森本豊富のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
残酷かつ理不尽な形で新大陸につれてこられた人々が、人間としての権利を主張することにこれだけの困難がともなって、今なお達成されていないのだなとあらためて思い知らされた。前進があればそれに倍するほどの反動があり、特に南北戦争後、奴隷解放宣言による一瞬の希望のあと、「南部再建期」にそのほとんどが無に帰したあたりは胸がいたくなる。公民権運動と、それに対する恐ろしいまでの暴力やテロ、暗殺もまたしかり。
それでも、多くの犠牲を払いながら前進をつづけてきて、今日のブラックライブズマターまでつながっているのだということがわかる。
一度読んだくらいでは人に説明できるほど身につきはしないけど、最後のほうにジョ -
Posted by ブクログ
奴隷制が始まって以来、黒人は白人による差別や迫害に常に遭ってきた。奴隷船やプランテーションでの非人間的な扱いを生き延び、解放され自由民になっても、「約束の地」である北部に逃れても、彼らが人種差別から解放されることはなかった。四〇〇年にわたり黒人の生活と命を脅かしつづけてきた差別と、地下鉄道、公民権運動、そしてブラック・ライブズ・マター(BLM)に至る「たたかい」の歴史を、アメリカ南部出身の著者が解説する。
この本の目次
第1章 アフリカの自由民からアメリカの奴隷へ
第2章 奴隷としての生活
第3章 南北戦争と再建―一八六一〜一八七七
第4章 「ジム・クロウ」とその時代―一八七七〜一九四〇
第5 -
Posted by ブクログ
“アメリカ”というのはその広さや、国民の多様性の幅の広さから、一つの国として定まった顔を持たない。本書ではイースト川とハドソン川に挟まれた地域を“メトロポリタン・ニューヨーク地域”として取り上げているが、“メトロポリタン・ニューヨーク地域無しのアメリカは考えられないが、メトロポリタン・ニューヨークはアメリカの典型的な地域ではない”と語っているように、アメリカはその地域によって住む人種、産業、気候、人々の政治思想が大きく異なる。それを地図(その地域の置かれた場所や地形、そして隣接する地域との関係)を見ながら、10の地域に分けて語ろうというのが本書だ。
必ずしも州境はその区域を分ける目安にはならな -
Posted by ブクログ
混迷の様相を呈しているアメリカ大統領選挙が目前に迫って来ている。分かっているようだが、また複雑なアメリカと言う社会。世界のNo.1の経済大国、軍事大国でありながら、理解が困難な人種混合、格差の激しい社会でもある。この機会に本書に出会えたことは幸いであった。
アメリカ史を解説するのではなく、今のアメリカの
地域的特色とその歴史的背景について分かりやすく解説されているのが好感。以下の10の地域を解説。
1.ニューイングランド地域
2.メトロポリタン・ニューヨーク地域
3.アパラチヤ地域
4.サウス地域
5.インダストリアル・ノース地域
6.ハートランド地域
7.アウトウエスト&アラスカ地域 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「ブラック・ライブズ・マター」、その歴史を学ぼうと手に取った。
1863年のリンカーン大統領による奴隷解放宣言から1世紀が経過し、1964年の公民権法、1965年の投票権法、メディケアという高齢者医療制度など、徐々にではあるが制度が整備されている。しかし、一方で黒人をはじめとする非白人が持つ根深い構造格差(教育、就職、所得、資産管理等)や白人からの偏見が重くのしかかっている。
黒人初のオバマ大統領の誕生は米国の懐の広さを感じたものだが、そのオバマ氏もねじれ上・下院や人々の偏見で思ったような政策を進めることができなかった。白人至上主義者や白人の生活力が低い人々からの強い抵抗もあったことだろ