中村一般のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
少しずつ、自分が何が好きだったのかがわからなくなっていった。それでいい、と思った。こうして元の自分が消えてしまえば、きっともう少し息がしやすくなる。
それでも、中学に入り、卒業する頃になっても、空気は薄いままだった。(p.29)
人を見下して心をなだめる自らを蔑む気持ちと、その心理を知っているという自負、そうした自意識がキャベツやレタスの層になって、心を襞だらけにしていた。(p.31)
…理解不能なものをこうして「そういうものだ」と押しつけられると、こっちが、明文化されていないものに関しては何が本当で嘘なのかを見抜くのが不特手なことに付け入れられている気がして、不快で、不安だった。そしてなぜ、 -
Posted by ブクログ
ネタバレとある個性派ネット書店を冷やかしていると、こんなタイトルの書籍を大々的に紹介していた。
『ぼくのちっぽけな人生を誰にも渡さないんんだ』
心惹かれるタイトルだなと思い、すぐさまネット中古本屋に直行(←その店で買えや!)検索したら、本書『ゆうれい犬と街散歩』がヒット。ポチリとした。
数日後、届いた本書を見てびっくり。
イラスト付きのサイン本でした。
たまにこういう「当たり」があるのでネット古本屋で買うのはやめられない。
さて
肝心の中身なんですが。
すごく良かったです。
このマンガは主人公の「私」が、ゆうれい犬を伴い、東京の街を散歩する、というスタイル。
ゆうれい犬とはなんぞや?と云うと、いつもひ -
Posted by ブクログ
“変人”や“奇人”に分類される大人は、大抵の場合”普通の人”のフリをして世間をうまく渡る術を会得しているが、子どもは”普通の人”になるために”普通”を勉強している最中である。そんな”変人”である大人と子供が対等に向き合う話。
二木も広一も、実生活で周りにいない特殊なタイプだから、一挙手一投足に意識を奪われた。
彼らの次の発言や行動を早く見たくてページを捲る手が止まらなかった。
異論の余地が無いほど、比喩が的確。
ほんとうにおもしろかった!
余談やけど、「自分の飛躍した発言に周りが面食らった反応をするが、自分の中では筋道がきちんとある。」という部分を読んで、共感した。
バイトで、”周りの人 -
Posted by ブクログ
最初主人公はしょうもないなと思っていたけど読むにつれて好きになっていくな。本が好き故の語彙力の多さと面白い話の意図を捉えられないことくらいでいろんなこと分析してだいぶ頭が回る方だと思った。
一気読みしてしまうくらい楽しめたのは人の秘密をどんどん知っていく面白さで悪趣味だなと思ったけどどんどん多様性についての話になっていく。
最悪な関係から良い関係になっていく様が良かった。先生も主人公のやりとりはどれも楽しく読める。
好きなワード「君の血管には尿でも流れてるの?」なかなかこんなユニークな返しできない!
設定からして面白い。作者の一冊目なんてすごい。次の作品も読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ田井中がやばいくらい空気読めなくて
共感性羞恥ギャンギャンだった。
なんでそーなるんだよー
なんでそー思うんだよ〜
ちーがーうーだーろー!!
お母さんも苦労してる。
病院にまで行っていっその事病名が欲しいと。
その位ボーダーなんじゃないか。
二木も結構自制出来てるようで
やっぱりギリギリだと思う。
漫画描いてる描写は無かったけど
その描いてる時の顔はやばくなってると思う。
そうして捌け口にしてるんだろうけど。
逆に学校という絶対的な監視下の元に
自分を置いておいた方がいいんじゃ無いかと
思うラストだった。
田井中のイジメも止んではいないけど
なんか田井中なら飄々と乗り切れそう。
何もかも解決し