ふろくのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ居酒屋のような飲食店が舞台だと店主とお客さんのやり取りがメインになってくるように思うが、この話のメインはお客さん同士。
美味しい料理と居心地のいい場所を提供する店主はサブキャラクター。
メインはジャンルは違えどクリエイター同士なお客さん二人の微笑ましいような、羨ましいような、でもどこかもどかしい交流。
作中のイラストレーターとしての描写も、そしてもう一つのクリエイターとしての描写も自分としてはリアリティ溢れるもので、絶妙な質感があった。
「活字にも、温度があるんですよ」とは作中の言葉。
それを最初から最後までひしひしと感じた作品だった。
クリエイターにとって『冬灯』となる、道標となるお話だな -
-
購入済み
沖田円さんらしい作品でした。
ありきたりといえばありきたりなストーリーだけど、
沖田円さんらしいあたたかい感動的なストーリーでした。
沖田円さんは風景の描写や、人物の表情の表現が独特であたたかくて、でもなぜかリアルに想像がつく、そんな素敵な表現をできる方なので、ありきたりなストーリーも、他とは違ってみえてくるし、あたたかくなります。
素敵な作品でした -
-
購入済み
迷うよね
良くあるタイプの作品だけど、沖田円さんらしい仕上がりで安定した内容。
呼び方を迷うかとも思うけど、どちらかと言うと作品に出てきた呼び名よりは「送り人」に近いかとも思う。
作品自体は安定して読める、らしい作品。
上手い。 -
Posted by ブクログ
これはまさに『死神にはなむけを』だねえ。
最後の一章を読み終えて、そうか、これはキュウの物語だったんだなと気づく。(気づくの遅い)
わたしが書物を読むのを好むのは、学びを得られることはもとより『考える』きっかけを得られることなのですが、この作品はまさに考える時間を与えてくれるものです。
答えを与えることより、考察の機会を与えることの方がずっと難しいとおもうので、円さん流石だなぁとしみじみ。
彼女よりだいぶ年くってるわたしが言うのはおかしいことは百も承知の上でいうが、
わたしが10代のときに沖田円の作品を読みたかったなぁ。
今のティーンが羨ましすぎて吐きそうだわ(言い方
青葉がこの先どう -
-
Posted by ブクログ
ブックカフェという魅力的な言葉に惹かれ、やっと読み始めたのに、あっという間に挫折しそうになったのには困った。
話の内容も登場人物もそれ程嫌ではないのに、私にはとても読みにくい文章だった。
なんとか話を進めてわかったことは、第一話はいろいろな真相を隠し、妙な含みがあるから、不自然だったり違和感などに目がいってしまったのかもしれない。
あと、「魔女でしょ、魔女じゃない」という件の繰り返しも、イライラが募るばかりだったし、多分えんどう豆が鬱陶しかったのだと思う。
第二話からは、真相がチラチラ見えてきたので、少しずつ興味を取り戻せてよかった。
特に鬱陶しい思いもしなかったし。
ただ「女の子達」という呼 -
Posted by ブクログ
ネタバレ粗筋の印象から、ブックカフェの店主である月子が必要な嘘を吐きながら、お客さんの恋の悩みをスマートに解決していく話と思っていたら全然違った。
ポップなキャラノベだと思っていたら、もっと泥くさいというか、生々しい話だった。
月子は決して恋の悩みをスマートに解決できる万能な魔女ではなく、お客さんと一緒にうんうん悩むタイプ。
そもそも彼女の「嘘」には、とてつもなく重いものが含まれていた。
そのことが、最後の話に活かされることになるという。
それがまた重いんだよなあ。
彼女の友人もまたダイバーシティを叫ばれるようになってからは珍しくない立場のお方、恋の悩みを持ってくる人たちの悩みも逐一重い。
あまり悩ま