廣瀬覚のレビュー一覧

  • 哲学がわかる 哲学の方法

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    ネタバレ

    「哲学者はどういう方法で考えているのかについての短い概説」であることには間違いないのですが,実は筆者の主張する「モデリングとしての哲学」へつながるように書かれているという点で,結構クセの強い本です.筆者は認識論における「知識第一主義」を唱えたことで有名ですが,なぜそういう考えに至ったのかというのも何となく書かれています.

    Xなどでも言及がありますが,あまり「入門書」という感じで読むものではない気がします.

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    2025年05月31日
  • 哲学がわかる 哲学の方法

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    ひじょうにわかりやすい哲学の入門書である。薄いのですぐに読める。科学研究費という訳語を使ったので学部の学生向けでない言葉があるのかと思ったが、それはない。
     学生でも読める哲学の本として推薦できるであろう。

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    2024年03月30日
  • 新実存主義

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     一本の論文に4名による関連論文(反論)を4本足して再版論を付けて1冊の新書になっている。論文がわざわざこんな形で邦訳され,新書化されるってなかなかに凄いことだと思います。
     「実存主義」を名乗る理由はいまいちピンとこなかったのだが,言いたいことはだいたい真っ当だと感じた。というか,自然主義というか物質一元論というか還元主義というかすなわちウィルバー的に言えば「フラットランド」がここまで猛威を振るい続けているとは思わなかった。え,まだそこ?というのが正直な感想である。
     精神(ガイスト)と意識(コンシャスネス)と心(マインド)とスピリットとソウルあたりの述語を再度整理しないと訳が分からなくなり

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    2022年05月29日
  • 新実存主義

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     序文含めた全6章のうち、著者(以下MG)が1章を受け持ち自らが提唱する「新実存主義」のエッセンスを解説した後、4人の若き哲学者がこれに対する論評をくわえ、最後にMGが再登場し論駮もしくは補足するという章立て。新書なので分量はないが、世界的ベストセラーとなった一般読者向けの他の著書に較べると遥かに読み応えがある。しかし決して難解ではなく、僕のような哲学の門外漢でもな何とか読み進められた。当然ながらMG以外の4人の哲学者は全くの初見。

     まずマクリュールによる序章からスタート。先鋭的ともいえる反自然主義的・反唯物論的な主張の目立つMGだが、「世界の全ては自然科学で説明できる」とする狭義の自然主

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    2020年04月13日
  • 新実存主義

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    『なぜ世界は存在しないのか』、『私は脳ではない』とセットにして読みたい本。

    簡単に理解できる本ではない。

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    2020年02月04日
  • 哲学がわかる 哲学の方法

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    哲学という学問分野において哲学者が何をしているのかが大まかに分かる本。
    体系立てられた然るべき方法をとることで、哲学はサイエンスたり得るということが理解できる。
    そこまでボリュームがないのと、訳文が分かりやすいので割と早く読み進められた。

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    2025年09月19日
  • 新実存主義

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    ガブリエルの新実存主義をめぐる哲学的な対話。

    最後のケルンの議論は腑に落ちなかったが、ガブリエルの反論で明瞭になった。おかしい議論はおかしいと言えるのが知性だ。

    全体的に、心、精神の問題を扱っている。「語彙」に注目するガブリエルの視点が興味深かった。
    また、ハラリなどが主張するニューロン主義や意思の欺瞞性への批判も痛快。確かな人間性を取り戻す重要な取り組みだ。

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    2024年01月24日
  • 哲学がわかる 哲学の方法

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    とてもよい哲学入門だと思う。訳文もグッド。でもこういう哲学入門ってふつうの人にはおもしろいかどうかわからず、むしろ、なんかやってるうちに哲学的な問題にぶつかってみてはじめて価値がわかる、みたいなものよね。「女性」の定義の話なんかもでてきますよ。

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    2023年06月12日
  • 哲学がわかる 哲学の方法

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    ■1032。2023.04.29。
    ・現代哲学の見解を簡潔に整理しながら、著者独自の切り口でその方法論を分析し、もっと科学的なやり方を採用してもよいのではないかと提案する。

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    2023年04月29日
  • 哲学がわかる 哲学の方法

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    著者の立場が結構反映されている気がする。反論も提示しているのでバランスが悪い訳では無い。
    あと、気に入らない哲学者への皮肉が面白い。

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    2023年02月07日
  • 新実存主義

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    心をどう定義するか、あるのかないのか、学術的に論じるとこうも面白くなるのか、と感じました。「精神」は日本語でも幅広い意味で使われているのでなじみやすい反面、意味をしぼらないとよくわからなくなります。翻訳が難しかったろうな、と思います。個人的に、架空の存在が存在すると考えるか否かの件は、解釈の自由さを裏付けるようで参考になりました。

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    2023年01月03日
  • 新実存主義

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    友からの贈り物として。
    ややこしい議論は抜きにして、ここでガブリエルたちが考えているのは、脳みそと意識の関係に他ならない。意識とは脳みその機能ととらえられるか。
    機能とは目に見えない。けれど状況や環境に伴い機能は現れる。目に見えないが機能は確かにある。脳みそが環境と折衝する作用というものか。脳みそが自身のうちにあるものを具現化する、それこそが脳みその機能という形で現れる。心的語彙とは機能を意識化・言語化することそのものではないか。
    脳みその機能は予測と制御である。それをもって、脳みそ同士をつなぎ、身体や環境という自然をその手中に収めようとする。人間が自己理解に照らし合わせてあり方を変えようとす

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    2021年06月05日
  • 新実存主義

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    著者の主張に対する他の哲学者の反論、意見、それに回答するという形の討論形式の本。
    難しい。まず哲学に興味があり近代哲学の本を何冊か読んでいないと何言っているかさっぱり分からんと思う。
    自然主義的還元論の中に「心」は収まるものではないという主張を繰り出しているのだけど、読めば読むほど思弁が言葉に縛られるという西洋哲学の根本部分の受け入れがたい何かにつきあたる。が、なんとなくざっと読んでいても面白い。
    言葉による現象の分別、意味の場の分別、存在の意味などすべて言葉による分別智であり、分別智の極限に向け突き進んでいる感じがする。
    全く持って議論も何が正しいのか分からないし、どっちが説得力があるのか判

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    2021年03月08日
  • 新実存主義

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    哲学の本は通常難解だ。いや、“哲学者以外の人間には”、とことわるべきだろう。この本もその例外ではない。基本的には、「脳」と「心」は同じものか、違うものか、を論じているのだが、唯物論だ、観念論だ、自然主義だ、実存主義だ、などと、全て自明のこととして論が進む。素人にとっては甚だ厄介で、いちいちそれってなんだっけ、と立ち止まらなければ先に進めない。著者は、「心」は「脳」とイコールではないとの立場だと思うが、それがなぜ「新実存主義」なのか。「世界はなぜ存在しないのか」という彼の言葉を見て、仏教の唯識を思い出した。

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    2020年05月12日
  • 新実存主義

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    形而上学的捉え方と実存主義の考察は、とても興味深く読み進めていたが、なんども迷子になりかけて、なかなか苦労した。

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    2023年11月15日
  • 新実存主義

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    主張していることは理解できないわけでもないが、用語についての訳注などがあれば、多少なりとも理解の助けになったのではないか。新書という物理的、経済的な制約上やむを得ないことであったのかもしれないが。

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    2022年01月15日
  • 新実存主義

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    「私は脳ではない」を読んで興味があったので手に取ってみた。

    パーマンのコピーロボット.サイボーグ、AIやらなんやら…もし、物理の法則で人間とおんなじもん作れるとしたら、俺とそいつ(コピーロボット、サイボーグとか)は何が違うんやろか?
    心があるやないか!
    とゆうてみても、「心とはなんでっしゃろ?」となるし、そいつに心がないとなんで言えるんでっか?となる。

    心は精神という言葉に置き換えられ、それは、体という物理的な法則に支配されているものを大きく包んでいる。体は「必要条件」やからないと精神もないことになるが、体は「十分条件」ではないから、体だけではない何かがある。
    還元論的自然主義者(なんでも

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    2021年09月02日
  • 新実存主義

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    実存主義を完全に理解しないまま本書を読んだために半分も理解できなかった。少し分かったことは実はマルクス・ガブリエルの思想は大陸合理論からの流れであり、人間は他の動物とは異なる知性(精神)というものが存在し、これは物理の領域を超えた何かであると考えているという事。人間中心主義的な考え方であるが、本当に物理の法則を超えた何かが存在するのか、人間が本当に他の動物とは異なるものなのかは分からない。それを思考実験で考えるのが哲学であり、人間が作ったはずの言葉がなぜかその謎を解き明かす神聖なカギとなるのが哲学。理解はできないが、何か知性的な鍛錬をした気になり少し高揚した。

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    2021年01月03日
  • 新実存主義

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    理解できなかった。読み返すが腹落ちしない。
    人間には理解できないことがあることはわかる。いつまでも全ては理解できない。
    ただ、わかることは増えていく。その時の風景は、新実存主義とは違う気がする。
    科学で世界を理解しようとするのはイデオロギーなのだろうか?
    カテゴリーが錯誤しているのではないだろうか?理解不足かもしれない。

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    2020年08月29日
  • 新実存主義

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    なぜ世界は存在しないのかを読んでわからなかったことをわかるために読んだ。あいかわらず難しいが少し前進

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    2020年06月28日