イスラームの「英雄」 サラディン――十字軍と戦った男

イスラームの「英雄」 サラディン――十字軍と戦った男

1,100円 (税込)

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4.3

マムルーク朝のバイバルスとともに、イスラーム史上の英雄と称されるアイユーブ朝のサラディン。アラブと十字軍の50年以上にわたる覇権争いに終止符を打ち、十字軍から聖地エルサレムを奪回した「イスラーム世界の英雄」として知られる彼は、同時代のアラビア語史料や伝説に「アラブ騎士道の達人」「慈悲深い高潔な人物」と謳われ、ヨーロッパでも智者、果敢な騎士、寛大な性格の人物と評されました。アラブ側は異教徒と勇敢に戦った英雄として、ヨーロッパ側はアラブ騎士道の体現者として、サラディンを描きつづけています。そのような伝説に彩られた人物の実像とはどのようなものだったのでしょうか。本書は、サラディンが、どのような政治・経済・社会状況にあって、どのように考え、どのように行動したかを明らかにします。さらに、伝説と事実を峻別したうえで、架空の伝説も人々の願望の表れとしてとりあげ、「人間としてのサラディン像」をあざやかに描き出す、「英雄」の実像に迫った本格的伝記です。
〔原本/1996年、講談社選書メチエ〕


【本書の内容】

プロローグ――サラディンの生きた時代

第一章 修行時代
1 誕生
2 カリフ権力の衰退と十字軍の侵攻
3 少年サラディン
4 ヌール・アッディーンとの出会い
5 エジプト遠征

第二章 エジプトの若きスルタン
1 アイユーブ朝の創設
2 バイナル・カスラインの戦い
3 サラディンの補佐役たち
4 イエメン征服の謎
5 シリアへの進出
6 新体制の確立

第三章 カイロからエルサレムへ
1 エジプト経済の繁栄
2 聖戦(ジハード)へ向けて
3 エルサレム奪回
4 アッカーをめぐる攻防
5 サラディンの死

エピローグ――サラディン以後

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イスラームの「英雄」 サラディン――十字軍と戦った男 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年03月27日

     ヨーロッパでも英雄として扱われるサラディンの真の姿に迫ることを目的とした本。伝説や後世の記述抜きで考察している。
     サラディンの行動は実際のところ寛容と言えるのか、サラディン独自の性格によるものなのかということに迫っていて興味深かった。

    0

    Posted by ブクログ 2023年03月20日

    少年ジャンプの主人公!?のようなサラディンの生涯をエピーソードを交えつつ、当時の社会情勢、文化など多角的な視点で解説した本。
    十字軍はキリスト教徒vsイスラム教徒の対立だけでなく、十字軍とムスリムが手を組んで対抗勢力のムスリムと戦ったこと、サラディンがヴェネツィアなどのイタリア諸都市と協約を結んで鉄...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年09月26日

     イスラームの「英雄」と呼ばれるサラディン。エルサレムを奪回し、十字軍と戦った人物という程度の知識しか持っていなかったので、もう少し詳しくその生涯や治績等を知りたかったことから、読んでみたもの。
     サラディンは1100年代の人であるが、アラビア語の伝記史料が何点もあり、後半生についてはかなり詳しく記...続きを読む

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