庭田杏珠のレビュー一覧
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カラー写真の威力を見せつけられた一冊。AIさん方の尽力でカラー化されたものという。ぼくはモノクロ写真やセピアの写真も味があって好きだけど、戦争の写真をカラーにすると、こんなにもリアルに蘇ってくるものかと感嘆した。
大型戦艦が炎上して沈み、日本各所に空襲があり、ヒロシマとナガサキに原爆が落とされるといった惨劇たる写真もさることながら、壮絶な戦時下に生活している人々の表情が豊かであることに(特攻隊員たちまでもが!!)、胸を締め付けられるような苦しさと同時に、一瞬の安堵を感じた。この本の写真に写っている人々は、私の祖父や祖母以上の年代の人々だが、戦火をくぐりぬけ、先人たちはたしかに生きてきたし、か -
Posted by ブクログ
たくさんの戦前・戦中の写真はあるが、もっぱらシロクロです。わたし達はそれは見て、無機質で静止した「凍りついた」印象を受ける。戦争を他人事にとらえることに一因にもなっている。このカラー化は、戦争を自分のこととして捉えることを助けるだろう。
AIで色をつける事はできる(幕末期写真はそれ)。しかしそれでは未だわたし達の知るカラー写真ではない。その記憶を持つ「生存者」と話し合い、色をつける。その写真を見せて、更に記憶が蘇る。更に写真が真に迫ってゆく。
そうやってよみがえった写真の数々。気がついたことを以下に羅列してゆく。
(ー1941)
・1932年大阪浜寺双葉幼稚園。12人の幼児が小山に登って -
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ネタバレ情報デザインとデジタルアーカイブによる「記憶の継承」について研究されている渡邊教授と、広島出身で平和活動に取り組まれてきた庭田さんが共同で取り組む「記憶の解凍」プロジェクトの成果物のカラー写真が掲載されています。
被爆前の広島の写真をはじめ、戦前・戦中・戦後の広島、沖縄、国内の写真約350枚がびっしり掲載されています。
方法は、AIで自動的に色付けしたものを、地元の人や専門家との対話やその他資料、SNSで寄せられた情報を基に補整、修正する作業を経てできる限りの「再現」を試みたものだそうです。
オンライン・アプリでも最新のものが公開されているみたいです。
それ以外にも、様々なデジタルアー -
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ネタバレすばらしい企画。
本書(2020)と、「この世界の片隅に」(こうの史代原作2007-2009、片渕須直監督でアニメーション映画化2016,2019)、ピーター・ジャクソン監督「彼らは生きていた(ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド)」(2018)が響き合って。
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【『この世界の片隅に』片渕須直監督 推薦!】
戦前から戦後の貴重な白黒写真約350枚を最新のAI技術と、当事者への取材や資料をもとに人の手で彩色。カラー化により当時の暮らしがふたたび息づく――。
■著者からのメッセージ
本書には、「カラー化された」戦前から戦後にかけての写真が収録されています。当時の写真は、もっぱらモノクロで