トーマス・ヘイガーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
病院に行って、診察を受けたとき、特に何もするわけでもなく、聴診器を当てて、「はい、○○さんお薬出しておきますからね。お大事に。」
のような、治療(=薬をだすだけ)が多くなってきていないでしょうか。
SFのような時代になってきました。
もう糖尿病も薬だけで治る時代になるでしょう。
この本で、改めて感じたことをメモしておきます。
1.今までの薬は低分子薬。これからはまったくちがう高分子薬の時代がくる。
たとえばアスピリン、なんて超小さい分子構造。化学合成して作るもの、というのはそのようなものだった。これからはモノクローナル抗体(大きい)が癌などの特効薬として普通に処方される時代になってくる。特許が切れる2024年以降に本格化の兆し。
2.36%の人に効果がありました ← 疑ってかかろう!
宣伝は製薬会社が作ったもの(=彼らの言い分)。嘘ではないかもしれないけれど、故意に誤解させるような数字のトリックがあるかもしれない。
この本には、100人中3人に発生した心臓発作(偽薬グループ)に対し、2人の発作(当該薬品投与グループ)と改善され、3人→2人になったのだから1/3に改善効果があった、という事例が載せられています。
彼らの言い分は、36%の効果があるのだから、100人の人は一生涯薬を飲み続けることが望ましい、です。TV等で宣伝され、さらに数年すると飲み始めるべき基準値が切り下げられることでしょう。
3. 薬を飲むことで安心していませんか?
「俺さ、痛風の薬飲んでるからさ、ビール大丈夫なんだよね。」
「コレステロールの薬飲むようにしたんだ。だからステーキに厚くバター塗っても大丈夫。」
後者は米国人のようですが、薬を処方した結果、処方しなかったグループに比べて肥満度がアップした、と書かれていました。アメリカ映画を見る限り、さもありなん、と思いました。
薬を飲んで慢心するのではなく、その薬を飲む意味、意義、効果(費用、期間、効果、副作用、気持ちの持ち方)をトータルで考えて飲むことを決めないと。
製薬会社の言いなりになっている(この本を読んで、TV番組も製薬会社への忖度が相当入っているな~、と思いました)ところがないか、よく考えましょう。
飲むことで、結局お金かけて逆に体を悪くしてしまっていることも多そう。喜んでいるのは製薬会社だけ。
最後に。
この本に限ったことではありませんが、"X線回析" こんなことばはありません。
(とても気になったので書きました)
X線解析とは、X線の回折(かいせつ)現象を利用して、それを計測し、集計・分析して解析(かいせき)することをいいます。 -
Posted by ブクログ
プロフィール写真の著者は、スティーヴ・ジョブズのように片手を顎にあてたポーズをとっている。医化学系ジャーナリストとあるが本書を著すきっかけを聞いて以降、段々考古学者に見えてきた。
自動車王フォードと発明王エジソンがタッグを組み、労働者フレンドリーな都市を創ろうとしていた事を知った著者。跡地に足を運んだ際、遺跡を発見した時のようなロマンを覚え調査を開始することに。(「近現代なのにもう遺跡扱い?」と冷笑しかけたが、よくよく考えれば100年以上も経っている…)
アラバマ州にあるマッスル・ショールズという街がユートピアの舞台。
しかし元は先住民が住んでおり、そのまた約100年前に彼らは追放されている。単身追放先から戻った女性の話は、また別の本で詳しく聞きたいくらいに驚いたし彼女と子孫の勇気には感極まった。
2人が目をつける前から街は産業が盛んで南北戦争からの復興、硝酸塩工場や巨大ダムの建設計画と、ユートピアへの下準備は整っていた。
2人の、特にフォードの半生はユートピア計画と連関しているように見える。(エジソンは全体的に影が薄かった)
彼は農家の出身だが、純粋に機械いじりが大好きで農業ではなく機械工の道を選んだ。T型フォード開発後は事業のプロモーションといったビジネススキルも発揮するようになる。不学のせいで、反ユダヤ主義といった偏狭な思想をお持ちなのは残念だったが…。(そのせいか、ヒトラーから敬われていたことも)
いつの時代の人物かすら知らずにいたが、彼の功績や人柄をこの一冊で熟知できるとは思ってもみなかった。(その代わり彼が得意とする工学系の話は熟知しきれず…汗)
自動車王と言うからてっきり某不動産王みたいな人を想像していたが、蓋を開けてみれば超庶民派だった。田舎暮らしを愛し、自動車以外にも彼を育んだ土地や人々への恩返しにと、農業機械を開発。
マッスル・ショールズを再起させる救世主としても人々から慕われ、大統領へ押し上げようとする流れまであった。(本人はそこまで乗り気でなかったところが某不動産王と違う…笑)
フォードが身を退いた後も土地開発は継続されたようだが、結局ユートピアにはなり得なかった。
不発に終わらなければ、歴史をも変える出来事になっていたのかもしれない。著者は膨大な新聞や手記の山を掻き分け、知られざる人々の存在までも照らし出してくれた。ノンフィクションなのに臨場感があって、正直読み切るのがもったいない。
この「電撃的」な出会いをひと足先に体験、日経新聞で紹介してくださった鈴木透氏(慶應大学教授)にも感謝せねば。 -
Posted by ブクログ
人類史に重要な影響を与えた10の薬が紹介されている。インスリンのような誰もが知る薬ではないがアヘンのように知る人が多いものからモノクローナル抗体のようなものまで様々だ。
米国のオピオイド汚染の話をある通り、生涯に薬摂取量はずば抜けている。一方日本はどうなのだろう。
こうした薬学、科学の進歩は見ていて面白い。
科学者の中にも魅力ある人が多く、レディメアリーの様な女性の社会進出の先駆けから、ミルスタインとケーラーの様な理想的な上司、友人関係もあるのだと驚いた。
薬学に興味があるならとりあえず読んでみると新たな発見があるのではないか。
ただ、勃起薬を確認するために聴衆の前でズボンを下ろすブリンドリーはやばい。