パリュスあや子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
推し作家のパリュスあや子さんが、新刊を2月に出してはったー!!
今回のテーマは、自転車イベントの「ブルベ」。(“Brevet”「認定」を意味するフランス語) この時点でブルベをご存知の方はいらっしゃるだろうか。
ブルベは日本を含む世界中で開催されているが、「競技」ではない。順位がつかない代わりに、決まった距離を制限時間内に走り切るという、いわば「自己満足の耐久自転車イベント」だ。
主人公の進(すすむ)は今回、世界中の自転車乗りが憧れるというフランスのブルベPBPに挑戦する。
「常夜灯もほとんどない真っ暗な深夜、星だけがパノラマのように広がる空に惜しみなくちりばめられ、夜通し自転車を走らせる -
Posted by ブクログ
フランス語を勉強してること
去年亡くなった義理の父がロードバイク好きだったこと
この2つの理由から手に取った「アレアレ!」
作中にもありますが、アレはフランス語で「行く」の命令形
まさしく「go! go!」というタイトル
妻に出ていかれた主夫をしていた主人公と彼が海外自転車イベントで出会った人たちのお話
最初は控えめで自己肯定感の低そうなおじさんだったのに、
物語が終わる頃には自分の気持ちを表明することができるようになった進さん
それもこれも肉体と精神をとことんまで追い込むこの自転車イベントだからこそだと思います
変わっていく進さんと愉快な仲間たちの4日間1200キロの旅を見れてよかった -
Posted by ブクログ
短編集でどの話もテンポよく、ほんのひと匙の狂気を孕んでいるところも個人的にくすぐられた。
全員何かしらの依存症を抱えており、中には本人が意図せずに発症してしまった可哀想な例も含まれている。
・「呼ぶ骨」:パリュスさんの凄いところは思春期〜若年層の心理描写が卓越しているところ。
主人公の真白(ましろ)は、置き引きに遭いそうな物の「声」が聞こえる女子大生で、その物を盗まない限り「声」からは逃れられない。そう、彼女の依存症とは盗癖である。
しかしそれ以上に、根が真面目な彼女が友人関係で窮屈な思いをしていることが自分には居たたまれなかった。彼女がそれらのしがらみから解放される日は、果たして来るのだろ