松島倫明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
教養としてのフードテック リベラルアーツで問い直す「食の本質価値」
著:松島 倫明 ・田中 宏隆・岡田亜希子
スマートキッチン、AI、ロボットなどのテクノロジーが世界を変えていく中、テクノロジーにできることだけを追随してしまうと貧しくなってしまう。いま、ファクトだけでなく意味と文脈を抜きにしてテクノロジーは語れない。それは食も同じである。おいしい、楽しい以上に、気候変動と生産、フードロスと流通、健康という食を取り巻く大きな問題抜きには食は語れない。
これからフードテックが進むであろう日本に必要なのは、「オートメーションと非オートメーションの境界線」の議論にもあった、「食」や「テクノロジー」という概念が持つ多元的な「文脈」の理解を深めることである。
本書の構成は以下の3章から成る。
①なぜ「食の未来」にリベラルアーツが必要なのか
②FOOD×リベラルアーツ 賢者16人との対話
③教養から見えてきた フードイノベーションの本質
生成AIの大きな進化と共に「スタートアップ×AI」は必要不可欠となっている。そして、「フードテック×AI」も例外ではないものの、その掛け算の因子として「フードテック」には他の領域よりもさらに大きな可能性を秘めている。
「フードテック」の領域が広いだけではなく、食べることが人間として当たり前であるということ。生存するためだけではなく、食を通して幸せになる等のマイナスからプラスだけではなく、プラスを数値のみではなく、横にも斜めにも拡大させていく等の応用ができる。
その「フード」に品所ではリベラルアーツを組み合わせている。多方面な視点から「フード」を捉えることによりその見えなかった課題やさらにむかうべきあるべき姿もちらりと見える事もある。
今まで掛けることを想定さえしていないものを掛けることにより自身の考えの枠組みの広がりも感じることができた。 -
Posted by ブクログ
ラヴロックの最後の著作、人類へのラストメッセージとも言うべき本。
地球を一つの生きたシステムとみなすガイア理論の提唱者ということで、ニューエージ的な環境保護派にみられがちであるが、基本的にはテクノロジーの人。
なので、地球温暖化に対して、早くから警鐘を鳴らしつつも、どっちかというと技術的な問題解決にフォーカスはあると思う。その辺のバランス感がラヴロックの面白いところ。
そのラヴロックは、この著書を書いていた頃、どう考えていたのかというと、普通の意味では悲観的なヴィジョン、つまり地球温暖化の進展による人類の大量死は避けられないと諦めている感じ。
だけど、テクノロジストのラヴロックは、違うタイプの希望を見出す。つまり、アンドロイド、ロボット、AI的な存在による世界の継続に希望を託すのだ。
つまり、彼らにとっても、地球の温暖化は問題なので、彼らがソリューションを考えつくであろうとのこと。
これはマトリックス的なディストピアと考えるのか、あるいはある種のユートピアなのか?
ラヴロックの議論は、上に紹介したように単純なものではなく、いろいろな視点をふくむものなので、興味を持った人は読む価値あり。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ガイア理論」を提唱したラヴロックが100歳になり、今後の未来像について語った本、ということで読んでみました。
地球はひとつの生命体である。
地球は誕生してから今日まで、地球上の様々な生命とやりとりをしながらひとつのシステムをつくってきている。
その地球の進化と発展の中で、人類が生まれ、これからはその進化の必然として誕生するサイボーグ(ロボットやAIなど)がそのシステムを維持していくことになる。
ガイア>サイボーグ(ロボット・AI)>人類
とする構造の中で、
超知能とされるサイボーグたちはガイアを壊すわけにはいかないから人類と共同生活を送るだろう。
本書の展開には、正直、驚かされます。
ガイア理論と技術至上主義的な考えがあわさった形で、それこそ地球の環境を維持し、発展させるために、人類は原発を使いこなす必要があることを明確に述べています。
単純な科学を手放して、”自然に帰れ”、”昔にもどれ”の発想に未来がないことは僕も賛成ですが、ここまで楽観的というか、強気にはなれないなぁ、と思って読んでいました。
地質の年代として、化石燃料を使い始めた現代をアントロポセン(人新世)として位置づけ、これからの超知能によって乗り越えられる年代を「ノヴァセン」と呼んで、地球が誕生してからの長い年月を位置付けていく視点は興味深いです。
地球が誕生してからの長い年月、
そして著者が100年間の人生で歩んできたそれこそ大きな変化を含めて展開しているパースペクティブに学ぶところは多いです。
進化と人類の役割に関して、アーサー・C・クラークのSF小説『幼年期の終わり』を思わせるところもあります。
うーん、しかし、どうも受け入れられないことが多いです。
100歳のラヴロックよりも、僕の方が古い世代のおじいちゃんみたいな感覚にさせられます。
”これまでもそうだったように、未来はわたしたちにとって、知り得ないものだ。それは有機的世界においてさえもそうだ。サイボーグはサイボーグを身ごもるだろう。人間にとって都合がいい存在として下等生物であり続けるなどということは決してなく、そのまま進化を続け、高度な進化の産物として新しい強力な種となるだろう。しかしガイアという支配的で圧倒的な存在に尽くすため、それらはすぐに、わたしたちの主となるのだ。”(p.156)