ジョゼ・サラマーゴのレビュー一覧

  • 白の闇

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    ある日突然、失明し視界がまるで「ミルク色の海」のように真っ白になる奇病が爆発的に流行する。運転中の男から車泥棒、患者から眼科医へと。
    失明者を隔離したものの感染の連鎖はやまず、政府も対策の取れないまま社会機能は麻痺していく。
    善意と悪意の狭間で試される、人間の価値とは。


    ほとんどの人が視力を失う奇病にかかった中、ただ一人だけ目の見える眼科医の妻とその周辺人物を中心に、その生き様と秩序の崩壊を描くパンデミック、ディストピア小説です。
    映画『ブラインドネス』の原作本。

    目が見えなくなることも怖いけれど、周囲が全員目が見えない中、一人だけ視力を失わないというのもまた怖い。
    作中の主人公のような

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    2024年06月02日
  • 白の闇

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    1度読むだけでは消化しきれない。説明っぽい語りだったから、こんなにグロテスクになっていくとは思ってなかった。人の尊厳ってなんだろう。

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    2023年09月15日
  • 白の闇

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    始まりはかなり面白くて、読むのが楽しかったのだが、途中から何故か苦痛になってきて、後半はまた、面白く読めた。
    自分が失明してしまったら、それはもうものすごい悲しいことだと思うのだけれど、この物語のように、一人を除く全ての人が失明している世界に身を置かれたら、俺はどうなってしまうのかな。
    会話にカギカッコがなく、段落もないから、かなり読みにくいのだが、なんだかそれはそれで一つの味のようで。
    登場人物も、医者の妻とか黒いサングラスの女とか、固有名詞がついていない。こんなの読むのは初めてだったかもな。
    最後まで読むと、見えているのに見えていない、という深遠なテーマが通じていたんだな、この小説は。

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    2022年11月03日
  • 白の闇

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    恐ろしいと思いつつも読み進めずにはいられないほど面白かった!コロナ禍に通じるものがある。著者の他の作品も読んでみたい。

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    2022年05月03日
  • 白の闇

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    この手の本や映画はその病に立ち向かう医者や科学者や政治家が主人公というのがほとんど。患者目線の内容は今までなかったのでとても新鮮だった。


    このコロナ禍に読むとリアルさが増して人間の恐ろしさを感じた。

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    2022年04月24日
  • 修道院覚書 バルタザールとブリムンダ

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    18世紀のポルトガル、国王による修道院建設と飛ぶ機械を巡る夫婦の物語

    娘よ、そしてあなたはこれから長く生きていくにつれ、今よりもはっきりと知ることでしょう、この世界はわたくしたちの心の中を過ぎていく暗く大きな影なのだということを、そうして世界はいずれ虚ろになり、心はそれに耐えきれなくなるのです。
    生まれるとは、死ぬことです。

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    2026年05月07日
  • 修道院覚書 バルタザールとブリムンダ

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    18世紀ポルトガルを舞台にした小説。スペイン継承戦争帰りの元兵士バルタザールと透視能力を持つブリムンダの夫婦が主人公だが、実在のバルトロメウ神父がパサロールという飛行船を発明し、夫婦はその製作を手伝う。パサロールの完成とその後の顛末が描かれるとともに、バルタザールの故郷マフラでは当時の王ジョアン5世の肝いりで修道院の建設が始まり、バルタザールはその建設に従事する。
     夫婦の愛の物語、と紹介されているが、モノを作るということに対しての人間の執着がテーマではないかと思う。モノを作ること自体、完成した後の活用、製作の作業そのものなど、登場人物それぞれによってこだわりが異なり、それが良きにしろ悪しきに

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    2025年10月04日
  • 白の闇

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    唐突に目が見えなくなって、唐突にそれが終わるのは何故か。
    医者の妻だけ見え続けたのは何故か。
    教会の目隠しは何かの暗示なのか。
    ……ひとつも答えが無くて、全ては読者の解釈次第というところがもどかしい。

    この時、私はどっち側の人間なのか。
    私ならどうするのか。
    眼医者がサングラスの娘を求めた時の妻の感情を、どうすれば理解できるのか。
    この後世界は元に戻れるものなのか。
    などなど、考えることが多い作品だった。

    この秩序ある清潔な世界は脆いのだ。

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    2025年09月29日
  • 修道院覚書 バルタザールとブリムンダ

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    『ただ命じるだけ命じて、完成は見届けない王になることへの恐怖。』
    『いっさいは空、空とは欲すること、所有することは空である。』

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    2025年09月13日
  • 白の闇

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    改行も少なく文字びっしり、セリフに「」なし、
    登場人物に名前なし、という出逢ったことのない本だった。
    にもかかわらず、誰のセリフかちゃんと分かり、表情や仕草も想像でき、
    まるで映画を見ているように流れるように読めたから不思議。

    自分や仲間が生きるために他者を殺すか
    他者を殺さないために自ら死を選ぶか。
    何もかも変わってしまった世界で、
    自分自身の内側を見て、
    何が正解で自分は何をすべきか決めなければならない。

    キリスト教の世界観も感じることができる本だった。

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    2024年11月06日
  • 白の闇

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    ここまで重い本を読んだのは初めてかもしれない。タイタニックの映画の後半みたいな感じが
    丸ごと1冊分、という感じ。
    「見えない」世界で1人だけ「見える」というのは
    実際には誰かと一緒にいても孤独だろうなと思う。何かを分かち合うことって共感できるだけじゃなくて、安心感も得られるんだと気づいた。
    本書の設定はまああり得ない(と信じたい)けど、パンデミックに陥ることは今後もあるだろうし、ここで描かれた残虐で醜い場面は起こりうるんじゃないかと思うと恐ろしい。。
    2008年に映画化されているらしいけど、観る勇気は全くありません。
    本書は登場人物に名前がなく、会話に「」がないので非常に読みづらい。目が見えな

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    2024年09月15日
  • 白の闇

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    ポルトガルの作家、ジョゼ・サラマーゴが1995年に発表した小説。

    人々を突然、謎の奇病が襲う。目が見えなくなる、正確には、視界が真っ白になる病気である。特段の予兆もなく、ある日、ある男の目が見えなくなる。検査しても異状は見つからず、原因もわからない。これはどうやら伝染性であるようで、男に関わった人々、そして彼らに関わった人々、と野火のように発症が広がっていく。最初の男を車で家まで送ってやった男。最初の男の妻。男を診察した眼科医師。眼科に来ていた娘。その娘が利用したホテルの客室係。・・・
    突然の流行に慌てた当局は、患者を隔離することにする。患者にとどまらず、患者と接触したものも連行され、古い精

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    2023年03月13日
  • 白の闇

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    ネタバレ

    あまりにグロテスクでなかなか読み進まなかったが、それが人間の負の部分を表していたのだと読後に納得。それでもやはり自分にはグロテスク過ぎた。見えることが全てではない、見えないから見えるものもある。

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    2022年09月23日
  • 白の闇

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    非現実的な恐ろしい状況設定ではありますが、読みながら自分だったらこの状況でどう行動するか、どういう心理状況になるのか、といった想像力を掻き立てられて、他のフィクションの作品を読んだ時の登場人物に感情移入したりするのとはまた少し違った没入感のある作品でした。

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    2022年09月19日