小林隆のレビュー一覧

  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    他の本で、次のような話を読んだ。
    人に何かをしてもらったときに「助かった」や「良かった」で感謝を表現する地域もある、と。
    自分がまさにそうだった。そして、それで感謝が伝わるものだと思っていたから、全国共通でないことに驚いた。
    その出典元がこの本だったので手に取った。

    同じ日本でも「言い方」がこんなに異なることに驚き。
    相手の言い方にムッとしたときに、その人を失礼な人だ、と決めつけるのではなく、そういう言い方の地域で育ったのかも?という視点も持ち合わせたいと思ったり。


    以下メモ

    方言とは従来、狭い意味での形や意味、文法を取り扱うことが多かった。
    例えば、ショッパイ/カライの地域差。イル/

    0
    2025年09月10日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    「ものの言い方」を「方言」と同一に捉えて考察した好著だ.第1章から第7章までの基礎データを第8章以下で修練させていく過程が、読んでいて非常に楽しめた.「ものの言い方」の地域差を認識することは、様々な人達と折衝する機会の多い人はぜひ身につけて置くべき素養だと感じた.

    0
    2015年01月28日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    日本全国方言は様々で、それについての研究も盛んに行われています。
    しかし、その一方でものの言い方やしゃべり方についての研究はサッパリとの事。
    本書は、このサッパリ分野を研究している2名の研究者が一般向けに執筆した、研究成果解説本です。

    構成は全11章からなり、最初の7章で以下7つの観点から日本各地の話し方について分析し、その後の8章から終章までで総括や各地の話し方の違いが生じた原因の推察等を行っています。

    ・発言性
    あることを口に出して言う、言葉で何かを伝えると言う発想法
    ・定型性
    場面に応じて、一定の決まった言い方をすると言う発想法
    ・分析性
    場面を細かく分割し、それぞ

    0
    2014年11月02日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    関西と東北で比べると関西は話し方に型があり、丁寧な言い回しで東北は短く要件を言う傾向。ただ地方出身の友人を思いながら読んだがあまり当てはまらない。地元同志や結婚など繋がりの強さも影響するのかな? 変化の激しい言葉を丁寧に聞き取り調査し地図に落とし込む仕事は膨大で曖昧で要件定義から大変な作業だったことと思う。これからは旅行の時、「もののいいかた」の違いも楽しもうと思う。

    0
    2025年11月29日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    ものの言いかた(言語的発想法)に注目したおもしろい試み。
    たしかに「何を言ったか」よりも「どうしてそういった言い方を選択するのか」に着目した方がおもしろいが、その文化的背景・地域の歴史等を読み解くのは非常に大変だと思う。

    0
    2025年09月03日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    西東は世界的な西東ではなく、日本国内の話であることにまず注意。

    では、話の内容はごく狭い、もしくは小さな違いについて述べているのかと言うと違う。
    日本でもこれほど「ものの言いかた」に違いがあるのかと衝撃を受けた。

    時折ネットでは「お店で食事のあとにありがとうと言うか」との論争が起きる。
    それは大抵、本人の資質や躾のせいにされがちである。

    だがもしそれが、方言のように地域差によるものだったとしたら?

    今まで実際、本人の資質などが大きいと思っていた私には、その提言が衝撃的だった。

    この本に紹介されているが、挨拶をしても挨拶で返さない、「おはよう」と言っても「はい」などと返す地域もある。

    0
    2024年09月10日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    面白かった!言うか言わないかも方言なんですね。日本全国のあちこちに親戚がいるので色々と地域差があることは感じていたけど、その説明を読んだのは初めてでした。勉強になりました。

    0
    2023年02月18日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    方言というか地位ごとのコミュニケーションカルチャーについて。本書の分布図を見てみると地域ごとの違いが分かって面白い。

    東北って意外と冷めた文化なのか。地方はホスピタリティがあるイメージだったからちょっと意外。

    0
    2021年05月16日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

     ものの言いかたには違いがあるが、特に目立つのは関東と関西だ。人の話し方は、話す人の個性に関係していると思われがちであり、それが事実と言う面もある。しかし、著者はものの言い方にも明らかに地域差、つまり「方言」が存在すると述べている。


    読んでいて著者も例に何度も上げている関西は目立つなあ。特に読んで「へえー」と思ったが、「自己と話し手の分化」だ。尾上圭介の『大阪ことば学』での「当事者離れ」という話し方を取り上げている。「ヨー言ワンワ」だ。この表現は、「あきれて、私は何も言えないよ」を意味する。しかも「その場の状況のバカバカしさを、遠巻きに眺めている雰囲気が漂う」として、第三者であるかのよ

    0
    2016年05月19日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    方言も含めた会話の作法の違いを明らかにしようと試みる一冊。
    おしゃべりなのか、無口なのか、この要因を個性だけに求めるのではなく地域差に求めている。もちろん東北の人が無口で、関西人は多弁という大方の予想が変わることはないし、都会と田舎の違い、中心部か周辺部かによる差異もその通り。これを具体的なデータで検証しているところがオモシロい。方言の中には感謝表現を持たない地域があるってのにはびっくり。
    相手に気を遣い、客観的な会話ができるのが関西圏なのだという指摘はその通りだと思う。だからと言ってそれが誠実かどうかは別問題とする著者は東北出身なんだけどね。

    0
    2015年10月22日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    方言の違いではなく、そもそも言葉を語るのかどうか、文化面の比較。関西では「口数が多く、お喋り」が多いというのもアンケートから間違いなく検証できている!7つの言語的発想法の側面で全国をコミュニケーション発達区分4つに分けている。即ち①発言性、②定型性、③分析性、④加工性、⑤客観性、⑥配慮性、⑦演出性ということ。喧嘩を売るとき、お祝い・お悔みの言葉とその返答、飲食店を出るお客様が発する言葉など、関西・東北の違いはあまりにも対照的で楽しいほど。これがコミュニケーション・ギャップを生んでいる可能性もあり、怖さもある。一方、東北のオノマトペの種類が豊富との指摘は面白い。長い歴史の中での人口密度との関係を

    0
    2014年11月13日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    <目次>
    序章   ものの言い方にも地域差がある
    第1章  口に出すか出さないか
    第2章  決まった言い方をするかしないか
    第3章  細かく言い分けるかどうか
    第4章  間接的に言うか直接的に言うか
    第5章  客観的に話すか主観的に話すか
    第6章  言葉で相手を気遣うかどうか
    第7章  会話を作るか作らないか
    第8章  ものの言い方の発想法
    第9章  発想法の背景を読み解く
    第10章  発想法とはどのように生まれ、発達するか
    終章   ものの言い方を見る目

    <内容>
    HONZ推奨の一冊。最初の方の分析はやや重かったが、分析に入る第8章以降が私には面白かった。
    「方言」だけではなく、「ものの言

    0
    2014年10月11日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    一見、方言の東西比較の本かと思った。方言論には違いないが、一つ一つのことばがどうのこうのというより、いわば言語行動の方言論である。よくしゃべるとか無口かは個性と言える面もあるが、それが傾向として大きな集団について言えれば方言の違いということになる。より正確に言えば、方言の地域区分による言語行動、言語パターンの違いの論である。小林さんは東北(新潟)の出身で、東京を経て仙台に就職した。澤村さんは山形仙台を経て和歌山に就職した。小林さんは東京を経験し、澤村さんはおそらく関西圏のことばに日々触れつつあるのだろう。本書はこの二人の研究を下敷きに、多くの先行論文のデータで補強し、方言による言語行動のパター

    0
    2014年09月14日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    東北地方は「礼も言わないが文句も言わない」傾向とあるが、私自身はあまりそう感じなかった。ただ、言葉というか会話は短いという印象がある。
    それ以外にも、様々な違いがある事が分かった。個人差もあると思うが、きっとそんな傾向があるんだろう。
    アメリカ人もみんな陽気かと言われれば、当然そんなことはない(過去に、超絶真面目なアメリカ人に会ったことがある。)。

    0
    2025年08月11日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    関西人はおしゃべりとか、東北人は寡黙とか、何となく感じていたイメージを様々な調査で形にしてみたもの。ケンミンショー的な感じで地域比較するのは面白い。易しい語り口でサラサラ読める。
    もちろんこれで地域ごとに優劣をつけるのではなく、それぞれの地域が歩んできた歴史を尊重する態度を持ちつつ読むことが大事ですけれども。

    0
    2024年12月28日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    関西人はものの言いかたはステレオタイプでイメージできる範囲のものだったが、東北人については「おはよう」とあまり言わないとか「買うー」と言いながら店に入るとか、こちらの認識をすこし越えていた。おもしろい

    地方による気質の問題と思われるものを一種の方言の問題として定義し直しているのだが、言語の問題なのか文化の問題なのか明確な境界線は引き難いものとおもった

    いろいろな軸でものの言いかたを比較しているが、結局は複雑な関西と単純・素朴な東北といった格好にどの軸でも落ち着いており、背景にあるのは社会環境の複雑さ度合いと整理してしまうと身も蓋もない感じはする。ところで、ひとつの言語の方言間でなく、異なる

    0
    2024年06月23日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    やや関西圏を特別視している感はあるが、人口集積地としての歴史の長さと考えれば、納得感は得られる。方言そのものではない点に着目した内容はとても興味深い。

    0
    2024年06月16日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    名詞や動詞、形容詞の方言の本を
    いろいろ読みましたが
    これは「シチュエーション」の方言
    について書かれた一冊なのがおもしろかった。

    例えば、食事中のこんな場面。
    同席している誰かに醤油差しを取ってもらう。
    そのときあなたは…って、調査なのですが
    「感謝の意にあたる言葉を発しない」
    地域があるなんて!
    でも、ずっーと読んでいくと
    「ありがとう」と言わないだけで
    なんらかの相づちは打つみたいですね。

    他にも、用件にズバッと入るか
    前置きを長く取ってから入るか、とか
    子守唄は脅かし系か甘やかし系か、とか
    そんなところに違いがあったのかと
    いろいろ知ることができました。

    0
    2022年12月31日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    日本において、東北地方の言語文化だけが異質だという結論。研究結果というより個人で調査した結果を羅列した感が否めなかったのは私だけだろうか、とはいえ、納得できる背景と言語文化の成り立ちは読んでいて純粋に面白かった。

    0
    2022年02月22日
  • ものの言いかた西東

    Posted by ブクログ

    フォトリーディング&高速リーディング。
    こういう研究もあるんだと感心させられた。速読用でなければ手に取らないジャンル。興味の範囲を広げられた。

    0
    2018年04月09日