松尾亮太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ナメクジ研究者による、ナメクジの脳機能研究についての一般向け書籍。
読んでいくうちに、それまでなんとも思っていなかったナメクジがどんどんかわいく思えてきて、その分、生きたまま脳を取り出されたり、触覚を潰されたり目を切られたりするナメクジが気の毒になってきてしまうのだが、それでも脳のまましばらく生き続けたり、触覚や目を再生させたり、しぶといナメクジの生命力におおお…!と思わず拍手したくなる。
内容も、一般向けで、わかりやすく、分厚すぎなくて、私のような理系に触れてこなかった人間も、面白く読めた。
巻末にこうした基礎研究は予算の確保が難しい、という窮状についても触れられていたが、「役にたつ」が前提 -
Posted by ブクログ
考えるナメクジ 松尾亮太 さくら舎
出合いの少ないナメクジの脳という内容に
興味を持って読みだしてみた
小さな脳が大きな仕事をしていることを
愉しみながら思ったことは
小さい脳がフル活用しているのに対して
大きな脳はキャパを広げることで
大きな仕事が持ち込むエネルギーの落差で起こす
フリーズを避ける事ができると言う事実についてだ
殻を持ったカタツムリと殻を捨てたらしいナメクジの
両方が共に繁栄していることでもわかるように
自然界は個々の進化だけを目的になどしておらず
変化による多様な関係を生み出すことで
無限を視野に入れた創造という世界観を
追求しているのかも知れないと理解した -
Posted by ブクログ
著者の松尾亮太さんの
紹介の一部に
ーナメクジの学習機能、および嗅覚、視覚の研究に従事している
と綴られてある。
もの凄く 身近にいる生物
だけれど
では実態はというと
ほとんど 知らない
ダンゴムシ、アリ、ゴミムシ、…
私たちの身の回りに居る生き物たち
その ほとんどのことを
私たちは 知らずに 暮らしている
それだけに
こうして(この本のように)
実はね…
と お話ししてもらうと
それが いやはや 面白い 興味深い
私たちの すぐ周りには
素適な不思議で満ちている
この世に
ぜひ 存続して欲しい
学問、研究対象だと
読みながら 思わせてもらいました -
Posted by ブクログ
表題の通り、主にナメクジの脳の働き、神経の働きについて面白く解説している。
ナメクジの一対の触覚には、それぞれ目があるが、一つを切ると、ぐるぐる回るように動く。それは、目で暗い方向を判断しており、一方が切られて、そっちの方が暗いと誤認してそっちに動くからだという。ナメクジは暗いところを好む生物であることがわかっているから。しかし、勉強もできるので、しばらくぐるぐる回っていると、なんだかおかしいことが分かり、動くのをやめて、反対に回ったあげく、元通りまた、真っ直ぐ動くようになったという。なんだか、かわいくもある。
最後の章では、何故著者がナメクジ研究をしだしたか、ナメクジ研究の面白みや大変さなど -
Posted by ブクログ
『クモのイト』の中田兼介さんも女子大でクモの研究とは大変だろうなあと思ったが、こちらは女子大でナメクジの研究‥‥研究する学生を確保するのが大変そうだし、必修なら良いが選択の場合、講義を選ぶ学生がいるのかとちょっと心配になるが、巻末近くで、別に女子大だからといって苦労はしていないというようなことが書いてあり、とりあえず良かった。
こういう特殊な研究をする研究者の文章には対象に対する熱烈な愛が感じられることが多く、そこも期待したのだが、著者の研究はナメクジの脳なので、そういう感じはなく、(学習能力を研究するため)美味しいものに苦い液をかけたり、触覚を切ったり、脳を移植したり、結構ナメクジからすると