エステル・デュフロのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ今までなんとなくそうだろうと思っていたことが、実際のデータに照らすと実は間違っているということがこの本の中には多くでてきた。貿易はどの国にとってもメリットはもたらすわけではないし、移民は受け入れ国の雇用を奪うことはなく、常に賃金を下げるわけではない。移民は仕事があるからといってたくさんアメリカなどの国にやってくるわけでもない、など読んでいなかったら誤解したまま物事を考えてしまっていたので、なんとなく知っているというのは危ないと思った。全ての人間が人間らしく生きられるようにするという前提で考えることが、政策を考える上で重要だと思った。
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Posted by ブクログ
2019年ノーベル経済学賞受賞のインド系米国人とフランス人(おそらく夫婦)の著作。
様々な視点について最新の学説を紹介しながら、筆者qとしての見解を示している興味深い著作。特にUBIや格差是正などに強い想いがあるのだろうか、踏み込んだ提言が多かった。リベラル的な立場と言って良いと思う。
面白かった。再読したい。
以下、備忘的な学び事項。
国際貿易論: グローバルに貿易を行うことによってお互いの国が成長するという確かサミュエルソンの定理は、個別の産業のことに触れておらず、淘汰される産業への救済、他の成長産業への労働資本の移転が求められるが、必ずしも上手くいっていない事を最新の論説を紹介しなが -
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専門家の意見をどれくらい信用するか、というインターネット調査があり、1位は看護師で84%、最下位は政治家で5%だった。では経済学者はどれくらい信用されているだろう?
下から2番目、25%である。
経済に関係する政策には経済学者が必ず関与しているが、その結果としての社会の現状に、多くの人が不満を抱いているのだろう。
こういう社会では、分かりやすい政治家に人気が集まる。経済学者でも、分かりやすい経済施策で人気を集める人もいる。彼らの政策、市民に支持される政策は、往々にして良心的な経済学者の意見とは異なるものである。
人々から信用されていないかも知れないが、世の中には良い経済学もある。それは -
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ネタバレ著者は二人のノーベル経済学賞受賞者。
原題は「Good Economics for Hard Times」とありますが、コロナ禍の今にあって、ちょうど米大統領選が佳境のころから読み始めたので、本書で取り上げられているテーマと、日々目にするニュースやSNSの投稿などとシンクロすることも多く、政治と経済の今についての理解を深めるには良書であったと思います。
経済成長
移民
自由貿易
地球温暖化
社会保障
格差
お金だけで解決しないことや、さまざまなトレードオフが生じること、マクロな経済モデルの想定通りには行動しない人や企業、そうした複雑系の中で、良い方向に向かうための本質とは何かを二人の経済 -
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開発経済学の研究者として2019年にノーベル経済学書を受賞したアビジット・V・バナジーとエステル・デュフロ夫妻が自身が長年研究してきた社会格差、人種差別(と個人の移ろいやすい嗜好性の問題)、移民、環境破壊、自由貿易などのテーマを一般人向けに平易にまとめた一冊。
テーマは数あれど通底しているのは、「一見、絶望ばかりに見える問題に対して、経済学が解決できる部分は確実にあり、希望を捨ててはいけない」という点である。真摯な研究者として、経済学を一つのツールとして、確実な課題解決に結びつけるための実践がまとめられており、ランダム化試験などの統計的手法をフルに活用しながら、本当に問題解決につながる政策を -
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絶望を希望に変える、、、とは、大きくでたなー、と手に取った本。
なるほど、この大口のタイトルに負けない話、経済学者は言いそうにない(と勝手に思い込んでいた?)話もいろいろ書かれていた。
最初に、移民と貿易の話からはじまる。
そして、人間は経済合理性通りに動かない、それは、今までのデータから明らかことなのだと。
でも、だから賢く経済合理性に沿った行動をすべきだ、ではなく、そういう人間の在り方を受け止めた上で、経済で傷ついている人の尊厳を守りながら方向転換する術はないか、という本なのかな、と受け止めました。
経済学といえば、アメリカ、アメリカ、アメリカ、ヨーロッパ、のイメージだけど、インド(筆 -
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ネタバレ第1章 経済学の信頼性
職業の信用度で、一位は看護師、最下位は政治家、下から二番目は経済学者。
経済学は医学と同じで、これが正しいと断言できる者がない。
第2章 移民について
移民は自然災害や戦争で起きる。経済的インセンティブだけではあまり増えない。
マリエル難民事件=大量の移民があっても、雇用には悪影響を与えない、ことの実証。キューバからマイアミに大量の移民が押し寄せた事件。労働市場は、単純な需要と供給曲線の結論には従わない。
1,移民がお金を使うので、労働の需要も増える。
2,機械化の進行が遅れるため。
3、増えた労働者を効率的に活用するべく、生産工程を変える。
4,既存労働者の労働と競 -
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なぜ未熟練労働者の賃金が移民の流入で押し下げられないのか。
①新たな労働者の流入によって労働需要曲線が右へ移動するから。
なぜなら、その人々がお金を使うから。
その結果として賃金は押し上げられ、労働者の供給拡大の影響を打ち消す。
よって賃金水準も失業率も変化しない。
②機械化の進行を遅らせるから
③雇用主が流入した労働者を効率的に活用するべく、生産方式を再編成するから。
雇用主は企業内の賃金格差があまりにも大きくなることに否定的。
なぜなら労働者の不満が溜まり生産性が上がらないから。
だから賃金が安いからと言って移民に仕事が取って代わられる訳ではない。
高技能移民は賃金水準を押し下