田崎基のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本書によると特殊詐欺の末端で犯行に及んでいるのは安易かつ軽薄な動機などバイト感覚で気軽に詐欺行為をはじめた末、犯罪の片棒を担ぎ、抜けられなくなった若者たちが多いという。そして、「知的障害や発達障害のある方が、犯罪の加害者になるというケースは想像以上に多いのが実態です」背景にあるのは、犯罪組織から「利用されやすい」という特徴ではないかという。最近話題となっている精神疾患におけるグレーゾーンといわれる人たちが社会に出てからその特徴が顕在化して、その生きづらさ故に人生に躓き、悪意ある人たちにつけこまれ犯罪に加担してしまうことが多いとのこと。私はそのことに知ってとても胸が締め付けられる思いを感じずにい
-
Posted by ブクログ
原田眞人監督の『BAD LANDS』で特殊詐欺のグループが受け子、かけ子、指示役とかなり細かく描かれていた。そして下からは上の指示役に位置する人が誰でどういった人間なのか見えない。危ないと思ったらすぐ切られる。そんな現代の特殊詐欺グループが描かれていた映画だった。
それを観て、特殊詐欺ってどんなものなのだろう、と興味が湧き手に取ったのが『ルポ 特殊詐欺』という田崎基の著作。
特殊詐欺の実態と背景がどんなものなのかかなり細かく記されている。
そして知りたかった加害者側にいる人たちの側面もしっかり描かれている。
よく言われるTwitterなどSNSを使った闇バイトのリクルート。これを読むと結構簡 -
Posted by ブクログ
特殊詐欺が、こんなに組織立った犯罪であるとは知らなかった。
それなのに逮捕された末端の捨て駒から指示役を捕まえることは極めて困難であり、「リクルーター」「かけ子」「受け子」「ドライバー」など到底組織とは呼べないような、徹底的に分断された役割で一つの詐欺を働いている。
流動的かつ複雑なため、一網打尽にすることは難しい。
近ごろ、若者による白昼の強盗事件が立て続けに報道されている。
なぜこんな稚拙で杜撰な、行き当たりばったりとも言えるような捨て身の犯行ばかりなのだろう?と不思議だったのだけれど、これは追い詰められた末端の要員が辞めたくても辞めさせてもらえず、そうした見ず知らずの者同士がかき集めら -
Posted by ブクログ
詐欺をする側の目線、してしまう人たちの目線
自分も一歩踏み外せばその道に行きかねないくらい、身近なものであると不安になるくらいよくわかった。
家族を守るために、と詐欺に手を染めてしまった人もいた。
電話の録音機の実用性、が最後の方に書かれていたけどそこでさらっとでてきた、かけ子が14さいであったことが衝撃やった。
頭いい人に騙されんように、情報をアップデートしないとなと思う本でした。
また、一見Twitterなどの便利なものが増えたことによって特殊詐欺がすごい増えたようにも思う。その一方で、法改正によって詐欺グループの人数が驚くほど減っていることも知った。解決したら解決したで、その先の問題が現 -
Posted by ブクログ
「この国は近い将来、戦わずして『敗戦』状態に陥るのではないか。これまでに起きた出来事の一つ一つの点を線で結び、時代を立体的に捉えることで、見えてくる構図。それが令和日本の『戦なき敗戦』である。迫りくるその焦土を、私たちは避けることができるだろうか。」(本書「はじめに」より。)
上記の視点から、労働の現場、アベノミクスの検証、改憲、沖縄基地問題をそれぞれデータと共に考察、加えて3人の識者へのインタビューも加え、安倍政権時代を総括している。
平易な文章でわかりやすく解説されているので、安倍政権のさまざまな問題点が理解しやすいが。それら問題点に対し著者なりの解決のための処方箋、あるいは提言がある