門前典之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
過去の2つの出来事と現在の話が交互に書かれている。過去の話が交差し始めるまでは話のテンポが遅く、ちょっとモヤモヤイライラしました、、笑
中盤くらいから次々に事件が起こり、今何がどうなってるんだ?!と、読んでは整理してを繰り返してました。トリックというか、作中にもある通り、読み手がどう受け取るかで見方が変わるのは面白かったです。これで解決に向かうのか、、?と思いきや、いやこれはどっちなんだ??と、最後のページとタイトルを眺め、モヤモヤした気持ちのまま終了。これはシリーズものなんですかね?最後どうなったのか気になるのと、その設定ならここはどうなるんだ?という疑問も多々残っているため、続編が出るのなら読みたいです。
サイコパス要素もあったり、仕掛けも面白かったのですが、ちょっと読みづらかったなぁという感想を持ちました。(初めて触れる作風だったからかもしれないです)
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Posted by ブクログ
この不自然な屋敷は一体何なんだ。窓は嵌め殺しがほとんで開放感はなく、唯一開閉できる窓は西側に面したウォークインクローゼットの中とは。あまりに無骨な屋敷の中で起きた密室殺人。その遺体もまた屋敷と同じように理に適っていないことだらけだった。事件から数年後、屋敷に招かれた客人の中に蜘蛛手の姿が・・・。
蜘蛛手探偵シリーズ。 シリーズよろしく建築にスポットを当てたミステリー。もう序盤から分かるぞ、絶対屋敷に秘密あるだろう。その大仕掛から導かれる結末は感嘆か或いは呆気か。令和の時代、タイトルに込められた「エンデンジャード(絶滅危惧)」の真意とは!? -
Posted by ブクログ
鮎川哲也賞を受賞した『建築屍材』の作者の長編作。
多くの作品同様に蜘蛛手建築事務所シリーズ(新キャラクターも登場して今後も継続すると思われる)ともいえるものだが、探偵の変人キャラと事務所の共同経営者が凡庸な書き手として機能するあたりは、類型的であり、この作者がトリック主体の作風のためか、小説として読ませようという部分を感じさせない。
表題にある、世界最小の密室は、小説内ではメインでなく他の多くの事象の一部を構成しており、表紙裏にも書き手が招待された別荘での密室殺人がストーリーの主軸に置かれている。シリアルキラーの出現や卵の中の刺殺体の謎よりも地味な密室が中心で、個々の謎に対してトリック、仕掛けがあり、それが連関するが、個々に目が行きがちなせいか、やや散漫な印象を受けてしまう点も小説として未成熟な部分があるのではと思えてしまう。
この作者の他の作品も読んでいる(その意味では嫌いでないし、読みにくくもない)し、ワンアイデアの方が面白かったりしているので、中短編で絞ったトリックものを読んでみたいと思ったりする。 -
Posted by ブクログ
先日読んだ『御城の事件<西日本編>』がなかなか面白かったのでこちらも読んでみた。
この<東日本編>はどちらかと言えば時代物という枠を超えた感があるが、『御城の事件』という枠は守っているので良いか。
高橋由太「大奥の幽霊」
<もののけ>シリーズで有名な作家さんだが読むのは初めて。
『大奥で赤子の幽霊が泣いておる。成仏させてくれぬか』
将軍家綱の命により大奥を探ることになった主人公の忍びが行き着いた真相とは。
てっきり明るいもののけ物だと思っていたら、意外な顛末だった。
山田彩人「安土の幻」
幻の安土城を描いたという襖絵を写しとるために絵師の芳永がやって来たのは、豊臣方の軍勢に水攻めを受けている最中の大志城。
写し取った安土城の姿絵を水没しつつある城からどう持ち出すのかという作戦を立てるのが、盲目でツンな姫君というのがワクワクする。
この姫君と芳永のやり取りの楽しさでテンポ良く読めるが、そこに輪をかけて興味を引いたのは安土城の姿を写し取った芳永の、安土城は城ではないという結論。
では安土城とは何だったのか、そして信長の狙いは。
この作品が一番印象に残った。
松尾由美「紙の舟が運ぶもの」
幽霊物やファンタジー物がお得意の作家さんだが、時代物は初めてらしい。
藩主の妻からの依頼で城内の野鳥を調べている主人公が出会ったのは、子供の幽霊。
そして朝になると堀に紙の舟がどこからともなく現れる事件が起きて…。
幽霊と主人公の交流が、距離感が程よくてほのぼのする。謎解きの方も大ネタではないが、松尾さんらしくて面白かった。
門前典之「猿坂城の怪」
石垣修理中の城内で、堀に渡した仮橋に座って城を描いていた絵師が殺される事件が発生。
当時は霧が立ち込めていて橋の手すりや床板の夜霧の粒に乱れはなかった。つまり橋の上には殺された絵師以外はいなかったことになるのだが…。
変則的密室事件にもそそられるが、それ以外にも読んでいて色々違和感がある。その謎は終盤に一気に明らかになる。
何とも様々な仕掛けが施された作品だが、最後の一文で更に違和感が。結局これは時代物ではなかった?
霞流一「富士に射す影」
城内の六地蔵の一つが持ち去られていたり、牢から逃亡した罪人が殺されて山の穴の中で餓死させられていたり、小姓頭が石垣に激突死していたり、男の生首とイタチの胴体が繋げられた死体が見つかったり、連続する奇怪な事件の意味は…。
肝は何故こんなことをしたのか、ということだが、今も昔も宮仕えは大変だなという印象。
全体的にはもう少し史実と絡めた話を読みたかったかなという感想。単純に御城と事件という組み合わせを読みたい方には良いと思う。