【感想・ネタバレ】イスラームの「英雄」 サラディン――十字軍と戦った男のレビュー

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Posted by ブクログ

 ヨーロッパでも英雄として扱われるサラディンの真の姿に迫ることを目的とした本。伝説や後世の記述抜きで考察している。
 サラディンの行動は実際のところ寛容と言えるのか、サラディン独自の性格によるものなのかということに迫っていて興味深かった。

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2023年03月27日

Posted by ブクログ

少年ジャンプの主人公!?のようなサラディンの生涯をエピーソードを交えつつ、当時の社会情勢、文化など多角的な視点で解説した本。
十字軍はキリスト教徒vsイスラム教徒の対立だけでなく、十字軍とムスリムが手を組んで対抗勢力のムスリムと戦ったこと、サラディンがヴェネツィアなどのイタリア諸都市と協約を結んで鉄や木材を調達していたなど、当時一筋縄ではいかない社会状況が戦争に密接に絡んでいることが分かる。

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2023年03月20日

Posted by ブクログ

 イスラームの「英雄」と呼ばれるサラディン。エルサレムを奪回し、十字軍と戦った人物という程度の知識しか持っていなかったので、もう少し詳しくその生涯や治績等を知りたかったことから、読んでみたもの。
 サラディンは1100年代の人であるが、アラビア語の伝記史料が何点もあり、後半生についてはかなり詳しく記録があるということに先ずは驚いた。そうした史料を元に著者はサラディンの行動を跡付けていく。
 メインは、サラディンが指導者、支配者へと駆け上がっていく過程や統治者として行ったこと、また、軍事面での動きが描かれるのだが、それらとともに、生地タクリート、子ども時代を過ごしたバールベック、少年時代から30代始めを父とともに過ごしたダマスクス、政権を取りアイユーブ朝を創設したエジプトの都カイロといった主要な町の様相が簡潔に描かれる。また、イクタ―制や軍団編成といった当時の政治経済、軍事等の状況が説明される。

 サラディンは、分裂していたイスラーム世界を統一した訳だが、エジプトとシリア地域の関係、ジハードというものの意義、十字軍国家との単純ではない関係など、いろいろと学ぶべきことが多かった。

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2023年09月26日

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