山本尚のレビュー一覧
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タイトルには異論があるかも知れない。日本人の民族性を語り、それに対して「日本的」な思考様式に対する傾向と対策のような話だ。ただ、中身は思った程、力説する訳でもなく、やんわり日本人論に触れていく感じだ。例えば下記のように。
ー 人間は誰しも心の中に、自分の知らない素晴らしい自分が眠っている。それを人は「未見の我」と呼んでいる。世の中には自分の中に埋もれている素晴らしい「未見の我」に気付かずに埋もらせたままこの世を去っていく人が多い私はたくさんの人に会い、思いもかけない「未見の我」に気づいた。その人たちから教えてもらった人生の生き方のコツもこの本では書いてみた。しかもその素晴らしい人たちのほとん -
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本著の要諦は既存の知見を模倣、改善して新たな価値を想像する、
「持続的イノベーション」ではなく、
既存の常識を根底から覆す「破壊的イノベーション」が、
生まれない事に対して警笛を鳴らしている。
そして、その要因は「権威主義」に代表されるような、
「文系」特有の慣習やしがらみに起因しているというのが本著の要諦になる。
「問題は文系にある」というタイトルを見ると、
「文系の知」そのものを否定しているかのように見えるが決してそうではなく、
むしろ、技術的分野のみに影響が限定される「理系の知」と異なり、
社会全体の構造を覆す可能性のある「文系の知」に対する期待の裏返しと受け取りたい。
一応、「文系」の -
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ノーベル賞候補山本尚氏の著作。研究者として必要な心構えや自身の経験、トップ研究者たちがどのような人物であったか、そして日本の研究者がこれから破壊的イノベーションを起こしていくためには何が必要かが書かれている。
日本人は内向型かつフィーリング型で、このような民族性を持つのは世界約150 の民族の中でも珍しいらしい。一方で論理的思考は苦手。著者いわく、ノーベル賞受賞者は日本人以外でもフィーリング型の人がほとんどであり、科学技術の世界で成功することができるタイプとのこと。
しかし、現在の日本の大学では、研究者が書類の作成に忙殺されたり、重要な研究(純正研究、応用研究)に資金を集中投入できていない、若 -
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BSフジのプライムニュースに桜井よしこと一緒に著者が出演。その時にこの本のことも触れられ、興味を引かれ、読み始める。日本人は、内向型の民族で論理的でなく、フィーリングで判断するが、それが科学技術の世界では、ブレイクスルーに繋がるという内容。科学技術の世界に携わる人は、ひとつひとつ頷ける内容なのであろうが、残念ながら創造的活動に身を置いたことがない自分にとっては、そんなものかと思うばかり。自分の学生生活を振り返ると本書にある通り、知識の暗記と答えを早く正確に出す勉強ばかりで、何かを深く考えたり、知的好奇心に憑かれ、勉強した記憶は、殆どありません。この教育姿勢の海外との違いを直して行くことが、先ず
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Posted by ブクログ
「日本の問題は文系にある」というのは、本書の主張の一つではあるけれど、若干「看板に偽りあり」という印象です。
とはいえ、イノベーションが日本から消えた理由としては、「そうかも」と思う部分が多々ありました。
日本の官僚、とくに文科省の官僚がイケてないのが、日本の大学がイケてない原因、といったことが書かれている部分があるのですが、これについては、文科省や他の省庁の官僚と仕事をした自分の経験を思い出し、「そう!そう!」と何度も首肯しました。
ちなみに、「破壊的イノベーション」という言葉が何度も出てくるのですが、いわゆるシュンペーターのいうところの「破壊的イノベーション」ではなく、「破壊的イノベー -
Posted by ブクログ
著者の経験に基づく偏見を通して考察された良書。破壊的イノベーションの必要性、日本学術会議の不要論、灘高の授業の面白さ、米国と日本の教育の違い、修士課程への助成制度の必要性など、興味深い。日本の文系がノーベル賞を取っていないなどの誤りが無ければもっと良かったし、もっと尖って議論を深めても良かった。文系が何故問題なのか。文系の何が問題なのか。
結局の所、文系には別に罪は無い。世の成り立ちを原理原則、構成要素で解明し、利活用しようとするのが理系ならば、世の成り立ちを人の営みで解明し、利活用しようとするのが文系。世の法則を記号化して相対的に理解・活用するのが理系、言語活動を記号化するのが文系、とも言