杉浦泰のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
自分が生きる環境や会社なども、成功している会社なども、流行りのキーワードとか時代の空気とか国・地域のマクロな状況で括らずに、個別の文脈に着目して認識すべし という話。
同じ日本、業界、規模で比べても上手くいっている組織や事業もあればそうでないところもある ということを思えば、あたりまえといえばあたりまえの話だけど、自分も含め多くの人が見落としていることに気づかせてもらえた。
戦後の日米の主要産業の歴史をダイジェストで知れたのも収穫。
あと、少し本旨からは外れるけど、日本であれば現時点の現象や問題だけでなく人口減少が一服した先の社会を見据えるべきという主張も確かになと思った。
「おわりに」で -
Posted by ブクログ
久々に超面白かった。恐らく山口周氏の「ニュータイプの時代」で紹介されていたのだと思う。楠木氏の著書は他も読んでみたい。
・飛び道具トラップ
AI、サブスク、ビッグデータ、DX、SDGs
・激動期トラップ
今こそ激動期、ことごとく外れる未来予測
・テンゼロ論
ソサエティ5.0
・技術は非連続、人間は連続
・「大きな変化」ほどゆっくり進む
インフラは30年にしてならず
要素はシステムに先行する
・遠近歪曲トラップ
隣の芝生は青く見える、シリコンバレー礼賛
・半世紀にわたって崩壊を続ける日本的経営
日本企業もアメリカ企業もない、マクロへのすり替え
アイリスオーヤマ、「ピンチはチャン -
Posted by ブクログ
▪️飛び道具トラップ
ある特定の企業の文脈での局所的な成功がどこでも効果を発揮する「万能の必殺技」であるかのように曲解されて発動する
▪️飛び道具トラップのメカニズムと駆動プロセス
1.「同時代の空気(技術革新や環境変化)」の土壌の上で
2.人々の耳目を引く成功事例が生まれ
3.それを「飛び道具サプライヤー」があおる中で
4.「同時代のノイズ」が発生し
5.「飛び道具」が過大評価され
6.関心を持つ人々による事例文脈からの「分脈剥離」が起こり
7.「文脈無視の強制移植」が行われ
8.「手段の目的化」と「自社の論理分脈との不適合」により逆機能が起こる
▪️飛び道具トラップ回避の思考ステップ
-
Posted by ブクログ
経営判断を惑わす「飛び道具」「激動期」「遠近歪曲」といった3つの「罠=トラップ」を回避するために近過去の歴史を検証し、本質を知るというのが逆タイムマシン経営論です。
罠にハマるメカニズムと駆動プロセスがわかりやすくまとまっていて、読みやすい本でした。
遠近歪曲トラップや文脈思考が、こういった本で読む限りでは理解できるのですが、いざ自社にあてはめると知らないうちにバイアスがかかってしまいそうです。
「破壊的イノベーション」を狙っているときにもこういったバイアスを意識しておかないと失敗しそうですね。
また、最近話題の生成AIもシンギュラリティや「AIが人間の仕事を奪う」などと話題になっていま -
Posted by ブクログ
出来事を周りに流されず、時代の雰囲気に飲まれず正確に見抜くことが重要。そこには数々のバイアスがある。それを過去にさかのぼって検証してみようという本。
言われてみると、横文字のキーワードで扇動するようなミスリードや、メディアが注目している事による過大評価、全く誤った論理だが刷り込まれてしまっているような「マジックワード」は溢れている。
例えば、洗濯物を折りたたむロボット、ランドロイド。セグウェイ、3Dプリンターのように画期的な製品ではあるが、浸透しなかったもの。Googleグラスなど。見掛け倒しで実は生活に必要とはされていない商品。問題解決の押し売り。
サブスクリプション、シェアリングエコ -
Posted by ブクログ
まず、日経ビジネス(だけでなくビジネス誌全般)が産業界に対して仕掛けて来た「トラップ」を切り口とした平成史として読めば、この上なく面白い読み物である。それらを著者は「飛び道具トラップ」(主にIT戦略)、「激動期トラップ」(”今は激動期だ”という尽きない煽り)、「遠近歪曲トラップ」(シリコンバレーや海外はなんでもよく見える)にカテゴライズし、実例と当時の記事画像も使ってストーリー見事に語り掛ける。
トラップというからには、ここに載っているビジネス誌がやってきたことはほとんど悪事ということになる。日本のサラリーマンは先進国比較において読書量が非常に少ない(それは大学生もしかり)と言われるが、そこ -
Posted by ブクログ
・サブスクリプションとは昔から数ある課金形態の一つに過ぎない。新聞というメディアは情報を高頻度で継続的に提供するという美辞根うsの構造上、昔からサブスクリプションという形態が最適でした。PhotoshopやIllustratorも、ユーザーの業務にとって不可欠のツールであり、インフラなのでそう簡単に「卒業」できません。ユーザーにとっての価値が使用経験とともに増大することを意味しています
・競争戦略論:Operation ExcellenceとStrategic Positioningを明確に区別している。前者は他社に対して”Better”であるのに対して、後者は他社に対して”different -
Posted by ブクログ
ネタバレタイムマシン経営 :未来を実現しているエリアの手法を持ってくる。
逆・タイムマシン経営:過去の新聞雑誌記事から浮き彫りになる本質
思考の型、センス、知的作法
バスワード:ステレオタイプ的な見方 同時代性の罠
本質の一義的な特徴はそう簡単には変わらない
サブスク 「卒業」できないインフラ的商品に向く 古くから存在
ERP、DX 手段の目的化
POS セブンイレブン1982年 SISブームとは別の世界初のマーケティングツール
戦略が先、ITは後。
事例文脈を理解。
抽象化し、論理で本質をつかむ。
優れた戦略は特殊解。一般解はない。
導入判断。ベネフィット、コスト -
Posted by ブクログ
まずまず面白かった。
飛び道具トラップ、激動期トラップ、遠近歪曲トラップなど、人が時代のはやり言葉や空気に流され、「隣の芝生は青く見える」に陥るさまを具体例を交えて軽妙なタッチで鋭く指摘している。これらのトラップは、経営論にのみあてはまるものではなく、ほかの領域でも気をつけるべきことだと思う。
もっとも、著者自らも言っているように、本書の~トラップも飛び道具トラップとして疑いの目を向けることも必要だろう。また、最後は、少しだけ説教くさくなり、やや読み切るのに苦労した。
それでも、本書を読んで、コロナ禍で新しい生活様式がいたるところで求められている今こそ、正しいものを見定める目を養いたい