中村一般のレビュー一覧

  • ゆうれい犬と街散歩

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    中村一般の散歩もののイラスト漫画。イラスト漫画という呼び名があるのかは知らないが、ボールペンで描かれたというその絵柄はまさにそんな感じ。中村一般さんは恐らく女性であり、柔らかい感覚が出ている。街の風景を手描きした雰囲気がpanpanyaあたりと通ずるかもしれない。あとがきにもあるが、「ひとりでも楽しく生きていくためにはどうすればいいか考える作品にしたい」という孤独感を抱える青年女性の空気感を感じる。特に鮫洲散歩の回は街の風景描写がそういう心情を色濃く表しているように思えた。そこで散歩の相棒となる「ゆうれい犬」が、孤独を和らげる大切な存在となっている。それはもう一人の自分であり実質的にはモノロー

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    2023年02月19日
  • ニキ

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     面白かった。思っていたのとは違う内容と結末だったが、純粋に面白かった。ただ、ニキはそんなにヤバくない。

     帯から想像するのは、広一とニキとのやり取りがもっとドロドロとしたものだったが、思っていたよりずっと青春小説の色が濃い仕上がりだ。

     広一は周りに馴染めないちょっと変わった高校生。そんな広一が唯一分かり合えると思って近づいたのが教師のニキ。ニキの秘密を知る広一はニキを脅しつつも、ニキの提案で小説を描き始める。

     お互いに秘密を知る2人は、窮地に追い込まれるが、その時2人のとった行動は・・・。

     自分が思い描いていた内容とかけ離れたものだったが、むしろこの結末は素晴らしい。そしてこれ

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    2023年01月01日
  • ニキ

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    ネタバレ

    こっとんさんの本棚で見つけました
    2019年ポプラ社小説新人賞受賞作
    20歳の受賞!
    デビュー作とは思えませんね。
    巧み過ぎて。
    読者をぐいぐい引き込んでいく力量には感嘆です。
    ただ婆さんにはハードルが高かったです。
    (だったら年相応のものを読めばいいのですが うふふ)
    若者の中から生み出された葛藤に竦んでしまいました。
    まだまだすごいものを書いていかれることでしょう。
    楽しみです。

    ≪ 絶壁の 生徒と教師の 闇の色 ≫

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    2022年11月22日
  • ニキ

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    文庫版の二木先生と中身は一緒ということで。
    あちらのほうがカバーがセンセーショナルなので興味を引きますね。

    思ってた話とちょっと違って、あーなー最近こういうテーマ増えてきたけど、こういう角度でくるのか。
    個人の嗜好や思想は自由、だが他人を巻き込むな迷惑かけるな、隠し通して墓まで持っていけ、ではあるんだがな~~。
    そこを正義感や多数派や普通であることが踏みにじって暴いて晒していくのはね…。
    悪意と善意がほんと表裏一体であり、怖い話ですよ。
    結末がまた様式美とかなんとなくいい着地点とかでないのがなんとも。

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    2022年11月20日
  • ニキ

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    先が気になって、どんどん読み進め、一気に読み終わってしまった。
    というくらい、おもしろい話だった。

    が、ミステリーだと思って読んでいたが、ヒューマンだった。という、勝手な私の思い込みによる拍子抜け感があり、最後は物足りなさがあった。

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    2022年09月15日
  • ニキ

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    買って、1年積読していた本でした。
    誰かが高評価していたことと、帯に惹かれて買ったのですが正直とても良かったです
    後半になるにつれて読んでいる自分の呼吸が早くなりページをめくる手が止まりませんでした。
    2時間半程で一気読みしました。
    予想外の展開と濃くて狭い人間関係に胸が苦しくなる場面も多々ありましたが一読の価値はあります。

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    2022年02月10日
  • ニキ

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    これどうなるの、どうするの、でぐいぐい引き込まれてあっという間に完読。

    絶対に次の作品も読みたいなと強く思った
    面白かった

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    2021年09月20日
  • ニキ

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    こんなにクソな主人公ははじめてだ(笑)
    主人公の高校生の田井中はどっかズレてる。本人も自覚してるけど、ズレてるし卑怯だ。そりゃ、イジメられる。一方の二木先生はロリコンだが、それをうまく隠している。そんな二人が邂逅したお話。

    とにかく主人公の性格が悪い。やんちゃとかでなく人間として悪い。なのでまったく共感とかできない。
    二木先生はいいキャラクターだと思うので、二木先生視点で生徒や同僚の悩みを解決するような連作にしてもよさそう。

    本作はポプラ社小説新人賞の「Bとの邂逅」を改題して、「ニキ」として出版したもの。その後、文庫化にあたり「二木先生」としてさらに改題。装画を大きく変更したことでヒットし

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    2025年08月28日
  • ニキ

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    普通の人と違う部分がある、だなんて、その手の悩みを持ったことがない人間には、のっけから共感しにくい話だろう。

    もちろん、誰にでも、私にも普通の人とは違う部分があるけど、ここまでの生きづらさは感じたことがない。もし、自分がそうだったらこんな悩みをいただいたのか、と読んでいて苦しかった。物語にはぐいぐい引き込まれたけど、後味はすっきりしない。主人公と二木先生を攻撃する吉田が「世間」だとしたら、こんなにも胸くそ悪いことをしているのかとぞっとするが。考えさせられる作品ではあった。

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    2025年07月06日
  • ニキ

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    ネタバレ

    前評判がいいだけに、想像以上の展開を期待してしまった。ただ、すごく共感できることが多かった。

    一般的な感覚とは違う感性をもっているからこそ、生きづらさを感じる。もちろん感性だけじゃなくて、価値観や考えとかいろんなものがあるけど、世間とずれていると居心地が悪い。特に日本はそれが顕著な気がする。

    親に病院に行かされ、障害ではないと診断された、いわゆるグレーゾーンな子ども。母親の心情吐露のシーンが苦しくもあり、親としての責任も感じた。

    誰かに合わせるか。個として生きるか。それだけではなく、もっと柔軟な生き方もできる。二木先生自身が、それに思い悩み、苦しんだからこそ、田井中の心情が分かるんだろう

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    2024年10月26日
  • ニキ

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    人とは違うという想い、多かれ少なかれ多分に誰にでもあるのではないかと思う。その想いの重さとか、自分でそれに気付いているのかとか。それを自分で抱え込む人、完全スルーの人、人と共有できる人、色々なんだろうけど、ただそのはけ口がどこに向くのか向かうのか。家庭環境というのも少なからず影響していると思うし、難しい話なんだと思う。少しずれると犯罪と言う方向に走らないとも限らないし。本の趣旨とは違うかもだけど、マイノリティで悩んでいる人へ向けてのメッセージ性のある物語なのかなぁと思ったり。

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    2024年08月06日
  • ニキ

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    『二木先生』と改題し、文庫化された今作。細心の注意を行き届かせながら、かなりディープなところまで二人の主要登場人物の設定が施されている。だからこそ、時に反感を抱き、時に共感しながら、二人の言動に最後まで揺さぶられてしまうのでしょう。二人とも、どうか健やかに。

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    2024年07月21日
  • ニキ

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    ネタバレ

    んな高校生いねーだろ、と思いながら読んだけど、読書体験としては良かった。
    意外とこういうのが忘れられない一冊になる。
    周りの人と違うこととどうやって凌いでいくのか?
    平々凡々な自分には想像もつかない。
    外見や所謂個性を強く意識すると、自分とは何かを考えてしまって益々隘路にはまり込むのか。
    特に性癖や性向へのレッテルに怯える日々はストレスになるのだろうな。

    作品紹介・あらすじ
    高校生・田井中広一は黙っていても、口を開いても、つねに人から馬鹿にされ、世界から浮き上がってしまう。そんな広一が「この人なら」と唯一、人間的な関心を寄せたのが美術教師の二木良平だった。穏やかな人気教師で通っていたが、それ

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    2023年08月03日