眞島めいりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「わたし、あした高校を卒業式する」
満希は行人との出会いから今までを振り返る。満希の住む村に山村留学生として行人がやってきたのは小学5年生の冬。唯一の同級生の行人との距離感に戸惑いながらも、惹かれていく満希の気持ちの揺れが美しい言葉で丁寧に表現されている。
行人もまた繊細で他者の気持ちがわかる、よくできた子。だからこそ抱えてしまう辛さも後からわかってくるのだが…。
自分の言動が相手にどう受け止められるのかを考えてしまうふたり、そんなふたりの関係が切なくて愛しい。
冬の雪がふんわりとふたりを包み、雪が溶け春に向かう気持ちの良い物語でした。