ニコラス・クリスタキスのレビュー一覧

  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(下)

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    人間の善い社会性は遺伝子に組み込まれている。

    他人が、社会が、その行動を通じて他人の遺伝子に影響を与えうること、同じくAIが行動を通して人間社会を変革する可能性は衝撃的でした。

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    2021年06月14日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(下)

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    上巻での多種多様な事物の積み重ねからの、人類の文明の堆積を思わせるスペクタルな下巻でした。

    人間にはこれまでの歴史が積み重ねた遺伝的な特性である 普遍的な社会性一式 ソーシャル・スイート がある。
    =自然選択によって形成され、人間の遺伝子にコードされているもの

    何故そのような特性が遺伝子のコードに刻まれたのかは、社会的な種として連綿たる歴史を紡いだ結果だ。

    これはただ事実であるだけではなく、私たちの幸せの源でもある。

    そしてそれは全人類のDNAの少なくとも99%は完全に同じであり、私たちが共有する人間性の深い源を特定することによって本当の正義を育むことに他ならない。

    弁社会論 で世界

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    2021年05月28日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上)

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    これはかなり興味深い本である。
    かつ、感想を書くのに慎重さが必要な本である。
    分断を乗り越える、という宣伝文句とは裏腹にそれが容易ではないことを示唆する本である。

    愛情や友情、ゆるやかな階級、協力といったいわゆる「社会性一式」は、所属する文化によって多様性があるのか、それとも相当程度普遍的なものなのか、が、本書の基本的な問いだてである。後者は要するにこれは遺伝か?ということでもある。

    たとえば集団の最小単位、夫婦はどう成立したのか。
    一夫多妻は一夫一婦よりも女性差別的なのか。
    遺伝学の知見ではこれは簡単な問いではない。どちらがより女性の選ぶ権利を保証しているかも一概には言えない。
    一般に農

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    2021年03月27日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上)

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    これはやばい本だ。

    読後のメモが止まらない!

    人間には、全人類共通の設計図すなわちブループリントはあるのか?
    という壮大な疑問の答えを探す旅。

    人間とは何か?それが分かれば、たしかに現代の悲劇の数々は食い止められるかもしれない。

    この旅は、途中で、「結論なんてどうでもいい」と思える程に、知的好奇心を満たす話題が満載。

    読んでるあいだ中、なるほど!面白い!がずっと続いてる感じ。

    あー面白かった。

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    2021年02月14日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(下)

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    全部を理解できたとは言い難いけど、人間とその他の生物の遺伝子や文化、社会性を獲得していく過程などに関する考察が面白かった。その裏付けとなる膨大な実験と観察の量に圧倒された。

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    2020年12月31日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(下)

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    「善き社会をつくりあげるためのブルー・プリント(青写真)を、私たちは自分たちの内に持っている」というのが本書の内容。ブルー・プリントは世界の人類が持っている一揃えの普遍的な文化ともいうことができ、それを「社会性一式(social suite)」と名付け、解説を加えてくれている。例えば、個人のアイデンティティを持つこと、社会的交流、教育など。これらは人間の進化の過程で遺伝子に書き込まれ、フィードバック・ループを繰り返している。
    本書を読み進めると、人間の本姓は善なのだと改めて認識をさせてくれる。過去の歴史を振り返り、人間の本姓は本当に善なのか?と問いかけることは簡単だ。けれども、本書は善なのであ

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    2020年12月13日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(下)

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    「ブループリント」下Nicholas Christakis

    人類や霊長類の社会的ネットワークの特徴として、同じ数の絆を持つ個体同士が繋がるという「次数の同類選択性」がある。

    ニューロン、遺伝子、コンピューターのネットワークでは、人気のある節点は多数の不人気な節点と繋がる傾向があり、これを「次数の異類選択性」という。

    多少のヒエラルキーがある方が公平な集団になりやすく、集団内の全メンバーが有益な活動において協力し、協調し、生き延びる機会が増える。

    安定したリーダーシップはリーダーと追従者の間だけでなく、追従者同士の平和的な関わり合いも促す。

    友情こそが幸福の主要な決定因であり、むしろ婚

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    2021年07月27日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上)

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    「ブループリント(上)」Nicholas Christakis

    人生の最後に願うことは共通しており、過ちを償うこと、愛する者の側にいること、耳を傾けてくれる人に自分の物語を語ること、痛みを感じずに死ぬこと

    自然選択は、愛し、友情を育み、協力し、学び、他者の独自性を認めるといった人間の能力をもたらす社会性一式(ソーシャルスイート)の進化を先導してきた。

    我々は自己の内部に人間にとっての自然な社会状態を反映した生まれながらの性向を持っている。それは先ず善なるもの。

    生後3ヶ月の赤ん坊にも公正性や互恵主義を感じ取る力がある。

    生後13ヶ月の赤ん坊は他人の精神状態を理解する。

    人間は積極的

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    2021年07月05日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(下)

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    著者のニコラス・クリスタキスは、医師で、イエール大学ヒューマンネイチャー・ラボ所長。専門はネットワーク科学、進化生物学、行動遺伝学、社会学、医学など多岐にわたる。2009年には『タイム』誌の世界で最も影響力のある100人に選出されている。

    世界が分断される中では、どうしても人間の負の側面が強調されてしまう。しかし、そもそも人間は隣人を愛するようにできており、善き社会をつくるための特性を備えていると著者は言う。これらは遺伝子にコード化されているのだ。暗い世の中にあって、希望の光は私たち自身の中にあったようだ。これらの主張をさまざまなファクトで解き明かしている。

    <概要>
    米国をはじめとして世

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    2021年05月23日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(下)

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    人間の持つ「社会性」(友情、利他の心、グループに階級ができる傾向など)は、「本能なのか、それとも、社会での学習の結果なのか?」。
    違う言い方では「生まれか育ちか?」。
    要するに結局遺伝か?

    上巻での夫婦間の愛情(社会性の最小単位)の分析に続き、下巻では友情や利他の感情を俎上にのせる。

    集団が生き抜く上で、身内を守り合う利他の心は人間以外の動物でも発達している。
    中でも人類は、相手がどういう存在で、敵が味方かを判別するために表情や顔の違いを著しく進化させた。
    火を使う調理を手に入れ、摂取カロリーが爆発的に増加した中で、頭脳が活発化。知恵の共有は不可欠になっていく。
    こうした経験は、遺伝子の突

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    2021年05月16日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(下)

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    人間は社会性一式(ソーシャルスイート)という原則にもどついて社会を形成すればより善い社会を未来に向かって実現することができるという仮説に基づき、下巻では遺伝子と他動物との近似性に基づく人間の社会性の根拠について紹介。

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    2021年04月20日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上)

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    著者のニコラス・クリスタキスは、医師で、イエール大学ヒューマンネイチャー・ラボ所長。専門はネットワーク科学、進化生物学、行動遺伝学、社会学、医学など多岐にわたる。2009年には『タイム』誌の世界で最も影響力のある100人に選出されている。

    世界が分断される中では、どうしても人間の負の側面が強調されてしまう。しかし、そもそも人間は隣人を愛するようにできており、善き社会をつくるための特性を備えていると著者は言う。これらは遺伝子にコード化されているのだ。暗い世の中にあって、希望の光は私たち自身の中にあったようだ。これらの主張をさまざまなファクトで解き明かしている。

    <概要>
    米国をはじめとして世

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    2021年04月18日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上)

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    人間の社会がどこからきて、どこに向かうのか。それを進化学的視点から解き明かすことを試みた著作。
    人間は共通の「ソーシャル・ステイト」を持っている。これはより善き社会を作り上げていくための青写真になる。
    多少抽象的表現が目立つが、多くの実例とファクトに基づいており、説得力に富む。良書。
    「社会間の相違に目を向け、分断を煽るのは簡単だが、そうではなく類似点にこそ着目すべきだ。」

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    2021年04月18日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上)

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    人間は社会性一式(ソーシャルスイート)という原則にもどついて社会を形成すればより善い社会を未来に向かって実現することができるという仮説に基づき、上巻ではコミュニティや結婚制度に関する科学的分析を紹介。

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    2021年04月14日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上)

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    ネタバレ

    ハラリ、ジャレド・ダイアモンドとは違う視点で人類史を語っており、読んでて楽しかった。
    人類のコミュニティの形成には様々なタイプがあるなかで、安定したタイプは数種類になるのは興味深かった。

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    2021年04月06日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(下)

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    人類が進化の過程で、より良い社会を作るための「青写真」を描く遺伝子を受け継いできたことを、自然科学・社会科学両面からのアプローチによって明らかにした一冊。

    著者は、過去に形成された様々なタイプのコミュニティを検証し、それらの成否を分けたポイントが、著者の定義する「社会性一式」、つまり個人のアイディンティティ認識や家族への愛情、他人との交友や協力、社会的な指導と学習といった、社会の構成・維持に不可欠な8つの特性にあったと分析するとともに、一部の動物もこれらのいくつかを保持することをふまえ、人類を特別視せず生物の種の一つと考えれば、同じ種である人間同士で殊更「違い」を強調するよりも、普遍的遺産と

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    2020年10月04日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上)

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    人類が進化の過程で、より良い社会を作るための「青写真」を描く遺伝子を受け継いできたことを、自然科学・社会科学両面からのアプローチによって明らかにした一冊。

    著者は、過去に形成された様々なタイプのコミュニティを検証し、それらの成否を分けたポイントが、著者の定義する「社会性一式」、つまり個人のアイディンティティ認識や家族への愛情、他人との交友や協力、社会的な指導と学習といった、社会の構成・維持に不可欠な8つの特性にあったと分析するとともに、一部の動物もこれらのいくつかを保持することをふまえ、人類を特別視せず生物の種の一つと考えれば、同じ種である人間同士で殊更「違い」を強調するよりも、普遍的遺産と

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    2020年10月04日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(下)

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    特に社会科学においては、変化しているのが世界なのか、それとも世界に対する私たちの理解なのかを判断する必要がある

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    2022年04月27日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上)

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    子供でも内集団バイアスがある。
    同じTシャツの色の子供に好意を示す
    極めて若年であっても、人間は積極的な姿勢で交流するようにあらかじめ配線されているように思える。
    他人の意をくむとともに、公正であろうと心を砕く傾向がある。

    社会性一式
    友情の絆の維持、ゆるやかな階級性の存在、個人のアイデンティティ意識の尊重

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    2022年04月09日
  • ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上)

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    人間に共通するもの
    ブループリントとソーシャル・スイート

    意図しないでできてしまったコミニュティとして
    難破事故の生存者コミニュティを挙げています。

    また意図されたコミニュティとして
    各々にとってのユートピア建設を挙げています。

    そして現代的なコミニュティとして
    オンライン上のコミニュティを挙げています。

    上記の異なる経路でつくられたコミニュティに置いて、上手くいったコミニュティには、ブループリントとソーシャル・スイートが機能したようです。

    それぞれのコミニュティの成否の根底にはゲマインシャフト すなわち 個人的な交流から生じる集団的一体感や連帯意識が必要であり、対人関係に置いて愛が

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    2021年05月25日