脈の洞窟。マヤ人の雨乞いの地。
    それは下方へと向かうだけでなく、奥へと、そして闇へと向かう類まれな経験だった。

    地獄(Hell)の語源は、インド=ヨーロッパ祖語の「隠す」(k

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    2020年11月09日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    人々は遥か昔から、地下世界に畏怖を感じながらも抗えない魅力も感じている。そんなことが各エピソードの端々から感じられる。いいよね〜私も穴を掘り続ける人生とか過ごしたかった。
    本書の中身としては、人々の文化や儀式、人工物としての観点がほとんどで、自然物観察観点としてのアンダーグラウンドの描写はほとんどない。自然物としての地下世界が好きな私としてはちょっと違うかな、、という感も否めないが、こういう観点の人たちもいるんだなとか新鮮だったし、わかる!!と共感するところも節々にあった。
    写真のキャプションや解説が本文中になくて戸惑ったが、巻末にちょっとあった。

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    2023年06月24日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    ボリビアのポトシ鉱山、トルコのカッパドキアの記述がチラッと見えたので読んでみた。著者は洞窟や都市地下のマニアの方らしいけど、どんな方なのかわからないままだった。
    暗闇で方向感覚を失ったときの恐怖感には納得。

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    2022年12月17日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    筆者は地下世界に取り憑かれた地下探検家。
    ニューヨークの地下鉄や下水、パリの地下納骨堂(カタコンブ)、NASAの地下生命体探査チームが管理する地下1.5キロメートルの廃坑、カッパドキアの地下迷宮、そして旧石器時代の人々が残した絵や塑像が残る洞窟等々、探検の方向は近代都市から古代都市、そして一切の光から隔離された暗闇の洞窟へと広がっていく。
    五感の中で視覚に多くを依存している人間にとって、視覚が役に立たない地下世界は脅威であるとともに、シャーマニズムなどに見られるように神と接する神聖な場所として捉えられてきた。
    そんな様々な地下世界を実際に訪れ、そこに魅せられた人、その神聖な空間を守護する人々を

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    2022年02月20日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  地下へ~隠されたニューヨーク
    第2章  横断~パリの地下納骨堂
    第3章  地球深部の微生物~NASAの野望
    第4章  赤黄土を掘る鉱夫たち~アボリジニの聖域
    第5章  穴を掘る人々~もぐら男とカッパドキア
    第6章  迷う~方向感覚の喪失が生む力
    第7章  ピレネー山脈の野牛像~旧石器時代のルネサンス
    第8章  暗帯~「創世記」の闇と意識変容
    第9章  儀式~雨を求めて地下に下りたマヤ人

    <内容>
    作者の経歴は一切不明らしい。名前もペンネームの可能性が…。地下は何ゆえに人を惹きつけるのか?何があるかわからない。どこへ着くかわからない。闇の恐怖と精神状態(方向感覚を失い、魂ま

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    2021年03月08日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    地下とか迷宮とか闇とか謎とかって魅力的で惹かれるのだけれど、いざ地下に何日間とか聞くと、怖さが勝る。

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    2021年02月04日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    ネタバレ

    ちょっとまて、ただの迷惑YouTuberと同じやん!
    ↑2章までの感想。

    地下好きなライターが、地元から始まり世界の地下を訪れてヒーハーするという内容。(「当然見つかったら法律違反で捕まるが…」って言いながら探検してます。ほんと迷惑w)
    テーマ自体はすごく面白いし好きなんだけど、なんかすごい読みにくい…個人の好きすぎる感想と、文化的な背景や土地々の同志たちの情報なんかが混在しすぎてて。
    構成がうまくない??あと、写真が全然効果的じゃない???
    BBCとかでうまいこと番組にしたら面白いと思う、もったいない…

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    2020年12月05日
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史

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    地下世界や洞窟などというと、フィクションめいて聞こえそうだが、ここに書かれているのは、紛れもないノンフィクションで、著者が自らの半生をかけて潜った数々の地下世界は、とても興味深かった。

    日本で暮らしていると、なかなかお目にかかれないし、そもそもマンホールを開けて潜ってみようとは思わないが、さすが世界ともなると、歴史もあり、生活や宗教とも密接に関わっており、広さも壮大で、ニューヨークやパリの地下にも当たり前に存在している。

    洞窟探検と聞くと、すごく好奇心を刺激され、楽しそうな印象もあるが、実際は、自らの明かりのみが頼りの暗黒の世界である。また、地下何百メートルに一人でいることを感覚で理解した

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    2020年10月26日