松元雅和のレビュー一覧

  • 政治哲学講義 悪さ加減をどう選ぶか

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    政治哲学とはそもそもなんであるか、という点ではわかりやすいのはサンデルが取り上げたトロッコ問題などになるだろうが、具体的に突き詰めていくと我々の行動全般に及ぶものとも言える。種々の小説などを導入要素に、政治哲学の本筋を追う議論は、新書として程よい噛み応えがある。再読。

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    2025年10月18日
  • 政治哲学講義 悪さ加減をどう選ぶか

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    マイケル・・サンデルさんの本を読んで
    数珠繋ぎ的に読んだ本
    こういうものをを政治哲学というのか知った

    学校で教わったトロッコ問題の章は非常に面白かった
    運転手・傍観者の転轍機の操作・歩道橋から人を突き落とす
    この3者の選択はどのように悪なのか
    どの道誰かが⭕️亡するには変わりないのではあるが
    功利主義やら正義論やら優先テーゼなど
    色々絡み合ってる感じがよかった

    小説ようにサクサクは進まないが
    興味深い本

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    2025年10月10日
  • 政治哲学講義 悪さ加減をどう選ぶか

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    丁寧に議論を追っていて、まさに「講義」と言った感じ。政治とはつねにジレンマの間にあり、さまざまなしがらみから決定するもの、というふうに理解した。その決定方法についての議論が政治哲学なんだな。「しがらみのない政治」なんてものはいかなる場合でもあり得ないのだ、と改めて考えた。マシな政治を各々がじっくり考えるのによい新書。

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    2025年07月16日
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和

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    ○平和主義=非暴力手段による平和を達成しようとすること
    ・無条件平和主義:100%非暴力
    ・条件付平和主義:原則非暴力、例外あり
    ・絶対平和主義:ずっと非暴力
    ・平和優先主義:例外あり

    ・義務論
    ・帰結主義

    ○非平和主義
    ・正戦論
    ・現実主義
    ・人道介入主義

    とにかくわかりやすかった。

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    2020年11月03日
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和

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    現在の国際情勢と平和主義(及び非平和主義)に関する現状を詳述し、民主的に非暴力か暴力かを選択する情報を提供したいという筆者の姿勢には完全に賛同するし、その意図はよく伝わってくる。

    が、たぶん筆者が考えている以上に、この内容は難しい。参政権は18歳に引き下げられたが、これを読める高3生はほとんどいないだろうし、当然大学生にとっても状況はそう大きく変わらない。

    本書の目的への共感と、丁寧な仕事への感服が大きいだけに、もっと優しい言葉で、もっと万人に向けたものを、と望まずにはいられない。

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    2017年03月25日
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和

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     憲法改正問題がクローズアップされている中、長年の矛盾とされてきた、憲法9条と平和主義の問題。特に「平和のために戦うべきである」という問題をどのように考えるかによって、軍事力との関わり方・立ち位置が定まってくる。本書ではただ「平和主義」の字面だけで片付けることをせず、敢えて「平和主義」の内実を政治哲学的視点で分析し、よく言われる、ただ単なる「平和か武装か」の二元論にすぐに陥ることなく、「平和主義」のバリエーションを細かく且つクリアに提示する。その中で著者が「目指すべき平和主義」も提示されてはいるが、それは「平和主義」をめぐる議論のたたき台として留めておくこともできよう。考えるべきなのは、むしろ

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    2014年03月30日
  • 政治哲学講義 悪さ加減をどう選ぶか

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    政治哲学講義と題されると大雑把な印象はある。副題の「悪さ加減をどう選ぶか」のほうが、この新書の本質が言い表されている。

    内容としては、一般的にも浸透しているトロリー問題やジレンマ、功利主義とそれへの批判的展開、偏向と不偏、消極的義務と積極的義務、選択と責任…といったところが書かれている。

    ざっくりとした紹介でわかるとおり、二択(二項対立)が幾度となく現れる。選択肢それぞれの具体例も挙げられるし、わかりやすい。あまりに二択を採用しすぎて削ぎ落とされてる視点も多いのだろうが、それは巻末のブックガイドで補填するのがいいのだろうと思う。

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    2025年08月30日
  • 政治哲学講義 悪さ加減をどう選ぶか

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    政治哲学講義

    政治哲学では
    「正しさよりもマシな悪を選ぶ」と言う場面に遭う方が多い。そしてその中には、手を汚さなければならず、それゆえに苦しまなければいけないような決断に迫られる場面もある。

    それでは、私たちは何を基準にしてそのような決断をするのか。この本ではそれについて検討していく。

    個人的にはトロッコ問題の問題が印象に残っている。消極的義務と積極的義務、優先テーゼと変更テーゼ、これらの基準を見ると、サンデルが挙げたトロッコ問題のジレンマが深く理解できたように思われる。

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    2025年07月24日
  • 政治哲学講義 悪さ加減をどう選ぶか

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    結果がわかるわけではない、判断の前提となる情報の正確性も確固たるものではない状況で、更に善悪の比較を行うというのは至難の技である。命の比較を行わなければならない状況にならないよう努力することがまず必要となるだろう。

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    2025年06月09日
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和

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    ネタバレ

    平和主義、正戦論、現実主義、の3つに加えて、人道介入主義が台頭。

    平和主義に対しては、「愛する人が襲われても黙っているのか」という批判がある。これは一種のレトリック。公的問題と私的問題を一緒にしない。私情に訴えている。あり得ない条件を付けているだけで、こういう例を引き合いに出すのは「難事件は悪法をつくる」の例になる。

    ガンジーの非暴力不服従主義が平和主義の一例。公的平和主義。公的な暴力行使を許さない。キング牧師にも影響を与えた。
    多くの平和主義者は、例外がある条件付き平和主義。

    平和主義の2類型=絶対平和主義=個人的信条としての平和主義、と平和優先主義=政治的選択としての平和主義。戦争は

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    2021年12月20日
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和

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    「 平和主義とは何か 」 平和主義のあり方を考察した本。本書の立場は 自衛戦争を容認した 平和優先主義。

    「愛する人が襲われても(平和主義を貫くのか」「なぜ殺人は禁止なのか」「正しい戦争はあるか」「平和主義は非現実的か」などの考え方を提示。法律家、政治家、メディアから 提示されたことがない主張で 大変 勉強になった。

    平和主義とは=あるべき姿
    *目的より手段により定義すべき=非暴力手段により平和という目的を達成しようとする主義
    *絶対平和主義だけでなく、平和優先主義も平和主義

    愛する人が襲われたら(平和主義者への)批判に答える
    *戦争否定と 家族を守ることの否定は トリック
    *平和主義に

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    2018年10月17日
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和

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    安倍晋三が言う「積極的平和主義」の概念がよく分からない。
    これまで「積極的平和主義」と言うのは戦争や紛争がなく、
    貧困や差別が存在しない社会を作ることだと思っていたのだ
    けれどね。

    どうも安倍晋三が口にする「積極的平和主義」は私が思っていた
    概念と相当のかい離があるらしい。てか、よく分からないんだな。
    安倍の言う「積極的平和主義」が。

    教えて~。エライ人。

    という訳で、「積極的平和主義」は脇に置いておいて「平和主義」
    について考えてみた。

    本書では平和主義を「絶対平和主義」と「平和優先主義」に2分類
    している。これは非暴力の平和主義と条件付き平和主義ってこと

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    2017年08月21日
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和

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    平和主義・・・
    暴力ではなく非暴力によって問題解決をはかろうとする姿勢のこと・・・
    暴力に対して暴力で応答しない・・・
    他国から侵略を受けても武力に武力で応戦しない!あくまでも外交努力や非軍事的措置で解決するんだ!
    うむ・・・

    これに対して・・・
    他国から攻め込まれたらどうするんだ!?
    応戦しないんか!?好き勝手されても何もしないで降参するんか?!攻め込まれたらやり返すだろ!
    と平和主義をお花畑ヤロー扱いして批判する人々・・・
    暴力に対して暴力で問題解決することを辞さない、こういう考えの人々を非平和主義というんだそうな・・・
    本書では、正戦論、現実主義、人道介入主義が対象とされている・・・

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    2016年10月11日
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和

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    トルストイの『戦争と平和』を読んでいる最中に目に入ったので、手に取る。
    とても現実的な視線で書かれた「平和主義」の入門書だと思う。平和主義のパターンを類型化した上で、対象的な立場や、批判的な立場からの反論も検証していく。

    タイトルに「政治哲学」とあるように、検証の仕方は論理に論理を重ねていく思考実験的で、私などそれに慣れない人間には読んでいるとちょっと頭が疲れてくるかもしれないが、豊富な引用や例があり文章はわかりやすい。
    ただ絶対的に平和を唱えるのではなく、それぞれの利点や主張をバランスよく取り入れ、時は現実を考慮し妥協もしながら、著者はなぜ「それでも」平和主義が現在においても魅力的な主張で

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    2014年02月06日
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和

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    政治哲学の見地から見た平和主義の解説。

    手法としてはまず平和主義にどのような分類があるか整理したうえで、様々な非平和主義の主張と「対話」するスタイルを取っている。

    その結果として
    (1)戦争と平和に関する主義・立場について政治哲学的見地から広く理解できる。
    (2)非平和主義の主張を紹介し、相対化することで、平和主義の立場をより浮き彫りにすることに成功している。
    (3)平和主義の立場に立ちながらも非平和主義の主張を頭ごなしに却下しておらず、読者に考える余地を提供している。

    何せ歴史的に議論の積み重ねが非常に多い分野であるから、本書一冊で網羅することは当然かなわないことだが、この分野について

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    2014年02月19日
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和

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    平和主義という概念がいかなる意味内実をもち、異なる立場と比較した場合、平和主義理論がいかなる思考を提供してくれるかを平明に解説している。国際関係論における、国際関係はいかにあるべきか、という問題に対する様々なアプローチを現実主義や人道介入主義として取り上げているが、国際関係論を専門的に学んだ人にとってはなかなか納得しがたい議論も含まれているように思われる。それでもやはり、平和をめぐる政治学的言説を出来る限り網羅しようとしていて、平和論への導入として非常に優れた新書であると思う。

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    2013年03月29日
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和

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    「愛する人が襲われても無抵抗で良いのか?」という命題に対して,古今東西の各種考え方を提示.すこし読みづらいが考え方の整理にはなる.最終的な結論は自ら出すしかない.

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    2018年10月09日
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和

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    本書は平和主義と非平和主義の主張を順に取り上げ、吟味していき、最終的に何故平和主義がいいのか、という構成。平和主義と聞くと戦争絶対反対という考え方だけだと思っていたが、平和主義と一言に言っても多様であり、世の中にはこんな考えの人もいるんだなと素直にそう思った。自分の考え方はどうなのか自問自答する必要がありそうだ。やはり、相手を頭ごなしに拒絶するのはよくない。

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    2014年12月22日