中村一般のレビュー一覧
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中村一般の散歩もののイラスト漫画。イラスト漫画という呼び名があるのかは知らないが、ボールペンで描かれたというその絵柄はまさにそんな感じ。中村一般さんは恐らく女性であり、柔らかい感覚が出ている。街の風景を手描きした雰囲気がpanpanyaあたりと通ずるかもしれない。あとがきにもあるが、「ひとりでも楽しく生きていくためにはどうすればいいか考える作品にしたい」という孤独感を抱える青年女性の空気感を感じる。特に鮫洲散歩の回は街の風景描写がそういう心情を色濃く表しているように思えた。そこで散歩の相棒となる「ゆうれい犬」が、孤独を和らげる大切な存在となっている。それはもう一人の自分であり実質的にはモノロー
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Posted by ブクログ
面白かった。思っていたのとは違う内容と結末だったが、純粋に面白かった。ただ、ニキはそんなにヤバくない。
帯から想像するのは、広一とニキとのやり取りがもっとドロドロとしたものだったが、思っていたよりずっと青春小説の色が濃い仕上がりだ。
広一は周りに馴染めないちょっと変わった高校生。そんな広一が唯一分かり合えると思って近づいたのが教師のニキ。ニキの秘密を知る広一はニキを脅しつつも、ニキの提案で小説を描き始める。
お互いに秘密を知る2人は、窮地に追い込まれるが、その時2人のとった行動は・・・。
自分が思い描いていた内容とかけ離れたものだったが、むしろこの結末は素晴らしい。そしてこれ -
Posted by ブクログ
こんなにクソな主人公ははじめてだ(笑)
主人公の高校生の田井中はどっかズレてる。本人も自覚してるけど、ズレてるし卑怯だ。そりゃ、イジメられる。一方の二木先生はロリコンだが、それをうまく隠している。そんな二人が邂逅したお話。
とにかく主人公の性格が悪い。やんちゃとかでなく人間として悪い。なのでまったく共感とかできない。
二木先生はいいキャラクターだと思うので、二木先生視点で生徒や同僚の悩みを解決するような連作にしてもよさそう。
本作はポプラ社小説新人賞の「Bとの邂逅」を改題して、「ニキ」として出版したもの。その後、文庫化にあたり「二木先生」としてさらに改題。装画を大きく変更したことでヒットし -
Posted by ブクログ
ネタバレ前評判がいいだけに、想像以上の展開を期待してしまった。ただ、すごく共感できることが多かった。
一般的な感覚とは違う感性をもっているからこそ、生きづらさを感じる。もちろん感性だけじゃなくて、価値観や考えとかいろんなものがあるけど、世間とずれていると居心地が悪い。特に日本はそれが顕著な気がする。
親に病院に行かされ、障害ではないと診断された、いわゆるグレーゾーンな子ども。母親の心情吐露のシーンが苦しくもあり、親としての責任も感じた。
誰かに合わせるか。個として生きるか。それだけではなく、もっと柔軟な生き方もできる。二木先生自身が、それに思い悩み、苦しんだからこそ、田井中の心情が分かるんだろう -
Posted by ブクログ
ネタバレんな高校生いねーだろ、と思いながら読んだけど、読書体験としては良かった。
意外とこういうのが忘れられない一冊になる。
周りの人と違うこととどうやって凌いでいくのか?
平々凡々な自分には想像もつかない。
外見や所謂個性を強く意識すると、自分とは何かを考えてしまって益々隘路にはまり込むのか。
特に性癖や性向へのレッテルに怯える日々はストレスになるのだろうな。
作品紹介・あらすじ
高校生・田井中広一は黙っていても、口を開いても、つねに人から馬鹿にされ、世界から浮き上がってしまう。そんな広一が「この人なら」と唯一、人間的な関心を寄せたのが美術教師の二木良平だった。穏やかな人気教師で通っていたが、それ