瀬地山角のレビュー一覧

  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    炎上CMを「訴求対象(男性・女性)」「炎上ポイント(性役割・容姿)」の4象限に分類し、炎上したCMと受入られたCMを比較分析している本です。若干著者の主観が強めですが、現代のジェンダー問題を理解するうえで示唆に富み、読み物としても十分に楽しめました。巻末の炎上広告史も興味深い内容でした。

    難しいのが「性的役割の再生産」というテーマです。女性の視点に偏りすぎてワンオペ礼讃となり、逆に炎上を招くことがあります。女性目線も重要ですが、いまの時代は性別を問わず「個人の視点」から捉えることが求められていると感じました。

    また、「彼女/彼」といった代名詞のマイノリティ問題や、「チコちゃんに叱られる!」

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    2025年10月16日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    ネタバレ

    鹿島茂さんの『この1冊、ここまで読むか!』の中で出口治明さんのお勧めの本のうちの一冊
    ////////////////
    最新のジェンダー論をテレビコマーシャルで読みとくユニークな本ですか、アンコンシャス・バイアスの恐ろしさがよくわかります。
    ////////////////
    とのことで読んだわけですが

    出口先生の推薦の弁は、ジェンダーに限らず、アンコンシャス・バイアスに意識を向けるべきということだと解釈しました

    炎上CMの分析は納得がいくものだったし、多彩な受け取り手を想像する制作者陣でないことが理由というのも納得がいきます
    そして巻末に掲載された、作り手側に女性の視点が乏しくなる理由が圧

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    2025年09月25日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    これまで(性差別という点で)炎上してきたCMを、成功例であるCMと対比しながら分類分析する本。ただCMに語らせながらも、そういうCMを生み出してきた日本のジェンダー事情をとてもわかりやすく説明してくれて面白かった。

    特に筆者が出発点としているモットー?として、男女平等であることのみならず、個人それぞれが性別から自由であることが重要であるという基本が繰り返し述べられていて、これに基づいて考えれば、自分の発言や考えのどこに歪みがあるのか分かり易いなあと思った。

    ちなみにこれまで読んできたジェンダー関連の本は女性が作者であることが多く、世の中には「また女がギャーギャー言っている」という層も少なか

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    2022年07月01日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    炎上してしまうCMというのは数多く存在
    します。

    古くは「ぼく食べる人、私つくる人」で、
    家事を押し付けている、などと批判を受け
    たCMや、最近でも「女性差別」と受け取
    られて炎上してしまうCMは枚挙に暇ない
    です。

    それらを分析するだけでなく、この本は
    炎上広告を4つのパターンに分類し、それ
    がどういう観点でバッシングを受けたかの
    原因を考察します。

    さらに同じパターンに分類されているにも
    かかわらず成功して評判になったCMも挙
    げている点が新しいです。

    批判を受けた側の企業の言い訳として、
    「女性の意見も吸い上げたのですが・・」
    というのがあります。

    しかし吸い上げただけで「採用

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    2021年10月02日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    よく「思想が入っている」と言われるが、概して客観的かつ妥当な分析を行なっている。新手の炎上広告もまずはこの類型で考えてみたい。

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    2021年04月24日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    男性が書くジェンダーの本が読みたかったのでこちらを手に取ったが、読みやすく非常に面白かった!
    具体的に事例のCMを検索して読み進めていけたので、自分に巣くう性差別偏見にも気づくことができた。それに私もあのCMの件以来、インテグレートだけは買わない主義を貫いているのであの時CMを見て感じた不快感を言葉にあらわしてくれていてスッキリした。
    また、ブレイディみかこさんの本では人種の、こちらの本では男女のポリティカルコレクトネスを学ぶことができ良かった。今年からはメリークリスマスではなく、ハッピーホリデーと言おう。日本語の優秀さを生かしていこう。

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    2021年03月10日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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     炎上の区分分け、良いCMとよくなかった(悪かった)CMの比較と解説が丁寧で、動画がなくても分かりやすく、また読みやすかった。データもしっかり使い、社会学の手法や家族社会学・ジェンダーについての基礎的な考え方も良く踏まえられていたと思う。

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    2025年02月26日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    入り口がCM•広告だからとっても読みやすいし、わかりやすい
    基本的に男性優位性や、女性軽視が顕在化してしまって、炎上しているケースがほとんどだなと思った
    男性はバカばっかりだなと思う
    「炎上したから謝罪しておく」ではなく、なぜ炎上したのかを考えることがとても大事
    対人関係でも、なぜ傷ついたのかを考えることがとても大事ですね〜

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    2024年04月30日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    CMがテーマなので読みやすい。炎上CMに対するツッコミが面白い。昔ならまだしもわりと最近でも変なCMが作られていて驚く。
    意見の一部は言葉狩りの気がしなくもないが、研究者としての使命も込みでやっているとのこと。
    ジェンダー論はともすればめんどくさいオバサンだけが言っているだけのものと思われがちかもしれないが、この著者のように男性、さらにちゃんと自身も育児との両立に苦しんだ経験がある人が家庭全体・社会全体の利益にもかなう(多少言葉は違ったが要約すると)と発信するのはいいことだと思う。

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    2024年03月31日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    ネタバレ

    ミスコン自体は外見で学力と同じように、ある種の努力と才能なので問題ないのではないか?
    性的であることが必ずしも女性蔑視であるとは限らない
    児童ポルノは、そこに子供が写っていたら犯罪だが、ロリコン自体は犯罪視してはいけない
    ゾーニングはすべきなので、日本の公共空間における性の露出をどの程度許すのかという問題に行き着く

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    2023年08月04日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    【317冊目】ジェンダー論の入門書を探していたら行き着いた本。いわゆる「せっちー」の本だけど、在学中は他に興味のある講義があったのでこの講義はとらなかった。けど、本書を読み「とっておけば良かったー」と後悔。きっと笑いを意識した講義だろうなと思うし、本書に学生の声が複数登場することからも分かるようにせっちーは双方向で議論を進めるんだろうなと思います。確かに同級生にも評判良かったわ。

     書名が「炎上CM」から始まるので広告論なのかな?と思いきや、きちんとジェンダー論入門編といった新書になっていて安心。しかも、炎上CMを批判するだけの内容ではなく、似た内容なのに炎上しなかったCMを取り上げ、ジェン

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    2023年08月01日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    筆者の主張で一部首をかしげるところはありました。ただそれでも非常に論理的かつ明快な主張でしたし、社会的な性役割からの自由という主張はとても共感できました。
    様々な企業のCMがあげられているので、それをYouTubeで見ながら、自身の見方について考えるのも良いと思います。

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    2023年07月07日
  • 図解ポケット ジェンダーがよくわかる本

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    ちょっと前に講演を聴いたので、読んでみた。講演はやはりとても面白かった。講演の内容とほぼ一緒だったけど、LGBTとか他の話もあって面白い。
    娘たちの世代などは認識はかわってきてこの考え方が当たり前になってると感じるし、親であり、過渡期の私たちこそちゃんと考えなきゃいけない問題だと思う。

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    2023年04月26日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    YouTubeで紹介されているCMを探して再生しながら読みました。CM研究の参考になる本。

    要所要所で内容を整理してくれるため、非常にわかりやすかったです。ジェンダー論の入門書としても最適だと思います。

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    2023年03月22日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    炎上したCMのパターンを読み解きながら、ジェンダーの社会課題について考えられてる本。
    ぱっと見ると見過ごしてしまいそうなくらいのところに、無意識の性役割分担や、男性の欲望を表出した表現がある。
    一見細かすぎるように見える指摘でも、自分の中に刷り込まれている偏見や差別に気づくきっかけとなりよかった。
    2020年代は、こんなことで炎上しない、多様性を多様性として包含できる社会にしたいし、そのような人になりたい。

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    2023年02月18日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    論理的でわかりやすい。類型化で具体が抽象化されていてとらえやすい。

    ジェンダー観、ジェンダーロールの考え方は人それぞれ、自由だけれども、
    それを追認、肯定することはおかしいでしょ。
    この考え方は、いままでのもやもやが言語化されたようでスッキリした。

    読むだけで、懐かしいCMが思い出されてノスタルジックな気持ちになったのと、
    当時はそれほど気にならなかった観点が、今ではより際立っているような感覚がある。
    時代がハイスピードで移ろっていることを痛感した。

    一冊通して、マスへのアプローチ方法について勉強になった。良書。

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    2022年05月27日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    ネタバレ

    良書。
    現在、あらゆる人に一読を勧める。数年後はダメ。この世界は変わっており、ルールが変わるから。
    常に今の世界がどのように動いているのか、意識する必要性を感じた。
    思った以上にジェンダーついての意識が変わっていることが分かった。
    ただ、作者を好きにはなれない。妻のトリセツをけなしていたが、誤解してるのではないか。自分が正しいと思っているのがにじみ出ているようで。

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    2022年02月11日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    先日炎上したIKEAの広告(お盆テーブルのCMで男性と子どもがソファでくつろぐ一方で女性が飲み物を運んでせわしなくしている)についてのWEB記事で登場していたので読んでみました。
    本書では炎上CMを分類し、似た構造で炎上しなかったCMと対比したり、社会的な文脈を紹介したりすることで解説しています。
    分類に使われる言葉のひとつ「現状の追認」には非常に納得しました。
    性別による役割分業に従って満足して生活している人が現実にいるのは否定しませんが、公のメディアで不自由さ・不平等を肯定的に捉えて発信するのはどうなの??という話。
    私は基本的には公共の表現の世界で、社会に問題があることを個人の能力の問題

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    2022年01月14日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    お笑いジェンダー論を読み込んだのが懐かしい。
    以下、考えさせられたところ。

    ・異質平等論
    「男と女は違うけれど平等だ」という議論。これに立脚すると、性役割を固定することがある。というところについて。P50あたり。
    平均値と分布が異なるというのは、それだけで異質の根拠にならないのか?要は「個人の特性を見るべきであって、男女というグループで一括りに理解・決めつけようとしてはいけない」ってことだろうか。でもそれって無理じゃない??ある程度グループとして理解しないと、政治も経済(マーケティングとか・・・)も回せなくないか。

    ・妻と夫がふたりでフルに働くのがいちばん経済合理性が高い(P75あたり)

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    2021年08月03日
  • 炎上CMでよみとくジェンダー論

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    ☑︎働きたい人がみな働ける社会を作る
    ☑︎家族は歴史的につねに崩壊し続けてきた
    ☑︎CMが目指すべき方向は時代の半歩先

    所々にコミカルな表現があり面白かったです。
    視野を広げることができました!

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    2021年05月09日