後深草院二条のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
14歳の二条ちゃんが登場したかと思いきや、なかなか衝撃的な幕開けから始まる。
衣裳に調度品に、なんでこんな煌びやかにするの?と首を傾げるは彼女のみ。
ふと目を覚ますと御所さま(御深草院)が添い寝をしていて、動揺して泣きじゃくる二条ちゃん。
けれどいつの間にか、御所さまの寵愛にまんざらでもない二条ちゃんが私は嫌いではないです(笑)
現代から見ると異様な恋愛模様なんだけど、でも、全く理解不能!おぞましい!にも振り切らない。
二人とも、お互いにとって「長く情を引きずらない相手」に対しては軽視していて、逢うための仲介さえしては、その様子を眺めて楽しんでいる。
でも、法親王さまに対しても同様のスタンスを取っていた御所さまが、二条の応じ方を見て、急に嫉妬モードに転じる姿。
そんで「自分がいいって言ったくせに」とイラッとする二条も、よく描かれているなぁと思うんだな。
さて、そんな禁断の当て馬?法親王さまの、二条への執着がマジで怖い。
若かりし頃は修行一筋、女性なんてあわわわ、というような人なので、ほんと沼に引きずりこまれちゃったんだろうね。おいたわしい。
来世は共に地獄行きを願う!と色んなお寺やら何やらの名前が書かれた手紙なんか貰った日には、ほんと、ドン引きです。
そこまでのことをされても、御所さまのお許しをいただいて、ある種晴れやかに?再会しちゃう二人の心境もよく分からんのだけど……。
結局、都を出て出家した二条には、何も残らない。
愛憎の日々が繋いだ身分も、子供も、何もない。
その決断を二条自身がどういう思いで踏み切ったのか、肝心な所で話は途切れてしまっているので、出家してからの章がなんとなく歯切れ悪し。
現代語訳が工夫されていて、前中盤の二条ちゃんの心情が瑞々しく描かれている。
軽い感じが合わない人もいるかもしれないが、個人的には読みやすく、魅力的だった。 -
Posted by ブクログ
鎌倉時代の皇室に仕えていた女官の生々しい日記文学。
十四歳で後深草院天皇の愛人にさせられて、十五歳くらいで早くも初産。ほかにもかねてからの恋人、西園寺実兼との密通、妊娠までしてしまうし。性助法親王(後深草院の四歳年下の異母弟)には猛烈に言い寄られて、またも密通し、この間柄は後深草院にばれちゃうけど、それも受け入れられて二度も出産。四度も出産して、結局最後の一人の子どもは手元で育てたようなんだが、その行く末も本には書いていない。育児からは遠い身分の人みたい。後半の旅の話は抄訳になっているのだが、そっちもそれなりに面白いのではないかなと思ったりする。