ラヴロックの最後の著作、人類へのラストメッセージとも言うべき本。
地球を一つの生きたシステムとみなすガイア理論の提唱者ということで、ニューエージ的な環境保護派にみられがちであるが、基本的にはテクノロジーの人。
なので、地球温暖化に対して、早くから警鐘を鳴らしつつも、どっちかというと技術的な問題解
...続きを読む決にフォーカスはあると思う。その辺のバランス感がラヴロックの面白いところ。
そのラヴロックは、この著書を書いていた頃、どう考えていたのかというと、普通の意味では悲観的なヴィジョン、つまり地球温暖化の進展による人類の大量死は避けられないと諦めている感じ。
だけど、テクノロジストのラヴロックは、違うタイプの希望を見出す。つまり、アンドロイド、ロボット、AI的な存在による世界の継続に希望を託すのだ。
つまり、彼らにとっても、地球の温暖化は問題なので、彼らがソリューションを考えつくであろうとのこと。
これはマトリックス的なディストピアと考えるのか、あるいはある種のユートピアなのか?
ラヴロックの議論は、上に紹介したように単純なものではなく、いろいろな視点をふくむものなので、興味を持った人は読む価値あり。