佐藤次高のレビュー一覧
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ヨーロッパでも英雄として扱われるサラディンの真の姿に迫ることを目的とした本。伝説や後世の記述抜きで考察している。
サラディンの行動は実際のところ寛容と言えるのか、サラディン独自の性格によるものなのかということに迫っていて興味深かった。Posted by ブクログ -
少年ジャンプの主人公!?のようなサラディンの生涯をエピーソードを交えつつ、当時の社会情勢、文化など多角的な視点で解説した本。
十字軍はキリスト教徒vsイスラム教徒の対立だけでなく、十字軍とムスリムが手を組んで対抗勢力のムスリムと戦ったこと、サラディンがヴェネツィアなどのイタリア諸都市と協約を結んで鉄...続きを読むPosted by ブクログ -
続いて下巻。
まずは、エジプト、マムルーク朝下のカイロ。イスラムと商取引について、コンメンダ、貨幣と信用取引、カーリミー商人等々解説があるのだが、正直この辺りについて十分理解出来なかった。
続いてアジアの海上交易について。アラビア海、インド洋、南シナ海の3つの回路。
この辺り、ポルトガル来...続きを読むPosted by ブクログ -
13世紀の「世界経済」、ヨーロッパがウォーラーステインのいう「近代世界システム」を構築しようとしていた16世紀前に世界システムがあったと、著者は言う。そしてそこには8つのサブシステムがあり、それぞれ西ヨーロッパ、中東及び東方アジアの3つの回路に組分けできるとする。
以下、それぞれの地域ごとに、...続きを読むPosted by ブクログ -
イスラームの「英雄」と呼ばれるサラディン。エルサレムを奪回し、十字軍と戦った人物という程度の知識しか持っていなかったので、もう少し詳しくその生涯や治績等を知りたかったことから、読んでみたもの。
サラディンは1100年代の人であるが、アラビア語の伝記史料が何点もあり、後半生についてはかなり詳しく記...続きを読むPosted by ブクログ -
ヨーロッパが覇権に乗り出す13世紀までの(旧)世界のシステムについて。その時代はヨーロッパや中東といったサブシステムとそれらを繋ぐ3つの回廊によって構成されていた。
著者は中東に縁があるからか、比較的地中海の話と中東の話が手厚い印象。Posted by ブクログ